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「まだ走れる」は危険?ツーリングでガス欠しない給油タイミングとは

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

市街地を走っているときは、それほど意識しなくてもガソリンスタンドが見つかります。ところが、山間部や海沿いへ入ると状況は一変。地図上に店舗はあっても営業時間外だったり、次の店舗まで想像以上に距離があったりすることがあります。

高速道路も、すべてのサービスエリアやパーキングエリアで給油できるわけではありません。「もう少し走ってから入れよう」と通過した結果、その先で給油場所が見つからないことも考えられます。

ツーリングの給油は、燃料計が減ってから考えるものではなく、出発前にルートと合わせて計画しておくものです。まずは、自分のバイクが満タンからどの程度走れるのかを把握するところから始めましょう。

目次

まずは自分のバイクが何km走れるかを知ろう

給油計画を立てるには、愛車の航続距離を把握する必要があります。

航続距離とは、満タンの状態から走れる距離のこと。ただし、メーカーが公表している燃費とタンク容量を掛けただけでは、実際に走れる距離を正確に予測できません。

カタログ燃費をそのまま使わない

メーカーのカタログに記載されている燃費は、車種を比較したり、おおよその燃費性能を知ったりする際には役立ちます。

しかし、実際の燃費は走る場所や乗り方によって変わります。渋滞の多い市街地、速度変化の大きい山道、高速道路では、同じバイクでも燃料の減り方は同じではありません。荷物の量や気温、風などが影響する場合もあります。

たとえば、カタログ燃費が30km/L、タンク容量が10Lなら、単純計算では300kmです。ただし、これはタンク内の燃料をすべて使い切り、常にカタログどおりの燃費で走る計算。300km先に給油場所を設定するのは現実的ではありません。

カタログから算出した数字は、あくまで理論上の参考値として考えましょう。

満タン法で普段の実燃費を確認

実際の燃費を把握する方法として使いやすいのが満タン法です。

まずガソリンを満タンにし、トリップメーターをリセットします。次の給油でも満タンにして、その間の走行距離を給油量で割ります。

走行距離÷給油量=実燃費

満タンにしてから240km走り、次の満タン給油で8L入った場合は、240km÷8Lで30km/Lです。

ただし、1回だけでは給油量の誤差や走行条件に左右されます。普段の給油時に記録を残しておくと、市街地や長距離走行でどの程度の燃費になるのか見えてきます。

給油計画では、もっとも良かった燃費ではなく、普段の走行で無理なく再現できる数字を使う方が現実的です。

燃料計が減ってからスタンドを探すのは遅い

「燃料警告灯が点いてから探せばよい」と考えていると、知らない土地では給油できる場所が見つからないかもしれません。

燃料警告灯が点灯したときの残量や、そこから走れる距離は車種によって異なります。道路状況や燃費にも左右されるため、「点灯後も○km走れる」という他車種の情報を、そのまま自分のバイクへ当てはめることはできません。

初めて走る地域では、燃料計が少なくなってから店舗を探すのではなく、ルートを決める段階で給油場所も設定しておきましょう。

給油するか迷ったら、次の店舗までの距離で判断

ガソリンスタンドを見つけたときに迷うのが、「今入れるか、もう少し先まで走るか」です。

判断基準になるのは、現在の残量だけではありません。その店舗を通過した後、次に確実に給油できる場所まで何kmあるかがポイントです。

次の店舗が近く、営業していることも確認できているなら、そのまま進む選択もできます。一方、次の店舗までの距離や営業時間が分からないなら、見つけた場所で給油しておく方が予定を崩さずに済みます。

満タンまで入れる必要がない場合でも、次の給油予定地まで余裕を持って走れる量を確保できます。

トリップメーターも併用する

燃料計は残量を確認する目安になりますが、表示の変化が一定とは限りません。満タン付近ではなかなか減らず、途中から急に表示が変わったように見える車種もあります。

給油時にトリップメーターをリセットし、走行距離も一緒に確認すれば、普段の給油タイミングと比較できます。燃料計がないバイクや、残量表示が大まかなバイクでは、特に役立つ方法です。

「いつもは200km前後で給油している」など、自分のバイクの傾向が分かれば、知らない場所でも判断しやすくなります。

ルート上のガソリンスタンドを事前に確認

地図アプリでガソリンスタンドを検索すると、多くの店舗が表示されます。ただし、表示される店舗がツーリング当日に営業しているとは限りません。

給油予定地を決めるときは、場所だけでなく営業時間と定休日まで確認しましょう。

早朝や夕方は営業時間に注意

地方のガソリンスタンドでは、夜間や休日に営業していないことがあります。早朝に出発する場合や、夕方以降に帰路へ入る場合は、予定していた時間に利用できるかを確認しておきましょう。

地図上の情報が更新されておらず、営業時間の変更や閉店が反映されていない可能性もあります。給油地点として必ず利用したい店舗は、公式サイトや店舗情報なども確認した方が確実です。

支払い方法も店舗によって異なります。キャッシュレス決済を利用する場合でも、少額の現金を持っておくと対応しやすくなります。

山間部へ入る前に給油する

山間部では、ガソリンスタンド同士の間隔が長くなることがあります。店舗を見つけても、定休日や営業時間外で給油できない可能性もあります。

阿寒横断道路や襟裳岬・黄金道路のように、市街地から離れた区間を長く走る場合は、ルートへ入る前に給油しておくのが基本です。

山道では、通行止めや工事によって迂回が必要になることもあります。目的地までの距離だけでなく、帰りやルート変更に使う燃料も考えておきましょう。

「目的地の近くで入れる」のではなく、「最後に確実に利用できる市街地で入れる」と考えると、給油地点を決めやすくなります。

高速道路は給油できるSA・PAを確認

高速道路には多くのサービスエリアやパーキングエリアがありますが、すべての施設にガソリンスタンドがあるわけではありません。ガソリンスタンドが設置されていない道路や区間もあります。

また、同じ施設名でも上りと下りでは設備が異なる場合があるため、走行する方向まで確認が必要です。営業時間も必ずしも24時間とは限りません。

NEXCO東日本は、高速道路での燃料切れは重大事故につながるとして、余裕を持った早めの給油を案内しています。公式サイトでは給油可能な施設や営業時間も確認できます。NEXCO東日本「サービスエリアのガスステーション」

高速道路へ入る前に残量が少ないなら、インターチェンジ付近で給油してから進入する方が安心です。

給油地点は第2候補まで決めておく

給油計画は、ガソリンスタンドを一店舗登録しただけでは十分とはいえません。

予定していた店舗が休業していた場合に備え、給油地点は第2候補まで決めておきましょう。

ポイントは、第1候補より先ではなく、手前にも候補を用意することです。

第1候補が利用できず、そこからさらに先の店舗を目指す計画では、燃料の余裕が一気になくなります。第1候補へ到着する前に利用できる店舗を予備にしておけば、営業状況に不安があるときや燃料の減りが早いときに切り替えられます。

たとえば、次のように整理します。

  • 手前の店舗:燃料が少ない場合や第1候補に不安がある場合
  • 第1候補:予定どおり走れた場合の給油地点
  • その先の店舗:第1候補で給油した後の予備情報

往路だけでなく、帰路の給油場所も見ておきましょう。行きに営業していた店舗が、帰る時間には閉店している可能性があります。

複数人では航続距離の短いバイクに合わせる

グループでツーリングするときは、参加するバイクの航続距離が同じとは限りません。

大型ツアラーと小型バイクでは、タンク容量や燃費、普段の給油タイミングが異なります。航続距離の長いバイクを基準にすると、途中で給油が必要な人が出てくるかもしれません。

集合時は全員が満タンで出発し、給油地点は航続距離の短いバイクに合わせて決めます。

誰か一人が給油するときは、ほかの参加者も残量を確認するタイミングです。「自分はまだ大丈夫」と通過すると、少し先で別の人だけが給油することになり、停車回数が増えてしまいます。

レギュラー、ハイオクなど、使用する燃料も事前に確認しておきましょう。店舗によっては希望する油種を扱っていない可能性もあります。

ツーリングの給油計画を立てる手順

給油計画は、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 出発前にガソリンを満タンにする
  2. 普段の実燃費と給油距離を確認する
  3. ツーリング全体の走行距離を見る
  4. 山間部や高速道路など、給油しにくい区間を確認する
  5. 給油予定の店舗と営業時間を調べる
  6. 第1候補より手前に第2候補を設定する
  7. 帰路に必要な燃料と給油場所も確認する
  8. 当日は燃料計とトリップメーターの両方を見る

出発時に満タンであっても、予定する走行距離が航続距離を超えるなら途中給油が必要です。

目的地の近くにガソリンスタンドがあるかだけでなく、どの段階で給油すれば帰りまで余裕を持てるかを考えましょう。

ガス欠してしまったら安全確保を優先

ガス欠によってエンジンが止まった場合は、可能な範囲で道路外や路肩など、安全を確保できる場所へ移動します。

高速道路では本線や車両の近くにとどまらず、ガードレールの外などへ避難したうえで、非常電話や道路緊急ダイヤル、ロードサービスなどへ救援を求めます。

JAFも、高速道路上で救援を要請する場合は、先にガードレールの外など安全な場所へ避難するよう案内しています。JAF「ロードサービスご利用時の確認事項」

詳しいトラブル対応については、「ツーリング中の“もしも”に備える、バイクのトラブル対処法」も確認してください。

ガソリン携行缶は必須ではない

給油場所の少ない地域を走るからといって、すべてのライダーにガソリン携行缶が必要なわけではありません。まずは航続距離に合わせて給油場所を設定し、ガス欠を防ぐ計画を優先します。

ガソリンを運搬する場合は、ガソリンに対応した容器と適切な取り扱いが必要です。飲料用ボトルや灯油用ポリタンクなどへ入れて運ぶことはできません。

また、セルフ式ガソリンスタンドでは、利用者が自分で携行缶へ給油することは認められていません。携行缶への給油を希望する場合は、従業員へ確認する必要があります。消防庁「暮らしの中で危険物を安全に取り扱うためのポイント」

携行缶は、容器の固定や保管場所にも配慮が必要です。通常の日帰りツーリングであれば、無理に携行するより、営業時間を確認したガソリンスタンドを複数設定する方が取り入れやすい対策です。

まとめ

ツーリングの給油計画は、自分のバイクの実燃費と普段の給油距離を知るところから始まります。

燃料警告灯が点灯してから店舗を探すのではなく、山間部や高速道路へ入る前に給油し、ルート上のガソリンスタンドは営業時間と定休日まで確認しておきましょう。

予定する給油地点に加えて、その手前に第2候補を設定しておけば、店舗が利用できない場合や燃料の減りが早い場合にも対応できます。

「あと何km走れるか」ではなく、「次に確実に給油できる場所へ余裕を持って到着できるか」を基準に判断することが、ツーリング中のガス欠を防ぐポイントです。

バイクツーリングの給油に関するFAQ

燃料警告灯が点灯してから何km走れる?

燃料警告灯が点灯したときの残量や、そこから走れる距離は車種によって異なります。燃費や道路状況にも左右されるため、一律には示せません。

取扱説明書で警告灯点灯時の残量を確認し、点灯した場合は速やかに給油しましょう。

ツーリングではガソリン携行缶を持っていくべき?

通常のツーリングでは、携行缶を用意する前に、航続距離と給油地点を確認することを優先します。

給油場所が極端に少ない地域などで携行する場合は、ガソリンに対応した容器を使用し、運搬・保管方法や利用するガソリンスタンドの対応を事前に確認してください。

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