効くとは思っていなかった——「入れるだけ系」への本音
ウソだと決めつけない、ただ“試してこなかった”
「ガソリンタンクに入れるだけで燃費アップ!」「パワー特性を改善して燃焼効率アップ」「排出ガスもクリーンになる」
そういった効能を、信じるタイプじゃない。もちろん、ウソだと断じるわけではなくこれまできちんと試したことがない、いわば食わず嫌い。だが今回は、条件を揃えて走り比べた結果、燃費がはっきり伸びた。その理由と手順を、順を追って記録していく。
その食わず嫌いが、実験でたどり着いた境地とは--。
写真・文/中村浩史 走行写真/島村英二

テスト車両はGSX1100Sカタナ(1990年型)。普段の付き合い方と燃費の基準値
旧車だからこそメンテ優先、ショップに任せる理由
僕の愛車は、基本設計がもう40年以上も前のスズキGSX1100Sカタナ。1100ccの空冷四気筒エンジンを持つ、いわば立派な「旧車」だ。1990年型のものを2002年にレストア車の状態で購入し、今まで乗り続けてこられたのは、きちんとしたメンテナンスがあってこそ。僕が大好きな空冷4気筒エンジンのフィーリングもきちんとキープすべく、カタナに詳しいショップで定期メンテナンスをしてもらっている。僕が自分でやるより100倍は信用できるからね(笑)。

今回、テストで使用したガソリン添加剤については、わりと興味の対象外として過ごしてきた。エンジンオイルすら、粘度もブランドも、ずっと使い続けてきたものから変更することは少ないし、まれにショップの強いおすすめで、知らないブランドを試してみるくらい。
もともとカスタムやチューニングより、長く乗るために、絶版となった純正部品の代替えパーツを組んできたカタナだけれど、特にエンジンに関してはメーカーが設計・生産したものこそが正義で、きちんとメンテナンスするのがオーナーの務めだ、と考えてきたのだ。
走行距離と給油量から見る「いつもの燃費」

管理というほどじゃないけれど、カタナの走行記録もほとんどつけてある。2025年の走行距離は2330km、あんまり走っていないけれど、他にも125ccと250ccのバイクを持っているから、使い分けをしていて、カタナは走行距離が100kmを超えるくらいのちょっとした遠乗りに使用しているのです。100kmを23回か、200kmを11回走ったとか、そんなレベル。
2025年に使用したガソリン(ハイオクを使用しています)は約140Lで、平均燃費は約16.5km/Lといったところ。空冷、キャブレター車、四気筒、車両重量は250kgオーバーで、排気量は1100ccと、好燃費の条件のことごとく逆であるこの世代のビッグバイクは、だいたいこんなもの。僕はそうスピードを出すわけでなく、高速道路を走ることが多いから、これくらいのデータ、同世代のバイクにしては、まぁまぁいい数字に落ち着くのだと思う。
これが高速道路メインではなく、街乗りも頻繁にしていた頃は、13~15km/Lといった感じの平均燃費だった。
今回使うガソリン添加剤「フューエルポーション3」とは
謳われている効果(洗浄・保護・燃費/性能・フリクション低減)

今回テストするフューエルポーション3は、エンジン性能を引き出すガソリン添加剤。ポリエーテルアミン/ポリイソブテン/酸化セリウムという3つの合成洗浄剤が、エンジン内部の汚れを除去し、燃費を向上させ、パワーアップとサビ防止効果を発揮、燃焼効率を高める、と謳われている。よくハイオクガソリンがエンジンを洗浄すると言われるが、これは正確ではなく、汚れをつきにくくする、というのが正しいのだと知られているので、ハイオクガソリンとフューエルポーション3で、エンジンのコンディション劣化は少なくなるのかも。
フューエルポーション3は、エンジン内部のクリーニング効果とエンジン保護効果、エンジン性能向上と燃費向上、フリクション低減効果があるのだと言う。
検証はイコールコンディションで——テスト条件を揃える
テストの4条件(気温/空気圧/ルート/走行距離200km)
それならばと、これまでの食わず嫌いを反省するように、きわめてイコールコンディションで走り比べしてみた。
その条件は、
①走行時の気温は同条件で
②タイヤ空気圧もスタート時に計測して前2.3kgf/cm2・後2.5kgf/cm2で揃える
③可能な限り同じルートで走ってみる
④1回の走行で200kmほど走る
といったところ。
【1日目】添加なしで200km走る——基準データの計測

気温13℃、空冷が元気に感じる日の走り出し
まずは添加なし、使用前の状態を計測、確認するために走り出す。この日は気温13℃、空冷エンジンは気温が低いとよく冷えて、パワーアップしているような気になる季節だ。
自宅を出て走り出すと、油温が上がるまでアイドリングが安定しないような寒い一日。寒い日には、やっぱり空冷エンジンが元気だ。
ルートと巡行ペース(100〜110km/h・5速3500rpm)
一般道を少し走り、高速道路に乗り入れて、時々ふらりと走りに行く海沿いの食堂へ行くのが、この日のツーリングの目的。
片道ちょうど100kmくらい、2時間くらいかけて、休憩もとらずに一気に走る。高速道路では、5速3500rpmくらいをキープして100~110km/hで巡行。もう一度、フューエルポーション3を注入して走るから、このぺースを覚えておかねば、と今日の走行200kmをクリアする。
満タン法で燃費を算出:200.4km/10.11L=19.82km/L

自宅近くのガソリンスタンドで給油。200.4km走って、10.11L給油できたから、燃費は19.82km/L。いつもよりスロットルのオンオフをしないように走ったから、すでにいつもより燃費がいい。

【2日目】フューエルポーション3投入——走りと排気の変化

投入量の考え方(タンク22L→推奨値から200ml注入)
翌日はいよいよフューエルポーション3を投入。カタナのフューエルタンクは22Lなので、メーカーの推奨値「燃料量に対して添加量1%以内」もしくは「ガソリン30~50Lに対してボトル1本(300ml)」を目安に、200mlを注入。全国の2りんかんで販売している小ボトルで計って注入。燃費データを取るために少なめにガソリンを入れておき、フューエルポーション3を注入した後に、満タンまで給油した。

走り出して感じた変化(ピックアップ/トルク感は“錯覚”か?)
エンジンをかけて走り出す。心なしかピックアップを鋭く感じるし、信号待ちからの発進でトルクを力強く感じる。けれど、フューエルポーション3を入れたぞ、という心理的錯覚で、そう感じているだけなのかもしれない。
目視できた変化:排気煙がうっすら黒ずむ

ただひとつ気づいたのが、マフラーからの排気煙。この日の気温は15℃、マフラーからの排気が白い水蒸気になるほどの寒さではないけれど、昨日よりも明らかに黒ずんでいる。黒煙というほどでもないが、うっすらと黒い排気煙が出ているのだ。ハッキリ目視できる、これはフューエルポーション3の燃焼室→排気系の洗浄効果なのだろう。
フューエルポーション3が面白いのは、燃焼室だけでなく排気系まで洗浄が及ぶという点だ。配合成分のひとつである酸化セリウムは、排気系統の洗浄にも有効とされており、投入直後に見えた排気煙の黒ずみは、こびりついていたカーボンが排出されているサインと考えられる。黒ずんで見えても、必ずしも不完全燃焼というわけではない。
走るペースは昨日と同じように100~110km/h巡行で、同じ目的地へ。走っているときのパワー感は、あるようなないような、が正直なところ。カワサキNinjaZX-25RとBMW R1150GSをベンチ計測した回があるので、客観的な数値の変化はそちらの記事を参考にしてほしい。
そして今日は、昨日の食堂から信号いくつかだけ、ほんの数100mほど離れている食堂へ。駐車場で、少しアイドリングさせてみたが、出発の時に見えた排気煙はほぼなくなっていました。洗浄が終わったということなのかな。
結果発表——燃費19.82→21.92km/L、約10.6%アップ

同じスタンド・同じ入れ方で「9.1Lしか入らない」衝撃

帰り道もまた、100~110km/h巡行で。これで、出発前に決めていたテスト項目「可能な限り同じルートを200kmほど走ってみる」をクリアした。お楽しみはここから、いよいよ燃費を測る給油だ。
昨日と同じガソリンスタンドで、同じハイオクガソリンを入れると、昨日とほぼ同じタンク給油口上面まで入れると、なんと9.1Lしか入らない! 199.5km走ったから、21.92km/L! 約10.6%も燃費が伸びている!
約20年この車両の燃費を記録してきたけれど、20km/Lを超えたのはこれが初めて! あくまでも満タン法計測でメーター読みの距離計なので、厳密な数字は違うかもしれないけれど、同条件で2日間かけて同じルートを2往復したデータだけに、この数値にはかなり信憑性があると思うのだ。
このテストで分かったこと、食わず嫌いの結論

黒ずんだ排気煙=洗浄のサインだったのか
このテストで分かったのは、マフラーからの排気煙が少し黒ずんだこと、燃費が10%以上伸びたこと! 食わず嫌いは、すっかり信じ切ってしまう。しばらくこの状態で、燃費を気にしながら走ってみようと思う。
効果はどれくらい続く? 推奨頻度と今後の付き合い方
メーカー推奨「1年 or 1万km毎に燃料の1%」
メーカーの説明によると、1年または1万km毎に燃料量の1%を添加することを推奨、とのことなので、この効果は少しずつ薄れながらしばらく続くのだと思う。
パワーアップや排出ガスのクリーン化は、下記モトメガネの記事をご参照ください。

カスタムではなく、カタナに長く乗りたいという僕の希望にピッタリの商品なのかもしれませんね。
※追記
このテストを終えた後も、まだ半信半疑だった僕は、もうひとっ走り。今度はあまり燃費を気にせずに、加速するところは加速、120Km/h制限の高速道路も走ってみました。
テストした日よりも気温抑えめで8~10℃。パワーフィーリングも、やっぱり寒いから、思った以上にピックアップが鋭く、低~中回転域がパワフルに感じる。


パワーを感じるということは、当然のように燃費も悪化すると思いきや、結果は131.5km走って6.59L給油、燃費は19.95km/L!
効果は、ハッキリ! 数字はうそをつきません! ついつい距離を伸ばしたくなっちゃう副効果も分かりました。
全国の2りんかんで“ボトル”も“量り売り”もOK。タンク容量に合わせてムダなく買える

フューエルポーション3は、燃料30〜50Lに対してボトル1本(300ml)を添加し、1年または1万kmごとの使用が推奨されている。ただ、バイクのタンク容量はリッターモデルでも約25Lがおおよそ上限クラスで、250cc以下ならさらに小さい。添加割合は1%を超えない量でよいため、たとえばタンク12Lなら必要量は約120mlで足りる計算だ。
「1台だと300mlを使い切れない……」という人に朗報。全国の2りんかん(全店)では、ボトル(300ml)購入に加えて“10ml単位の量り売り”にも対応している。必要な分だけ買えるので、ムダが出にくいのがうれしい。

量り売りは、店頭でその場で入れてもらうのもOK。さらに量り売り用ボトルも用意されているので、持ち帰って自分のタイミングで投入することもできる。加えて店頭には、車種別に目安量が分かるバイク別添加量早見表もあり、「タンク容量が分からない」「何ml入れればいい?」という不安も解消しやすい。

製品情報:FPx3 フューエルポーション3(スペック・使い方・価格)
(編集協力:株式会社ヤザワ)







