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40過ぎてからのオフロードバイク・デビュー!【第6回:コーナーを安定して曲がるには?】

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

バイクのライディングの基本である〝ライポジ〟〝レバー操作〟〝加減速での姿勢の取り方〟〝シッティング、スタンディングはどこで変える?〟をこれまでに取り上げ、前回では〝コーナリングでの基本姿勢〟を紹介した。

オフロードバイクの基本的な操作に慣れてきたら、オフロードでも安定して曲がれるコーナリングのコツマスターしたい。単に「曲がる」だけでなく、車体の挙動を乱さずに安定したラインで抜けることは、初心者がまず目指すべき大きなステップだ。オフロードのコーナリングでは、ブレーキ、アクセル、そして重心移動をどう繋げていくかがカギになる。

今回もライディングをレクチャーしてくれる講師はエンデューロチャンピオン渡辺学選手だ。

前後のサスペンションに手を加えたテクニクスのレンタル車両「YAMAHA SEROW250」を使って、『コーナーを安定して曲がる』コツをマスターしよう!

目次

コーナリングのコツを学ぶ前に、基本姿勢をおさらい!

安定したコーナリングのためには、まず基本的な姿勢が身についていることが前提である。ここでは過去に紹介した要点を簡単に振り返っておこう。

シッティングでのコーナリングで座る位置

オフロードでは、フロントタイヤに荷重をかけることで旋回性と安定感が得られる。そのため、コーナリング時にはシートのかなり前方に座るのが基本。タンクの付け根あたりにお尻を置くイメージだ。セロー250のようなトレール車では、そこまで前に座ることができないため、股間がタンク後端に着くぐらいシート前方への着座をイメージしたい。

【前側に着座する理由は?】
前輪に荷重をかけることでフロントタイヤがしっかりと接地し、滑りやすい路面でもコントロールがしやすくなる。逆にシート中央や後方に座ってしまうと、フロントが軽くなり、旋回中に外へ逃げるような挙動が出てしまう。

コーナー外側の足は〝面でホールド〟

コーナリング中の外側の足は、面で車体をホールドするのがコツ。

第1回のライポジでもマナブ先生にレクチャーしてもらったが、やみくもに強くホールドする必要はないとのこと。

足首、ふくらはぎ、膝、太ももといった、脚の内側全面をバイクにフィットさせて、下半身の広い面積を使ってバイクをホールドすることが重要だ。

ブレーキングは直線で終わらせる

オフロードでの走行になれていないと、「ブレーキを掛けたら転ぶんじゃないか……」という不安が頭をよぎる。確かに舗装路と比べたらオフロードは滑りやすいが、基本的な所を抑えておけば恐れることはない!

「オフロードの路面は滑りやすいため、コーナーに進入してもなおブレーキをかけていると車体は不安定な状況になるだけでなく、最悪の場合転倒ということにもなりかねません。

そこで重要なのが、〝まっすぐな状態でしっかりと減速を終える〟ことです。

バイクが直立している状態でブレーキを使えば、前後タイヤのグリップを最大限に使え、スリップのリスクも大きく減らせられます。ブレーキングが終わってからコーナーに入ることで、車体の姿勢が整った状態で旋回に入ることができ、結果として安定したライン取りもしやすくなります」。

ブレーキはどう掛ける?

一気にガツンとブレーキレバーを握ってブレーキを掛けるのではなく、じんわり丁寧に掛けていくことが重要。それとありがちなのが、コーナー手前でブレーキをかけたけど思ったよりも距離があったので、ブレーキをリリース、そしてまたブレーキをかけて、という動作を繰り返してしまうこと。

この動作をすると、ブレーキでサスペンションが『縮む⇔伸びる』の動作を繰り返し、車体は不安定な状況になってしまう。不安定な状況になることで、ライダーの不安も一層増してしまうというわけだ。

エンブレを有効に使おう!
ブレーキ操作をする前に、エンジンブレーキを使うことで速度を簡単に落とすことができる。アクセルを戻すだけだし、車体の姿勢も乱れないのでビギナーでも怖くない。とくに林道では、レースのように一気に速度を落とす必要もないので、まずはエンジンブレーキで速度を落としたい。

アクセルを開けながら曲がるのが安定のコツ

オフロードビギナーがコーナーでフラフラしてしまう原因は、コーナリングでのポジション、姿勢が整っていないことが多いが、もう一つの原因がアクセルを開けていないことも影響している

コーナリング中は、アクセルを徐々に開けていくことで車体が安定し、タイヤがしっかりとグリップしてくれます。

コーナー進入時に一旦アクセルを閉じたら、曲がりながら再び開けていく。このとき、急激に開けるのではなく、段階的に開けていくことが重要です。アクセルをじわっと開けることで、リアタイヤの駆動が安定し、滑りやすい路面でもコントロールがしやすくなります。

そもそもアクセルを開けるためには、その手前でしっかりとスピードを落とすことが大切
エンブレとブレーキ操作で速度を落としましょう」。

アクセル操作は“6段階”を意識して、丁寧に開けていこう

初心者がやりがちなのが、「アクセルを開ける=一気に100%」という操作だ。だがこれはオフロードでは非常に危険。路面の状況に応じてグリップが変化するため、急激な駆動はスリップや転倒の原因になりやすい。

そこで初心者におすすめなのが「アクセル操作を6段階程度に分ける」という方法。ゼロからいきなり100にせず、アクセルの開度を全閉から全開までを6段階に分け、段階を踏んで開けていくことでスムーズな加速と安定した車体姿勢が得られるというわけだ。

重心を安定させる意識も大切

アクセルを開けながら曲がるときは、体がぶれてしまうとアクセル操作が乱れてしまうので、先ほども紹介したコーナー外側で車体をホールドすることも忘れずに!

さらに、コーナー内側の足を出すと、人間の足1本の重さは約10kgもあるため、重心がコーナーイン側に移動しやすいので曲がりやすくなる
その際に注意したいのは、足を出す方向だ。

コーナー内側の足は前に出す!

コーナリングの基本姿勢でも説明しましたが、足は横に出すのではなく、前に出してください。特につま先の向きに意識しましょう。

つま先が前を向いていれば、自然とイン側の足もバイクのシュラウドにあたることで、バイクをホールドすることにつながります。
逆につま先が外を向いていると、イン側の足はシュラウドから離れやすくなり、マシンのホールドができなくなってしまいます。

つま先が前を向いていると、イン側の足でもバイクをホールドできる。
つま先が外を向いていると、イン側の足でバイクをホールドしにくい。

なんか車体が安定しない……というときは、外側の足のホールドだけでなく、イン側の足のつま先の向きもチェックしてみてくださいね!」

まとめ

オフロードでコーナーを安定して曲がるには、「燃料タンク後端にシッティング」「ブレーキは直線で終える」「アクセルは段階的に開ける」という3つの要素が重要になる。

オフロードで曲がる、というと難しいように感じてしまうが、基本はシンプル。ただし突き詰めれば非常に奥深い操作なので、繰り返し練習することで、コーナーでの安定感は格段に向上する。焦らず、これまで学んできた基本姿勢やフォームと組み合わせながら、少しずつ慣れていこう。

それと、コーナーでバイクを無理に倒そうとしないことも重要。慣れてコーナーリングの速度が上がってくれば、バイクが倒れる角度も自然と深くなっていくからだ。

焦らず、でも確実に基本を反復練習していきたい。

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コンパクトなコースだから奥が深い!
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コースレイアウトは1周約700mとコンパクトなトラック。レイアウトはビギナーから中級向けだが、シンプルゆえに奥が深い!

マナブ先生曰く「シンプルな作りのコースだからこそ、速く確実に走るのは難しかったりします。なにも大きなジャンプがあって、高速コーナーがあってというようなレイアウトがすべてではないんです。オフロードは基本がすごく重要ですし、課題を一つ一つクリアしていくことが、上手くなる方法でもあります。そのためにも、シンプルなコースはオフロードを上達するためにも最適ですね!」

◆場所:茨城県坂東市矢作655−5
◆コース走行料:2500 円(税込)/1 日
◆走行時間:9:00〜17:00(4月〜10月末)、 9:00〜16:00(11月〜3月末)
 ※12:00〜13:00 は昼休みとし全車エンジン停止。ただし、キッズ練習時間として、PWやQR等で走行のキッズのみ走行可能。
◆コース営業日:イワイサーキット(ミニバイクコース)営業日に準じる。原則無休だが、平日に関しては念のためイワイサーキットへ要問い合わせ(イワイサーキット電話:0297-38-1385)

2024年エンデューロチャンピオンの渡辺学選手

全日本モトクロス選手権でヤマハのワークスライダーとして活躍した後、エンデューロレースに参戦。JNCCでチャンピオンになること7回!状況を常に冷静に判断してクレバーな走りで観客たちを楽しませてくれる。TWISTER Racingなるチームを率い全日本モトクロス選手権に参戦。若手選手の育成にも力を入れている。
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