
スペイン・バルセロナ発のヘルメットブランド「LS2(エルエスツー)」は、現在世界127カ国で親しまれている世界的なヘルメットブランドです。モダンなデザインと先進の機能性を打ち出し、厳しいレースの世界でも数多くのライダーが信頼を置く高い安全性は、各国で支持を集めています。
近年ではロードレースの最高峰MotoGPをはじめ、世界一過酷なラリーレイドであるダカールラリーでもオーガナイザーがLS2のヘルメットに認証を与えていることからも、その高い安全性は折り紙つきなのです。

日本でもLS2の知名度はここ数年でかなり上昇中。というのも、LS2のヘルメットは、いまどきのライダーたちのハートをつかむスポーティでモダンなデザインと確かな機能性を実現しているにもかかわらず、価格帯はとてもリーズナブル。それも大きな魅力のひとつなのです。近年はヘルメットをはじめとするライディングギアが軒並み値上がりしていることはみなさんもご存知の通り。しかしLS2のヘルメットは、多くのライダーにとって手が出しやすい価格帯なのです。
しかもインナーバイザーやインカム用のスピーカーホール、効果的なベンチレーション、豊富なアクセサリー、快適な内装まで、その装備と機能は現代的なフルフェイスヘルメットにふさわしいもの。ここからはその最新作となる「STREAM Ⅱ(ストリーム2)」についてご紹介します。
日本人の頭に合わせたジャパンフィットを採用したニューモデル:STREAM Ⅱ

ストリートからオフロード、カジュアルシーンまでさまざまなシチュエーションにフィットするヘルメットを多数取り揃えるLS2。今年になってから、日本市場に向けたジャパンフィットモデルのリリースをスタートしました。スタンダードなフルフェイスモデル「RAPID Ⅱ」、システムヘルメットの「ADVANT-X F」、そしてこのスポーティなフルフェイスモデル「STREAM Ⅱ」です。

ジャパンフィットとは、日本人の骨格(頭の形)に合わせた特別仕様の内装を持つヘルメットを意味しています。というのも、欧州とアジアでは人々の骨格の違いもあって平均的な欧州のライダーが使用するヘルメットをそのまま日本人が使うと、内装の形が合わず頭頂部は側頭部など内装が食い込んでしまって長時間の使用に耐えられないこともあります。
平均的な欧州人の頭蓋骨は横幅がやや狭く、日本人が欧州仕様のヘルメットをかぶると側頭部を中心に違和感がでてしまいます。短時間の使用では問題がないものの、やがて鈍い痛みに変わるので長時間の使用では相当な負荷になります。それを改善すべく、LS2では日本人の骨格データをもとに、内装を再設計。それがジャパンフィットモデルなのです。
シャープなデザインがスポーティ。ベンチレーションも充実
そんなジャパンフィットの内装を持つSTREAM Ⅱ。まずはシェルのデザインから見ていきましょう。


特徴的なのが後頭部のディフューザーです。まるでウイングのように後頭部へと伸びる形状は、エアロダイナミクスを考慮したもの。そのシャープなシルエットはスーパースポーツモデルとの相性も抜群!


頭頂部にはベンチレーションを設けていて、後頭部のディフューザーの下部には導入した走行風が内装を通り抜けたあとにそのまま排出される仕組みです。

この頭頂部のベンチレーションはスライド式で天候や気温に合わせてワンタッチで開閉可能。

適度なクリック感があるので、慣れれば運転中に片手で操作することも可能です。このほかにもチンガードにもベンチレーションを装着しています。


小ぶりなインテークですが、意外にも効果は絶大。スライド部分には小さな突起を設けているので、ミラーを見なくても手探りですぐにスライド部を探り当てることができます。開閉のクリック感はとても軽いのですが、節度のある作りで開ける・閉めるが指先の感触でしっかり確認できます。

またヘルメットの開口部でも快適性を高めるべく、空気の流れを整える細かなパーツを装備。鼻先には小型のディフューザーを設けており、冬場や雨の日に鼻息や吐息が直接スクリーンに届かないように配慮されています。またチンガードのベンチレーションから入った走行風の一部はシールド裏側にも循環する作りで、シールドの曇りを防ぐほか、顔全体にフレッシュエアを導く構造になっています。
インナーバイザーは標準装備!

STREAM Ⅱのイチオシポイントのひとつが標準装備のインナーバイザーです。シェルと内装の間に可動式のバイザーを装備することで、走行状況に合わせて瞬時にインナーバイザーを上げ下げできます。朝も夜も走り続けるようなツーリングでは、シールド選びに頭を悩ませることも多いのですが、クリアシールドとスモーク仕様のインナーバイザーの組み合わせなら、時間帯に関係なく安全に走りを楽しめます。


開閉は簡単でシェル左側のスライドスイッチを前後に動かしてインナーバイザーを操作します。走行中でも一瞬で操作できるので安全な作りです。

また、外側のシールドは3段階。クリック感もしっかりしており、開ける際も閉める際も硬すぎず、軽すぎず、の良い塩梅です。さらにオプションのピンロックシートを装着するマウントも装備しているので、梅雨や冬時期などにはピンロックシートを併用するとさらにクリアな視界を確保できるでしょう。写真は純正のクリアシールド。じつはこの純正シールドは94%のUVカット仕様なので、このままでも紫外線は充分にカットできます。さらに高い耐摩耗性を実現しているので傷がつきにくい仕様なのです。
LS2 STREAM Ⅱはその軽さも魅力

STREAM Ⅱでは、LS2独自のKPA(キネティック・ポリマー・アロイ)素材と呼ばれる材料をシェルに使用。効率よくエネルギーを吸収・分散する特徴を持つKPA素材は、耐衝撃性と驚異的な軽さを実現しているのです。手に持ったときはもちろん、その軽さを体感できるのはかぶったとき。

手で持った時以上に軽く感じるのは、シェルの重量バランスが非常に優れているから。この日テストを担当したモトメガネのテスターも
「普段は国産のスポーツタイプのジェットヘルメットを使用していますが、STREAM Ⅱはフルフェイスでありながら、ジェットヘルメットよりも軽く感じました」
とその軽さにびっくりしていました。
評価の高い内装のクオリティ

モトメガネではこれまでさまざまなタイプのLS2製品をテストしてきましたが、すべてのテスターが口をそろえて絶賛するのが内装の質感です。

こちらがSTREAM Ⅱの内装です。ナイロンやウレタン、人工皮革、などさまざまな素材を組み合わせた内装はその縫製も丁寧。その高い質感が魅力です。


特に肌に直接触れる部分のナイロンは、網目も細かくやさしい肌あたりが特徴です。チークパッドの圧迫も少なく、顔が大きく潰れないのも快適性を高めています。また、頭頂部は釣り天井式のような構造で被った時に頭頂部を優しく包み込むような感触で圧迫感もありません。こうした内装の仕様は世界共通ですが、前述したようにジャパンフィットモデルでは、チークパッドから頭頂部周囲のサイズ、形状を日本人の骨格に合わせています。また、現代のライダーの必須アイテムであるインカムに対応すべく、従来よりもスピーカーホールを大型化、さまざまなタイプを収納しやすくしているのもポイントのひとつです。

あごのストラップは、簡単な開閉を実現しながら高いロック性を誇るLS2独自のラチェットシステムを採用。フィット感の調整も簡単です。


ストラップ本体にも肌あたりのやさしいファブリックを巻いているので、タイトに締め込んでもストラップが食い込んで痛くなることはありません。
コスパ最強の欧州ブランドLS2。価格はなんと2万9200円(税込)!

ここまでSTREAM Ⅱの特徴を紹介してきました。この装備を見ると、ヘルメットの値段は5万円前後でもおかしくはないレベル。しかしSTREAM Ⅱはなんと2万円台という価格を実現しています。正直言って、ここまでの装備をクオリティでこの価格帯で販売していることは衝撃です。今回テストを担当したスタッフも被り心地や視界の広さ、各部の操作性には大満足!
そもそも、ヘルメットとは消耗品のひとつであり、数年で買い替えるべきアイテムです。とはいえヘルメット価格が高騰する昨今、なかなか買い替えに踏ん切れないライダーも多いのではないでしょうか。そんな方にはぜひ、店頭でLS2ヘルメットの作りを手に取って確かめて欲しいものです。軽さ、質感、デザインなど、すべてにおいてハイレベルなLS2のクオリティをすぐに体感できるはずです。

(編集協力:株式会社セイデン)







