MENU
カテゴリー

「アナログ」の面白さと旧車バイク「再生のコツ」。moto-JOYが語るキースター燃調キットの魅力

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

「きちんと整備されたキャブ車は、めったなことで壊れません」。そう語るのは、旧車・絶版車を専門に扱うプロショップ『moto-JOY(モトジョイ)』のチーフメカニック、清輔さんだ。今や前時代的ともいえるキャブレターだが、構造がシンプルゆえに整備しやすく、消耗パーツを交換すれば長く使い続けられる魅力がある。

そんなキャブレターをベストな状態にするため、moto-JOYが活用している製品が「キースター燃調キット」だ。

国内市場から姿を消して約20年になるが、今も多くのファンから愛され続けるキャブレター車。そのアナログな魅力をmoto-JOYに聞き、同社が愛用しているキャブレターリペアキット「キースター燃調キット」について解説してもらった

moto-JOY
三重県鈴鹿市西条8-11/059-375-1132
https://www.instagram.com/motojoyover/
空冷ZやFX、GPZ、CB750fourCB-F、CBX(1000)を中心に、販売から、整備・点検・車検までを一貫してサポートしてくれる旧車専門店。
オーヴァーレーシング/moto-JOYが主催する絶版車によるサーキット走行イベント『ASTRIDE』も好評開催中だ。

目次

キースター燃調キット

まずはキースター燃調キットをカンタンに解説。
同キットは、兵庫県に本拠を構える岸田精密工業が手がけるキャブレターのリペア&セッティングキットだ。特長は以下のとおり。

純正パーツを徹底再現
→純正キャブレターに組み込まれているインナーパーツの寸法・形状を忠実に再現している

オーバーホールに必要なパーツ構成
→ガスケットやOリングなど、キャブレターのオーバーホールに必要なパーツがそろっている

多様なセッティングパーツ
→ジェット類やニードルが複数同梱されており、エンジンの状態やカスタム内容に応じたセッティングができる

◆リーズナブルな価格設定
→オーバーホール&セッティングができるパーツがすべて入って1キャブ4,400円

プロショップがキースター燃調キットを選ぶ理由

moto-JOYでは、キャブレターのオーバーホール・セッティングを行うためにキースター燃調キットを長年にわたって使い続けている。その理由は次の5つだという。

1.価格が4,400円とリーズナブル(純正パーツでそろえると2万円を超える車種も)
2.必要なパーツが全部そろっている
3.純正で入手不可なパーツも入っている
4.純正と同等のパーツ精度
5.メーカーの対応が丁寧で柔軟

moto-JOY 清輔さん

低価格でキャブレターをオーバーホールできるので、お客さんも喜んでくれますね。パーツ費用が5分の1で済むケースもありますから。
しかもオーバーホール後は、新品に近い仕上がりになります

サブロー

「3.純正で入手不可なパーツ」って何ですか?

moto-JOY 清輔さん

とくに入手が難しいパーツはニードルジェットです。摩耗しやすく、放置するとアイドリングや低速度域で濃い症状が出てしまうんです。このパーツをキースター燃調キットの新品に交換すると、調子がバリッとよくなるキャブは多いですね。

筒状の金属がニードルジェット。この筒の中を通るようにジェットニードル(針)が上下して燃料の濃さを調整する

このニードルジェットが摩耗したことに気づかず、メインジェットやスロージェットの調整を繰り返し、セッティングに悩むユーザーが非常に多いのだとか。アイドリング不調やレスポンス低下が気になる場合はチェックしておきたい重要なパーツだ。

サブロー

「5.メーカーの対応」ってどんなことをしてくれるんでしょう?

moto-JOY 清輔さん

メーカーの岸田精密工業さんは、ユーザーの声をよく聞いてくれます。改善してほしいことを伝えるとアップデートしてくれることもありますし、マイナーな車種のパーツにも対応してくれます。

岸田精密工業の公式サイトには500車種を超えるキースター燃調キットのラインナップがある
未対応車種であっても、純正キャブ(※コンディションによる)を郵送すれば相談に乗ってくれるそうだ。

レストアを容易にする存在

moto-JOYではフルオリジナルの車両を中心に取り扱う。もちろん社外キャブやマフラーなどのカスタムも得意分野だが、近年の旧車ファンからはフルオリジナル(ノーマル)車を求める声が多いという。

キースター燃調キットを使う以前、moto-JOYでは新品キャブが手に入らない場合は中古品を組み合わせて整備するしかなかった。中古キャブはそれぞれ摩耗度合いが異なり、とくに3~6気筒車ではバランスを取るのが困難だったという。しかしキースター燃調キットなら各気筒すべてを新品同様にそろえられるため、フィーリングが一気に蘇る。40年以上も前の車両であっても新品に近い感覚を取り戻せることは、ショップにとってもユーザーにとっても非常にありがたいことだ。

セッティングの奥深さ

ジェットの種類が豊富に用意されている点も、キースター燃調キットの大きな利点だ。旧車は個体差が大きく、純正番手ではベストセッティングが出ない場合が多い。しかし同キットなら細かい調整が可能なため、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出せるのだ。

さらに、カワサキ車に多いチョークプランジャーもキースター燃調キットに含まれている。純正品が出ない車種が多く、ここからガソリンがリークして不調を招くケースがあるため、整備の現場では非常にありがたいパーツだ。

純正同等の精度と安心感

純正パーツとキースター燃調キットは厳密な意味で100%同じではないが、パッキンやゴム類は純正と同等の品質を備えている。金属パーツも同様で、かつての社外パーツ(主に海外メーカー品)にありがちだった「サイズ違い」「バリだらけ」といった粗悪品に比べれば、国内生産品であるキースター燃調キットの信頼性は圧倒的だ。

最初は安すぎて不安だったが、使ってみて驚いた」と清輔さん。ショップや一般ユーザーからのフィードバックを柔軟に取り入れ、改良を重ねているメーカーの姿勢も評価しているという。

アナログなキャブ車の魅力

アナログゆえにバイクとライダーの距離が近いキャブレター車「手がかかる方がかわいい」と感じられるライダーなら、最新のバイクにはない楽しさを感じられると清輔さんは語る。

季節や標高で調子が変わり、不具合が起こることもあるが、少し手を加えれば乗り味が大きく変わるキャブレター。試行錯誤を重ねて理想のフィーリングを手に入れたマシンには、何物にも代えがたい愛着が湧くことだろう。

取材協力:moto-JOY

空冷ZやCB-Fといった人気絶版車を中心に取り扱うモトジョイは、仕入れた中古車を徹底整備。購入者が安心して旧車を楽しめるようにキャブレターはもちろん、エンジン、足まわりにも入念な点検整備を実施している。

そうした安心感をさらに高めてくれるのが保証付き中古車だ(保証期間は車両価格により異なる)。40年以上もの車両に保証を付けられることは、高い技術力の裏付けでもある。さらにmoto-JOYの販売車両は近年の異常な旧車価格に比べるとリーズナブル。旧車を愛する人々に状態のいい車両を提供するその姿勢が評価されて、今や全国から依頼が集まり、他店で断られた車両も受け入れる「駆け込み寺」として信頼を得ている。

チーフメカニックの清輔さんは自身もCB750Fに乗る旧車ライダーだ。車両の購入や整備について気になる人はぜひお問い合わせを。同店インスタグラムも要チェック!

moto-JOY
三重県鈴鹿市西条8-11/059-375-1132
https://www.instagram.com/motojoyover/

(編集協力:岸田精密工業株式会社)

カテゴリー

モトメガネ バイク買取一括査定

目次