バイクに乗るためには、運転技術だけでなく「視力」も重要な条件のひとつです。
では、実際に公道を走るために必要な視力はどのくらいなのでしょうか。
また、もし視力が弱く、運転時に矯正しなければいけない時、メガネとコンタクトレンズのどちらを使うのがいいのでしょうか。
バイクの運転に必要な視力
バイクを運転するうえで欠かせないのが「視力」です。速度の高い走行や周囲の交通状況を的確に判断するためには、十分な視力を保っていることが前提となります。
では、バイクの運転には具体的にどれほどの視力が必要なのでしょうか。
実は、運転免許の交付や更新のための試験に必要な視力の基準があり、バイクの運転に必要な視力はバイクの大きさによって異なります。
原付免許では、両眼で0.5以上の視力が必要とされています。
また、もし片方の目が見えない場合でも、もう一方の目で左右150度以上の視野があり、視力が0.5以上あれば受験可能です。
これに対し、普通二輪免許や大型二輪免許では、条件は両眼で0.7以上、かつ片眼でそれぞれ0.3以上という、より高い基準が設けられています。
この場合、もし片眼の視力が0.3に満たない、あるいは見えない場合は、もう一方の目で左右150度以上の視野を確保し、視力が0.7以上であることが求められます。
この視力は裸眼に限らず、メガネやコンタクトレンズなどの矯正視力でも構いません。
ただし、矯正して基準をクリアした場合は免許証に「眼鏡等」という条件が付与されます。
この条件があるにもかかわらず裸眼で運転すると「免許条件違反」となり、違反点数2点と普通二輪車で6000円、原付で5000円の反則金が科されます。
バイクに乗るときはコンタクト？メガネ？
上述の通り、バイクの運転には、一定以上の視力が必要で、視力が弱い人がバイクに乗る場合は矯正器具を付けることが必要です。
そして、バイクに乗るときに矯正器具を付ける必要がある場合は、コンタクトを付けるかメガネを付けるかを選ぶ必要があります。
普段からメガネを使用している人や、ツーリングのときだけコンタクトを選ぶ人など、ライダーによってスタイルはさまざまです。
では、バイクに乗るときに「コンタクト」と「メガネ」にそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。
メガネを付ける場合
まずメガネの場合、装着や取り外しが簡単で、長時間の使用でも目が乾きにくいという利点があります。
さらに、レンズにブルーライトカットや調光機能を持たせることで、日中や夜間の走行でも快適さを保つことができます。
一方で、ヘルメットの着脱時にフレームが引っかかったり、走行中の振動でズレてしまうことがあります。
また、ヘルメットの形状によっては走行中に落とす可能性もあります。
このほか、フルフェイスヘルメットを使用する際は、メガネのツルが圧迫されて耳やこめかみが痛くなるケースも少なくありません。
また、ズレたフレームが視界の一部をさえぎることもあり、長距離ツーリングでは煩わしさを感じる人も多いようです。
このため、メガネで乗る場合は、眼鏡ストラップや滑り止めパッドを活用するなど、落下防止やズレ防止の対策が欠かせません。
最近では、バイク専用に設計された「ライディング用メガネ」も販売されており、風の巻き込みを軽減するフレーム形状や、曇りにくいレンズを備えた製品もあります。
コンタクトレンズを付ける場合
一方で、コンタクトレンズはフレームによる視界の妨げがなく、広い視野を確保できる点がメリットです。
ただし、コンタクトにも注意点があります。乾燥しやすい環境では目の不快感が出やすく、長時間の走行では目薬によるケアが必要になる場合もあります。
また、走行中にゴミやほこりが目に入った場合、すぐに対処しにくいという弱点もあります。
このように、メガネとコンタクトにはそれぞれ利点と欠点があり、どちらが「正解」とは一概にいえません。
普段の使用感やライディングスタイルに合わせて、自分にとって最も快適で安全な方法を選ぶことが大切です。
SNSでのメガネとコンタクトの評価
SNS上では、「バイクに乗るときはコンタクトの方が楽」という声が多く見られます。
ヘルメットの着脱がスムーズで、視界が広く感じられることから、ツーリングやスポーツ走行時にはコンタクトを選ぶライダーが少なくありません。
一方で、「バイク用のメガネを買った」「ライディング専用に作った」といった投稿も目立ちます。
最近では、風の巻き込みを抑えるカーブフレームや、曇りにくいコーティングを施した専用メガネも登場しており、デメリットを抑えたメガネの選択肢は広がっていると言えるでしょう。
このように、どちらが優れているかは一概にはいえません。重要なのは、走行中にストレスなく視界を確保できることです。
自分の目の状態や使用環境に合わせて、最も安全で快適な方法を選ぶことが求められます。
まとめ
バイクの運転において、視力は何よりも重要な能力のひとつです。
メガネとコンタクトのどちらにも長所と短所があり、どちらを選ぶかはライダーの環境や装着感の好みによって異なります。
もし現在使っている矯正器具に不安がある場合は、もう一方を試してみるのも良いでしょう。
目がしっかりと見えることは、安全運転の基本であり、事故を防ぐための第一歩でもあります。
自分の視力状態を把握し、快適かつ安全に走行できる方法を見つけることが、安心してバイクを楽しむための大切な心がけです。
