MOTORISTS合同会社は、ファンティック・レーシングが参戦したMOTO2 チェコGPの結果を発表した。
今大会では、同チームのバリー=バルタス選手が今季5度目となる表彰台を獲得し、注目度をさらに高めた。ブルノで自身初のポールポジションを獲得したバルタス選手は、激しい首位争いの末に2位でフィニッシュ。ランキングも3位に浮上した。チームはチャンピオン争いへの可能性を残しつつ、次戦オーストリアGPに向けて態勢を整えている。
バルタス、またも表彰台。ブルノでも2位を獲得。
チェコGPでファンティック・レーシング・リノ=ソネゴのバリー=バルタスが今シーズン5回目の表彰台を獲得した。一方、カネットとパッシーニはクラッシュでレースを終えることとなった。
土曜日、このクラスのラップレコードを更新するという素晴らしいスピードで自身初のポールポジションを獲得したバリー=バルタス。レースも前半の7周をトップで駆け抜けたが、その後2位に落ちると虎視眈々と首位奪還を試みた。最終的には2位でレースを終えたものの、これで今シーズン5戦目の表彰台に立つことになり、今ではMOTO2クラスのトップライダーの一人としてだれもが注目する存在になってきたのである。
ポールから走り出したバルタスは、予選2位のジョー=ロバーツと激しいバトルを演出。2台が3位以下を3秒以上も引き離しながらほぼ全周にわたってトップ争いを展開するレースとなった。最終的にはライバルとなったアメリカン・ライダーのロバーツにトップを譲る形とはなったものの、今回の2位入賞はタイトル争いに絡むという意味では大いに意味のあるものとなり、ランキングも3位に上がって混戦に加わる形を作ったのである。
一方、アロン=カネットにとっては忘れてしまいたい一日となってしまった。オープニング・ラップの1コーナーでクラッシュしたカネット。予選でも序盤にクラッシュし、Q2スタートポジションの恩恵もあっての決勝17番グリッドからのスタートだったが、スタートも決めてこの先ぐいぐいと順位を上げていかねば、という矢先のことだったのだ。なんとかマシンを起こすと再びレースに戻って前を目指すべくアクセルを捻ったカネットだったが、マシンのダメージが大きく、ペースを上げられないまま数周でのリタイアとなってしまったのである。DNFという結果にもかかわらず、カネットはライダーランキングは依然として2位をキープしている。
マッティア=パッシーニは最速のイタリアン・ライダーとして予選8位と上位に食い込み、成果を見せようとしていた。だが、ファンティック・レーシング・リデンプション・チームからワイルドカード・ライダーに選ばれたパッシーニは、5周目に転倒しレースを終えることになってしまった。とはいえ、ブルノの難しいコースでトップ10 に入れる実力を見せるきっかけとなったことは間違いないだろう。
ファンティック・レーシング・リノ=ソネゴはブルノを離れたが、また一つ表彰台を手中にし、チーム・スタンディングも2位とのポイント差をさらに拡大して見せたのだ。
ここでMotoGP はいったん前半戦が完了。夏休みを挟んで終盤戦に向かう。次戦は8月15-17日に開催されるオーストリアGPだ。
バリー=バルタス:この週末全体の流れにはとても満足しているよ。ここでのテストには参加していなかったから、ほかのチームの方がアドバンテージもあったはずだからね。レースウィークに入り、十分なドライ路面での走行も確保できなかったから、正直決勝に向けて正しいタイヤを選べていない状態だったんだ。僕は自分のライディング・スタイルに合うと考えてハード・コンパウンドを選んだんだけど、今日はそれがいい選択じゃなかったかもしれない。ジョー=ロバーツはもう一歩上手だった感じだからね。レーススタート直後の数周はリードできたし、誰かが僕を抜こうとするたびにちょっとペースを上げればすぐにまたトップを奪い返すことができたんだ。でも、ジョー(ロバーツ)は僕より速かった。彼は2020年からすでにこのサーキットで勝って強さを持っていたし、ここのレイアウトは彼のスタイルにぴったりなんだと思う。でも、僕はこの2位に十分誇りを持っているよ。彼にぴったりとついて走れた唯一のライダーだったわけだし、3位以下に大きく差をつけた僕ら2台のスピードはなかなかのものだったよね。もちろん、勝てなかったことは本当に残念なんだけど、でもってスタートの時にジョーのラインをふさぐような感じになってしまっていたことは謝るべきだと思うけど、これは初めてのポールで少しスタートがナーバスになっていたからなんだ。今週末、チームは最高の仕事をしてくれたね。これで夏休み前に2戦連続で2位の表彰台を確保できたわけだし、5回目の表彰台だよ!これ以上何を望めっていうんだい?もちろん、次のレースを早く走りたくて気持ちが抑えられない感じさ。チャンピオンシップでも、僕はゴンザレスに54ポイント差の3位に上がったんだ。ただ、僕らはシーズンチャンピオンを目指しているわけじゃなくて、一戦一戦を大切に戦い、最終戦のバルセロナでその結果として何が待っているかを知って行くことになるような戦いをしているんだ。
アロン=カネット:今日のレースについては申し訳ないとしか言いようがない。不運なことにフロントのグリップを1コーナーで失ってしまい、クラッシュを抑えることができなかったんだ。チームやメカニックには本当に申し訳ない気分だ。彼らは昨日、僕のクラッシュから後、予選中にマシンを走れるように戻すっていう奇跡みたいなことをやってのけてくれたんだからね!今回のゼロポイントを認めるのは厳しいけれど、まだまだシーズンは先が長く、十分なレースが残っている。こんなことではギブアップしないよ。厳しく戦って、チャンピオンシップを目指して走り続けるだけさ。

ロベルト=ロカテリ、チームマネージャー:バルタスには素晴らしい日となった。私は、彼に「最初からとにかく前を走れ、このサーキットでは前を走ることで一本の最もクリーンなラインを走れるし、そこから外れることがタイヤに無駄なダメージを与えることになるんだ、と伝えていたんだよ。彼はレースをよくコントロールし、絶好調のロバーツをきっちりと追いかけて見せたんだからね。この2位は重要なポイントで、チャンピオンシップでも3位に浮上して、トップ争いにいずれ絡んでいくことができるわけだ。今シーズン、最大のサプライズでもあるし、彼とともに居られることに誇りを持っているよ。
アロンにとっては、土曜日以降全くと言っていいほどツキに見放されてしまったね。予選でのクラッシュの後、レースに臨むための準備をすることがほとんどできない状態だったんだ。その状況での今日のレース、1 周目でフロントを失ってのクラッシュだ。だれもこんな終わり方は望んでいなかったからね、本当に残念だよ。でもチームはまだ一つに団結できている。明日にはテストを始めて、オーストリアに向けて問題点の解決を始めていくよ。うちのライダー全員が最高のリザルトをそこで迎えられるようにね。
マティア=パッシーニ:不運なことに、僕のペースではない集団にはまってしまったんだ。なのに、その誰もが簡単には抜かせてはくれない。仕方なしに、自分より遅いペースで、集団がポジションを入れ替え続けているのを見守るような形になってしまったんだ。おかげでフロントタイヤに風が当たらなくて温度が上昇し、それが原因でクラッシュしたんだと思う。残念だよ。自分のペースで走れていれば、まあまあ面白いレースができただろうにと考えるとね。とはいえ、この経験を楽しみ、得られたことには代えがたいものがあるからね。レッドブルリングに戻ってくるのが楽しみなんだ。

リリース提供元:MOTORISTS合同会社








