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1円玉より小さいシールが要!耐久性とトータルコストに優れたバイク用「シールチェーン」をプロが解説

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【brand pickup】

目次

250cc以上のバイクは100%シールチェーンを純正採用!

エンジンの駆動力を後輪に伝える非常に重要な役目を担うのがバイクのチェーンだ。

チェーンの種類は「ノンシールチェーン」と「シールチェーン」に大別でき、現在新車販売されている250cc以上のバイクはほぼ100%シールチェーンを純正採用している。

それだけ、シールチェーンは耐久性や低フリクション性など、チェーンに求められるほとんどの性能面でノンシールを凌駕している。

ハイパワーに対応できなかったシールチェーン誕生前

60年代後半から国産バイクは飛躍的にパワーが向上していったが、それに対して課題となったのがチェーンの耐久性だった。

カワサキの750SSは、300km走るごとにノブを引っ張って手動でチェーンに注油を行うための機構を装備していた。

当時のハイパワーモデルは車体にチェーン注油装置を装備するなど、とにかく頻繁な注油によってチェーンの摩耗を抑えようとしていた。

また、24時間の耐久レースでは、チェーン1本で走り切ることができず、レース中に3~4回チェーン交換が行われることもあったそうだ。

そんな中で、誕生したのがシールチェーンだったのである。

耐久性を飛躍的に高めたシールチェーンとは

黄色の部品がシール(シールリング)で赤のグリスを封入する役目を担う。

シールチェーンとは、ピンとブッシュを潤滑するグリスを封入するシール(シールリング)を持つチェーンの総称だ。

自分のバイクにシールチェーンが装着されいるか否かはチェーンを見れば一目瞭然。

左がシールチェーンで右がノンシールチェーン。

プレートとプレートの間にシールの存在が確認できれば、シールチェーンが装着されていることがわかる。

シールチェーンのメリットをプロが解説!

シールチェーンとはノンシールチェーンにくらべていったいどのような強みを持つのか?チェーンのプロであるアールケー・ジャパンのお二人に話を伺った。

シールチェーンのメリット

  • 高耐久・長寿命
  • トータルコストに優れる
  • メンテナンスサイクルが長い
  • 低フリクション
  • ダンパー効果によってパワーロスが少ない

ノンシールの約3倍!高耐久・長寿命

ノンシールチェーンはいくら頻繁に注油を行っても、走行による遠心力によって油分が飛散し、すぐに金属と金属が直に摺動する状態となって摩耗が進んでしまう。

対して、シールチェーンは封入されたグリスがピンとブッシュ間を常時潤滑することで、金属同士の直接接触を避け、摩耗を抑制することができる。

その寿命を比べるとシールチェーンはノンシールチェーンの約3倍も長持ちするのだ

また、近年の高性能モデルの場合、そもそもノンシールでは対応できないほどのハイパワーを有している。

そういったマシン性能の進化もシールチェンがあってこそなのだ。

トータルコストに優れる

単純にチェーンの価格を比較すると、より安価なのがノンシールチェーンだが、先にも述べたようにシールチェーンはノンシールの約3倍の耐久性を有している。

つまり、シールチェーンが交換時期を迎えるまでにノンシールチェーンは3回の新品交換が必要となってしまうのだ。

交換のたびに必要となる前後のスプロケットの価格とそれら交換工賃を含めると、トータルコストでは、シールチェーンに軍配が上がる。

メンテナンスサイクルが長い

チェーンのピンとブッシュが常時潤滑されるシールチェーンに対し、ノンシールは走行のたびに油分が飛散するため、できるだけ早いサイクルで注油が必要となる。

シールチェーンは500km走行ごとの注油が“理想的”とされる中、それより頻繁な注油が求められてしまうのだ。

低フリクション

オートバイ用品店の店頭などで、チェーンのカットモデルに触れたことがある方も多いかもしれない。

手でチェーンを曲げてみると、シールチェーンの方がよりコマとコマが屈曲しづらいのは明らかだ。

しかし、シールチェーンの方がフリクションが大きいという訳では決して無い。

走行中、チェーンは約80℃くらいに熱を持つのだが、その時に最も柔らかくなるような粘度のグリスがシールの中に封入されている。

そのため、冷間時に手で曲げるのとでは、動きは全く異なるのだ。

また、走行時のチェーンに対する荷重はピンとブッシュ間の接触面で受けており、接触面にグリースが有るか無いかでフリクションは大きく異なることになる。

その最も荷重がかかる部分をシールで封入したグリスによって常時潤滑できるシールチェーンは、ノンシールに比べてより低フリクションとなるのだ。

ダンパー効果

バイクレースの映像などを見るとよく分かるのだが、走行中の加減速によってチェーンは左右や上下に想像以上に大きく振れている。

そうした状況の中、シールチェーンはプレート間のシールがダンパーの役目を担っており、ノンシールに比べて縦、横の振幅がかなり抑えられている。

振れが抑えられればスプロケットとの噛合もスムーズとなり、よりダイレクトにエンジン出力を後輪に伝えることができるのだ。

ノンシールチェーン採用バイクをシールチェーン化できる!

420サイズのノンシールチェーン

428や420サイズのノンシールチェーンを純正採用する125cc以下のモデルや、ノンシールチェーンを純正採用した旧車や絶版車もシールチェーン化することで、高耐久や低フリクション性を得ることができる。

420サイズのシールチェーン

ただし、ノンシールチェーンをシールチェーン化することで、懸念されるのがチェーンの幅である。シールチェーンはシールの厚みの分だけ幅が広くなるので、車体に干渉することがあるのだ。

そこで、RKでは車種ごとの適合表を用意している。

これで確認すれば、装着可能なシールチェーンは一目瞭然なので装着前にはご確認いただきたい。

シールチェーンの“シール”とは?

シールチェーンのシールには耐油ゴムが使われている。

登場当初はシールは丸断面の普通のOリングだったが、より低フリクションでグリスを多く封入できるような形状に進化を果たしてきた。

そして、現在もより高耐久かつ低フリクションを追求するため、材質や製造方法など改良が重ねられている。

この小さなシールリングの中に独自のノウハウが詰まっている。

アフターマーケット向けチェーンに使われている3つのRKのシールリング

チェーンメーカーで唯一のトリプルリップを採用したXWリング

低フリクションとグリスの密閉性を両立したXWリングはチェーンメーカーで唯一の3重リップを採用している。

このXWリングはダカールラリーに参戦するホンダチームに向けて開発されたもので、砂の侵入が懸念される砂漠のコースでも安定した性能を発揮した。

現在、耐久レースで活躍するマシンにも市販品と同じXWリングのチェーンが使われており、一般ユーザーもその高性能を享受できる。

軽量かつ薄型なシールチェーンを実現したUリング

白いシールもあるが、材質は黒いシールと変わらない。

約2.0mmの厚みを持つXWリングに対し、厚みを0.8mmに抑えたUリングは、軽量と同時にチェーン幅を抑えることに成功している。

Uリングの登場により、シールチェーン化できる車種の幅が広がることになった。

薄型&3重リップでレーシングマシンにも採用されるUWリング

白いシールもあるが、材質は黒いシールと変わらない。

薄型でありながら3重リップにすることで、低フリクション、高耐久を実現したUWリングは、ロードレースやオフロードなどレーシングマシンにも採用されている。

Uリングよりも長寿命を実現している。

高性能シールリングは適正なケミカルを使って性能維持を!

シールリングは耐油性のあるゴムが使われているが、一部、適さないケミカルによってシールが膨潤したり、硬化してしまうことがある。

そのため、シールチェーンには必ずシールチェーン専用のケミカルを使用するのが重要だ。

しかし、一部のケミカルの中にはパッケージに「シール使用可」と表記があっても実際にシールに悪影響を与える商品が存在するそうだ。

RKでは市場で販売されているチェーンケミカルを第三者機関で検査し、その把握に努めている。

高性能かつチェーンに悪影響の無いケミカルを使って“正しい”メンテナンスを行うのが重要!

そうした粗悪なケミカルを使わないためにも、チェーンメンテナンスには車両メーカー純正指定やチェーンメーカー純正品を使用したい。

気持ち良く快適な走りのためにメンテナンスが重要なバイクチェーン

シールリングの登場によって飛躍的に耐久性を高めることに成功したシールチェーンだが性能維持には定期的なメンテナンスは欠かせない。

また、シールチェーンは寿命を迎えると一気に性能低下していくので、時期を見極めて適正なタイミングで交換することがなにより重要だ。

シールチェーンの性能を充分に発揮させるためにもしっかりと「#チェーン診断」を行いたい。

※記事内容は全て執筆時点のものです。最新の情報をお確かめください。

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