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砂漠を駆けたBMW R80 G/Sを再現 細部まで作り込んだ1/12パリ・ダカール仕様

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

1980年代のパリ・ダカールラリーを駆けたBMW R80 G/S。そのマシンを、タミヤの1/12スケールモデルで再現しているのがモデラーのSho_taroさんです。キットを組み立てて終わりではありません。カウルを加工し、スポークを張り替え、細かなパーツまで自作。さらに砂埃を加えて、「砂漠を走ってきた一台」を作り上げています。

Sho_taroさんの作品はここから見られます
https://twitter.com/1980RZ250

目次

パリ・ダカールを駆けたR80 G/S

BMW R80 G/Sが登場したのは1980年。現在まで続くGSシリーズのルーツとなったモデルです。「G/S」はドイツ語のGelände(オフロード)とStraße(ロード)を意味します。市販車は797.5ccの空冷水平対向2気筒エンジンに5速ミッション、シャフトドライブを組み合わせ、リアにはBMW独自のモノレバーを採用していました。

R80 G/SをベースとしたBMWのマシンはパリ・ダカールでも活躍。1981年、1983年はユベール・オリオール、1984年、1985年はガストン・ライエが勝利を飾りました。そんなR80 G/Sの魅力に惚れ込んだSho_taroさんは、タミヤのキットをベースに実車の写真と見比べながら手を入れました。

より実車に近づけるための工夫

まず目に入るのがフロントカウルです。キットではスクリーンの取り付け方法が実車と異なるため、ダボ穴や突起を削り取り、カウル側面に穴を開けてネジ留めに変更。ゼッケンもデカールではなく光沢紙に印刷しています。

楕円形のゼッケンをあえて左右非対称にしたのもポイントです。ヘッドライト前のネットもキットの透明パーツではなく、ジャンクのメッシュから製作しました。「カウルから一段飛び出している、後付けっぽいところがカッコいいんです」と、Sho_taroさんも納得の出来栄え。細かな違いですが、こうした積み重ねが実車らしさにつながります。

スポーク一本にも手を入れる

ホイールのスポークも張り替えました。リムを接着したあと、既存のスポークを片側から切断。実車を参考に角度を確認しながら、0.4mmのドリルで穴を開け直していきます。ところが作業中、ドリルが折れて一時中断。こうした細かな作業の繰り返しです。

スポークには0.3mmの洋白線、ニップルには内径0.4mmのアルミパイプを使用。さらに、ブレーキディスクの裏側に配置されたキャリパーも、プラ板やジャンクのエッチングパーツを組み合わせて自作しました。こういうところに金属色がちょっと入ると、模型としてグッと密度感が出ます。

ビッグタンクがカッコいい

Sho_taroさんが特に気に入っているのが、大型の燃料タンクです。クリアーを吹いたタンクは表面を研ぎ、デカールを塗膜の中に沈めてからフラット仕上げ。

シートも実車写真を参考に、スエードやバックスキンのような質感を意識して完全なつや消しにしています。

タンクバッグには、実物らしさを出すためにタイムカードのような紙を印刷して透明フィルムに封入。左右の燃料コックはキットで省略されているため、自作しました。

新車ではなく「走ってきた一台」

今回のテーマは、砂漠を走り抜けてきたラリーマシンです。タイヤには水性のウェザリング塗料を薄く使い、砂埃がたまりそうな場所を中心に汚していきます。「汚せばいいわけでもない。きれいすぎても違う」といったテクニックとセンスが求められます。

塗装面や光沢のあるパーツが多いバイク模型では、汚しの加減が難しい。目指すのは、いかにも汚した模型ではなく、「走ってきたバイク」です。

砂漠には60枚のヤシの葉

1/12スケールで砂漠を表現するのも簡単ではありません。地面や背景を自作し、ヤシの木も一から製作。葉をスキャンしてIllustratorで組み合わせ、プリントしたものを一枚ずつ切り出します。この時点で予定していた葉の数は、約60枚にのぼりました。

ライダーもキットをそのまま使いません。いったん分解してポーズを修正し、衣服のシワなども作り直しました。車体に集中していたかと思えば、今度はフィギュアやジオラマへ。しばらく手が止まっていたバイクに戻ると、ハンドルまわりやライダーの目線が気になってくる。作って、気づいて、直す。その繰り返しが完成度を高めていくのです。

車体、ライダー、砂漠、ヤシの木。それぞれを作り込んでいった結果、完成したのは単なるBMW R80 G/Sの模型ではありません。1985年のパリ・ダカールを走る一場面を思わせる作品です。

現実の世界をそのまま切り取る

1/12という小さな世界に、砂漠を走り抜けた時間まで閉じ込めたSho_taroさんのR80 G/S。その姿は、模型というより、まるで現実の世界をそのまま切り取って、小さな箱の中に残したかのようです。今にもエンジンの音が聞こえてきそうな、その一瞬。遠くに続く砂漠の向こうへ、R80 G/Sがもう一度走り出していくように見えます。

キット情報
メーカー:タミヤ
スケール:1/12
商品名:BMW R80 G/S パリ・ダカール・ライダー付
発売時期:1980年代
現在は生産を終了しています。

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