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走るほど深まる魅力 “SSER”が教えてくれたオフロードの奥深さ

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

モトメガネをご覧の皆様、ツーリングマップル編集部です! バイクツーリングの頼れる相棒「ツーリングマップル」は、利用者の旅心を熱くする情報満載の地図ブランドです。
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「パリダカ」と言えば、多くの人が聞いたことがあるであろう世界的ラリーです(※時代により名称、レース地は異なる)。「ツーリングマップル中国・四国」を担当する博田巌さんは、そんなパリダカへをはじめ、国内外のオフロードレースで優勝・入賞経験が多数ある日本人でも有数のオフロードライダーです。
ツーリングマップルでは中国・四国エリアの担当者になる以前、全国の林道調査を行ったこともあります。そんな博田さんに、旅に興味を持った少年時代から、バイクに乗り始めた時期、オフロード走行の魅力などなどを語っていただきます。

※当記事はツーリングマップル週刊メルマガにて2017年1月~2月に配信した記事を再編集したものです。

著・博田巌
Route!掲載日:2019年11月11日

目次

SSERグループN 夜の林道を走る

1991年の秋のこと。

「夜の林道を走るイベントがあるけど出てみん?」

と友人に誘われた『SSERグループN』という大会。その当時、僕はまだロードレースの方に興味があったし、オフロードレースのことはよく知らなかったのだけど、

「なんだか面白そうだな」

と、軽い気持ちでエントリーしました。

『SSER(四国スーパーエンデューロラリー)』は夏に2日間行われるラリーでした。人気の『グループN』は、その中でも入門編といった位置付けです。

競技は、土曜日の午後に受付車検をして、薄暗くなった夕方にスタートします。コースに設置されたマークを頼りに、主に舗装路の移動区間と、『SS』と呼ばれる林道区間を走りつなぎ、またスタート地点に戻ってくるというスタイル。

公道を使うため、ルールでほとんど改造は出来ません。僕はタイヤ交換と補助灯を追加しただけのDT125Rで出場しました。

ここで経験したのは、漆黒の闇夜を自分のバイクのライトだけで走り抜ける緊張感と、この先どこを走るのか分からない、未知へのワクワク感でした。

ただでさえ感じるその緊張とワクワクの中に、タイムアタックという競技性、それにパンク等のトラブルを想定し、ライディングを邪魔しない範囲で必要最低限の装備を吟味・準備しなければならない事前の戦略性という面白さが加わります。

さらに、レースを通じ、各地から集まったオフロードフリークたちとの出会いもあって、到底普段のツーリングでは味わえない、オープンフィールドで行われるオフロードイベントの魅力に、僕はすっかりはまってしまいました。

ツールドブルーアイランド、通称『TBI』

初めてのラリー『SSERグループN』を走り終えた後、興奮そのままに、次の年の、毎年GWに行われている『ツールドブルーアイランド』にエントリーしてしまった。

ツールドブルーアイランド、通称『TBI』は、ダカールラリー等、世界のラリーでほぼ共通して使用される、『コマ図』と呼ばれるルートブックを頼りに、自らナビゲーションしつつ、豊富な林道群を繋ぎながら、6日間かけて四国を1周するというものだ。

『コマ図』には、「距離」・「交差点での進行方向」・「ダート入口」などの目標物や、その他「道の特徴」などなどが描かれている。それらの限られた目印を頼りに進むのだが、地図でも写真でもないコマ図で走っていると

「次の図の先にはどんな風景が広がっているのだろう?」

というゲーム感覚に似た面白さが味わえる。

実際のコマ図① 左に積算距離(大文字)と区間距離(小文字)。真ん中に案内図。右側に補足情報が表示される
実際のコマ図②基本的にはほぼ世界共通の仕様だが、パリダカやモンゴルだとここに更にGPSポイントや、進む方向のCAP情報が追加される。
記号などの凡例
レース中はこのように設置。巻き取りながら進めていく。

いつかは海外!

移動中の宿泊はキャンプになるので、「旅」の要素もたっぷり。そんなわけで、ラリーという競技の面白さにますます見事に感化されました。また、そこに集うオフロードバイク好きな連中の元気さにも、圧倒され影響を受けました。

「来年オーストラリアンサファリに出場するよ」
「バハに行ってくる」

など、雑誌でしか見られない、自分とは違う世界だと思っていた海外ツーリングや海外レースなどを体験した、もしくはこれから体験しようという生の声と熱は、当時19歳だった僕にとって、かなり刺激的なもので、

「いつか自分も海外に出掛けて行きたい!」

と思わずにはいられませんでした。

その後は、DT125RからCRM250、XR600へと乗り換えながら、『SSER』や『TBI』、広島や九州で開催される西日本の大会に次々と参加。腕を磨きつつ、「いつか海外に」という思いを膨らましていました。

1994年の12月、日本人で唯一の、モトクロス世界チャンピオンである渡辺明氏が主宰する「ベストテクスクール」にも参加しました。自分達と同じバイクに乗って、なぜあんなにスムーズで安定してしかも速く走れるのか、とても不思議でした。

「いつか、あんな風に走ることが出来ればなあ」

という好奇心はずっと続いていて、実は今でも定期的に開催される「ベストテクスクール」には参加しているのですが。。最近になって、ようやく少し理解が進んだかな、と思うようになってきたものの、未だに毎回楽しく新鮮な気持ちでバイクに乗れるのは、このスクールのおかげだと思います。

さて、いよいよ1995年、僕はモンゴルで開催される「第1回ラリーレイドモンゴル」に出場することになります。

(続く)

〜僕らは今、旅の途中〜 常に進化を遂げてきたライダーのバイブル

ライダーと共に創る地図「ツーリングマップル」は、ライダーの実走取材によるジャンルも内容も多種多様なコメント情報が特徴です。長きに渡り、旅人の信頼を得ています。文字サイズが大きくなったR版(リング版)は、開きやすく使いやすい仕様です。

また、スマホ用アプリ「Route!(ルート)」では、地図の継ぎ目なく表示や自位置確認、走行ログの記録が可能で、書籍とアプリを併用することで、旅の計画から現地での活用まで幅広く対応できます。メディアサイトでも、旅のノウハウやエッセイ、新しい道路・施設・製品のニュースや、編集部セレクトの動画などが閲覧できます。

この記事では「ツーリングマップル」協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。今後もさまざまなバイク情報を取り上げていきます。

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