大阪から九州までバイクで行くなら、高速道路を使って自走するか、それともフェリーを利用するか。
長距離ツーリングを計画するとき、「結局どちらがお得なの?」と悩むライダーも多いのではないでしょうか。
前編では、大阪南港と北九州・新門司港を結ぶ「名門大洋フェリー」に実際にバイクで乗船し、船内設備や過ごし方をご紹介しました。
第二弾となる今回は「コストと時間」に注目していきます。
フェリーは本当に高いのか? 自走した方が早くて安いのか?
大阪~北九州間をバイクで移動する場合について、フェリーと高速道路を「コスパ・タイパ」の両面から比較してみます。
大阪~北九州、フェリーと自走どっちを選ぶ?
タイパ・コスパ、フェリー移動が優勢?

今回利用したのは、大阪南港と北九州の新門司港を結ぶ名門大洋フェリー。
今回はコスパ重視のツーリング計画ということで、往路は「ツーリスト(二段式ベッド)」、復路は「エコノミー(雑魚寝スタイル)」を選択しました。
今回利用したようなリーズナブルな船室を選べば、ライダー1名+バイクの移動費に加えて「一泊できる」ということまで考えると、なかなか魅力的な料金設定ではないでしょうか。

エコノミーでも各スペースには清潔な布団や枕が備え付けられているほか、荷物棚やハンガー、スマホの充電に欠かせないコンセントも完備。
寝室としては不足なし……。
むしろ「寝るだけの空間」と割り切ってしまえば、これぞ「The・バイク旅」の一コマとして記憶に残るでしょう。


もちろん、もう少し快適に船旅を楽しみたい方には、スイートやデラックスなどの船室も用意されています。
予算や旅のスタイルに合わせて船室を選べるのも、フェリー旅の面白いところです。
レディース専用の船室も設定
「船旅=男性が多い」という印象があるかもしれませんが、今回「レディース専用」の船室が設定されていることも確認しました。
女性専用の船室が用意されているので、バイク女子も気兼ねなくフェリー旅を楽しめる環境が整っています。気になる方は、公式サイトをチェックしてみましょう。

フェリー旅は時間管理が重要
フェリーの場合、出航時刻より前にターミナルへ到着し、乗船手続きを行う必要があります。時間に間に合わなければ「乗り遅れ」という事態になりかねません。
フェリーを利用する際は、乗船時間や手続きに必要な時間を事前に確認し、余裕を持ってターミナルへ向かいましょう。
自由と自力を求めるなら「陸路」か。
予約、集合時刻、乗船手続きなど、さまざまな制約があるフェリーに対して、陸路の場合は「時間的制約」を気にせずに移動できることが大きなメリットといえます。

陸路なら、出発する時間も立ち寄る場所も自分次第です。
例えば九州地方が目的地なら、瀬戸内や中国地方の名所・スポットを巡りながら九州上陸を目指すこともできます。そして、やがて訪れる下関から関門橋を渡って九州へ上陸。その瞬間に味わう達成感や高揚感は格別でしょう。
長距離の自走では「移動時間」も考えておきたい

陸路の場合、大阪から北九州までルート検索をすると、高速道路をノンストップで走っても6~7時間を要します。しかし、実際の長距離ツーリングでは給油や休憩も必要です。
さらに近年は厳しい暑さが続くことも多く、夏場のツーリングでは暑さや熱中症への対策も欠かせません。
体調や天候によっては休憩回数が想定より多くなり、目的地までさらに時間がかかることも考えておく必要があります。
コスパ&タイパを比較!結局どっちがお得?
高速道路を自走する場合、ETC搭載車であれば、利用条件によって各種割引が適用される場合があります。また、二輪車向けの割引やツーリングプランなどを利用できれば、通常料金よりも移動費を抑えられることがあります。

一方、フェリーは利用日や船室、予約時期などによって料金が変わります。自走と比較する際は、運賃だけでなく「移動しながら一泊できる」という点も含めて考えてみましょう。
では、大阪から北九州まで移動する場合、自走とフェリーではどのくらい違うのでしょうか。
自走(高速道路)の場合
移動: 中国池田IC~門司IC
距離: 約530km
所要時間: 約6.5~7.5時間+休憩
必要な費用: 高速料金+ガソリン代
自走のメリットは、フェリーより短い時間で移動でき、自分の好きなタイミングで出発できること。
一方、約500kmを走り切るには休憩や給油が必要で、ライダー自身の体力も使います。
フェリーの場合
移動: 大阪南港~新門司港
所要時間: 約12時間(便により異なる)
必要な費用: 旅客運賃+バイク航送運賃
単純な移動時間では自走より長くなりますが、その大半を食事や入浴、睡眠などに使えるのが大きな違いです。「約12時間移動する」のではなく、「寝ている間にも目的地へ近づいている」と考えると、フェリーのタイパは数字だけでは判断できません。
単純な料金や所要時間だけでなく、「移動時間をどう過ごせるか」という点まで含めると、自走とフェリーではそれぞれ違った特徴が見えてきます。
※料金や割引制度は利用日、車種、予約時期などによって異なります。利用前に各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
メリット・デメリットのまとめ

海路か陸路か……。実際に比較してみると、それぞれにメリット・デメリットがあり、単純に優劣をつけるのは難しいところです。
移動そのものを楽しみ、自分のペースで走りたいなら陸路。
一方で、目的地で走る時間や体力をできるだけ残しておきたいならフェリー。
何を優先するかによって、選ぶルートも変わってきそうです。今回比較して感じた、それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。
海路(フェリー)の場合
- ライダー+バイクの移動と宿泊をまとめられる
- 寝ながら大移動。まさに「ワープ」
- 運転による疲労を抑え、翌朝からツーリングを楽しめる
- 指定された時間までにターミナルへ到着する必要がある
- 利用日や船室などによって料金が変動する
- 天候などによって欠航する場合がある
陸路(全線自走)の場合
- 時間に縛られず、自分のペースで移動できる
- 道中の名所や絶景にも立ち寄れる
- 自力で走り切った達成感を味わえる
- 長距離走行ではライダーの疲労が蓄積しやすい
- 夜間走行では視界が限られるため、より慎重な運転が必要
- 休憩や給油を含めると、移動に多くの時間を使う
こうして比較してみると、どちらを選ぶかはツーリングで何を重視するかによって変わりそうです。
移動そのものを楽しみ、自分のペースで走りたいなら陸路。目的地で走る時間や体力をできるだけ残しておきたいならフェリー。
フェリーを利用したことがないライダーにとって、「船旅」はきっとインパクトのあるツーリングになるでしょう。

今回は長距離フェリーについてご紹介しましたが、短距離フェリーを利用するだけでも、いつものバイク旅とは少し違った雰囲気を楽しめます。
また、小排気量のバイクで「自走ではちょっと遠い」と感じる場所でも、フェリーを組み合わせれば行動範囲を広げることができます。
陸路だけにこだわらず、ときには海路を組み合わせてみる。
そんなルート選びも、バイク旅を楽しむ方法のひとつではないでしょうか。








