
が延々と続き、ここを走ると「いよいよイベント会場だ!」とライダーの心拍数は跳ね上がる。
今年で20回目を迎えるBMWオーナーの大祭典!

毎年9月の第1週の週末に、長野県白馬村のスキー場を貸切って盛大に開催されるモーターサイクルイベントがこの「BMW Motorrad Days Japan」だ。
今年も例年通り9月6日(土)~9月7日(日)の二日間にかけて、Hakuba 47 Mountain Sports Parkで行なわれた。
主催するのはBMW JAPAN。今年で記念すべき20回目を迎えるこのイベントは、いまや日本各地からBMWのオーナーはもちろんのこと、メーカーの枠にとらわれず多くのライダーが訪れる大人気のイベントに成長している。

ちなみに第1回目は北海道のルスツリゾートだった。

別のスキー場の駐車場に停め、シャトルバスでのアクセスとなる。

いよいよフラットツインのロードモデルも1300の時代に突入した。
有料化されたにもかかわらず来場者数は5000人超!
昨年までは入場無料で、会場内で催されるあらゆるプログラムを楽しめたのだが、昨今の物価高、人件費の高騰などもあり今年から有料チケット制となった。
当初は有料化により来場者の減少が予想されたが、フタを開けてみれば2日間の来場者数は速報値で5035人と、2024年の6457人よりは減っているものの、イベントとしては成功と言える人数だったと推測できる。
台風一過の快晴となった初日は、受付開始時間の午前9時30分前にはすでに長蛇の列ができ、11時ごろには会場に隣接するバイク駐輪場はほぼ満車状態。その後も続々とバイクや車での来場者が訪れた。
ちなみに入場料は前売り2daysチケット(土日)が2200円、1dayチケット(日曜のみ)が500円、当日販売はそれぞれ2700円と750円となっている。

走る様子はそれだけで大迫力だ。

多彩で魅力的なプログラムの数々

最大斜度約38度のスキー場の急傾斜を500m駆け上がる。今年は路面状況が良かったので完走率は高かった。
このイベントの大きな魅力はそのプログラムの豊富さだ。
●新型モデルに20分ほども乗れる「オンロードオフロード試乗会」
●最大斜度28度のゲレンデを駆け上がる「ヒルクライムコンテスト」
●超絶美味の名物「白馬豚の丸焼き」
●BMWオーナーによる「モトラッド・ライダーパレード in 白馬村」
●めったに見られない内部構造を知る「エンジン解体ショー」
●重量車を楽に起こす「バイク引き起こし講座」
●盛大なバーベキューとライブの「Saturday Night Bikers Party」
●プロライダーによる「S 1000 R スライドショー by 大森雅俊」
そして新型モデルの「アンヴェール」や、パーツメーカーや出版社の「ブース出展」、もちろんキッチンカーやピザハウスなど飲食店も数多く立ち並ぶ。


ざっと挙げただけでもこれだけあり、このほかにも子供向けプログラムやマッサージ、ナイトパーティ、花火、気球体験などなど、二日間通して本当にいろいろなプログラムが開催されるのだ。

GSアドベンチャーを引き起こせるようになるのだ。

プロライダーの大森雅俊氏。終始会場は熱気に包まれた。

今回はS1000RRのエンジンが解体された。

大人気のため、会場わずか20分で1日の枠が満杯に。
周辺は北アルプスの山々が迫る絶好のツーリングエリア

この白馬村エリアは、北アルプスの麓に位置し、日本でも有数のスキーリゾート地帯。険しい山肌が露出する夏の季節は、青空と緑の木々に伴い、まさにヨーロッパアルプスを彷彿とさせる絶景の山岳地帯を堪能できる。
そしてこの白馬村は、首都圏や名古屋からの距離が約270km。バイクだと約4時間ほどなので、1泊2日のツーリングにはちょうどいい距離感にある。
また周辺には黒菱スカイライン、ビーナスライン、高ボッチ高原、少し足を延ばせば、嬬恋パノラマライン、志賀草津道路など日本でも有数の絶景ルートを楽しむことができるのだ。
本場ドイツは今年から2年に1度の開催に

今年は有料化により、不満の声を聞く場面もあったが、これまで6年連続で参加している筆者からしてみると、逆に今まで「無料」だったことが奇跡に近い状態だったと思う。
近年は参加者の増大に伴い、バイクも車も駐車場のキャパシティーがオーバーしてしまったため、参加者は少し離れた別のスキー場の駐車場にバイクを停め、そこから無料のシャトルバスで会場へアクセスする。昨年はこのシャトルバスの運行状況に不満の声が上がり、今年からは運行回数を増やすなど、利用者からは状況が改善されたという話も聞いた。
充実したプログラムに加え、参加記念品充実化、ホスピタリティの改善や向上などBMWJAPANの運営努力には、敬意を表するところだ。


会場は巨大な熱気に包まれた。

このモトラッドデイズというイベントは、現在本国のドイツ(三日間)とアメリカ(三日間)でも開催されており、ドイツでは4万人、アメリカではなんと8万人ものライダーが訪れるという。
しかし昨今の欧州は全体的に4輪、2輪とも販売状況が芳しくなく、それはBMWも同様。あらゆるイベントやプロダクトが縮小傾向にあり、なんとドイツのモトラッドデイズは、今年から2年に1回の開催になってしまったというのだ。
今のところ、日本のモトラッドデイズは毎年開催の予定ではあるが、不況の昨今では今後どうなるかわからない。そういった意味でも、今年参加できなかったライダーは、来年こそメーカー、ディーラー、カスタマーが一体となって盛り上がる、熱い二日間をぜひとも体験してもらいたい。








