バイク用エアバックはライダーの標準装備となる?
昨今のライディングギアは、ライダーの安全意識が高まっていることで、プロテクション性の高さが重視される傾向にある。
ライダーの身を守るライディングギアは、乗車時に義務化されているヘルメットをはじめ、ジャケット、グローブ、パンツ、ブーツなど様々だが、その中でも最近、特に注目されているのがバイク用のエアバッグだ。
バイク用エアバッグは2018年にMotoGPで着用が義務化され、2020年から国内のMFJ公認競技会(全日本・地方選手権)でも18歳未満のライダーにエアバッグの義務化がスタート。そして、今年から全日本ロードレース選手権のすべてのレースで義務化された。このようにサーキットではスタンダードな装備となっているが、最近ではツーリングを楽しむ一般ライダーの着用も増えている。突発的で避けられない事故の状況でこそ、エアバッグの有効性が高いと認知が広がってきたことも一因だ。

また、複数のメーカーが販売を開始して、製品全体のクォリティが上がり、選択の幅が広がったことも購入のハードルを下げていると思われる。
では実際に、どんなライダーが、どのメーカーのモデルを選んでいるのか、さらにはそのモデルの特徴なども含めてを、国内で最もバイク用エアバックを販売しているライコランドTOKYO BAY東雲のスタッフにインタビュー! 最近のエアバッグ事情をお届けしよう。
4メーカーを扱う中でも人気はhit-air


ライコランドTOKYO BAY東雲
用品課 越川恒久さん
「最近、エアバックの注目度は高いです。特に春先の乗り出しシーズンに問い合わせが多いです。ライダーの年齢や性別、愛車の種類にかかわらず、サーキットを走る方だけでなく、ツーリングのみで楽しむ方にも注目されている印象です。安全に対する意識の高い人が増えてきたからでしょう」
ライコランドTOKYO BAY東雲は、バイク用エアバッグメーカー4社を取り扱う、全国でも数少ない店舗で、その販売数は安全装備に力をいれていることから、国内トップクラスの実績がある。用品課の越川さんは、日本一バイク用エアバックの販売を手掛けたといえるスタッフだ。
越川さんによると、4メーカーの販売の比率はhit-airが約6割と圧倒的だという。
その秘密はコストパフォーマンスの高さと取り扱いが簡単で、エアバッグが作動する信頼性が高いことが挙げられる。エアバッグの作動方式は、ライダーがバイクから投げ出された際に、バイクから距離が離れた時にバイクと繋げたワイヤーがガスボンベに作用してエアバッグが展開するワイヤー式と、独自のセンサーでトラブルを感知して電気的に作動するワイヤレス式があるが、hit-airはワイヤー式を採用している。

「ツーリングのみの方だけでなく、サーキットユーザーにもhit-airのニーズが高いです。コストパフォーマンスが高く、サーキットユーザーも、もし予選や練習で仮に転倒して作動しても、ボンベを自分で交換して走ることができます。
他メーカーのワイヤレスタイプだと、システムのアルゴリズムや精度の高さが求められるので、一度作動すると専門のメンテナンスサービスに出さないといけないので、その間は走ることができません。もし車両や本人が走れる状態でも、その日の走行ができないということになります。
そこで初めてバイク用エアバッグを購入される方にはhit-airをお勧めしています。いちばん価格が手ごろでメンテナンスもしやすいし、当店でも交換パーツを常時在庫しています。最初はワイヤー装着が煩わしいという方もいますが、慣れてくるとワイヤーを取り付ける準備をすることで安全意識が高まるという声もあります。走り始める前に、安全対策のひとつの儀式としてとらえている方も多いと思います」(越川さん)
そこで、ここからは最も売れているhit-airについて紹介しよう。

同社が手がけるエアバッグジャケットのブランドが「hit-air」だ。
世界初のバイク用エアバッグジャケットを完成させた実績
hit-airブランドをリリースする無限電工は、1995年からバイク用エアバッグシステムの研究・開発を開始し、様々なテストを経て、1998年に世界で初めてバイク用エアバッグジャケット「hit-air」を完成させた老舗だ。ライダー向けのエアバッグ・hit-airは「安全と安心を全てのライダーに」という考えから生まれた。車体とつなげたキーボールの長さを超えて離れると、一気にエアバッグが膨らんでライダーを守ってくれる。ロードレースや白バイ隊員などでも採用実績があり、海外のライダーからも認められている「最高レベル」の技術。世界に認められたジャパン・クォリティだ。


エアバックシステム込みで6万円のメッシュジャケット
ここでこれからの季節に注目のhit-airのジャケットを紹介しよう。6万円台とやや高価に思えるが、それはエアバッグ込みの価格。いずれもCE規格 EN1621-1 肩肘プロテクター、脊椎ソフトパッドを装備し、ジャケット単体だけでもプロテクション性は高い。ボンベの取り換え時に必要な工具セット(セッティングボルト、六角レンチ)も付属する。
他社のエアバッグメーカーよりも圧倒的に安価で、しかも一度エアバッグを購入すれば安価にオールシーズンで使える「転用システム」を採用しているため、長い目でみればリーズナブルな価格設定だといえる。表地にはメタリックな光沢感に大きめな網目が特徴のソフトな風合いで通気性の良いメッシュとマットなナイロンの組み合わせ。
◆HDS-MESH フーデットエアバッグメッシュジャケット
HDS-MESHはカジュアルなパーカースタイルで、メッシュ穴を大きく設計することで通気性を高めたストリートモデルだ。表地にはメタリックな光沢感に大きめな網目が特徴のソフトな風合いで通気性の良いメッシュとマットなナイロンの組み合わせている。



◆MX-9 エアバッグメッシュジャケット
MX-9はスポーティなライダーススタイルで、メッシュ穴を小さく(細かく)設計することでハイスピードクルーズに対応させたモデル。各所にリフレクターを配置し、視認性を高めている。



ジャケット内部のエアバッグを自分で付け替えられる
コストパフォーマンス抜群の『エアバッグインナー転用システム』
4メーカーのバイク用エアバッグを比べてみると、hit-airは製品の価格自体が手ごろであるだけでなく、自社の3シーズン用ジャケットやメッシュジャケットにエアバッグを付け替えることができる『エアバッグインナー転用システム』で、コストパフォーマンスを格段にアップさせているのが特徴。
もし、自分で行うのが不安な場合は、エアバッグシステムの付け替えだけなら、送料を負担するのみで作業をしてくれる。現在装着しているジャケットと入れ替えたいジャケットを箱に入れ、「入れ替え作業をお願いします」などメモ書きを一緒に入れればOKという手軽さだ。店頭イベントなどが開催されている場合は、その場で作業を行ってもらえる。

また、クリーニング・手洗い代行サービスも行っている。サービス代3,300円(税込)に送料は別途かかるが、この時にエアバッグの入れ替え作業が無料で追加できる。季節ごとのジャケット入れ替え時期にクリーニングに出してみるのもいいし、状態をチェックしてもらうのもいいだろう。




エアバッグの作動体験ができるイベント
「メンテナンスピット」を全国各地で実施中!

エアバッグを正しく機能させるために、一年に一度の安全点検が推奨されている(三年に一度は必須)。単に膨らまして漏れなどを確認するだけでなく、スタッフが着用して作動させることで、細かなチェックも行っている。郵送で依頼することもできるのだが「バイクに乗る時にhit-airがないと不安」という方には、バイク用品店やサーキットでブースを展開しているメンテナンスピットを活用してほしい。

その場で専門スタッフのサービスを受けられるだけでなく、エアバッグの作動体験も行っているので、今後エアバック購入を考えている方の参考にもなる。また、転用システムのジャケットを利用している場合、この時にシステムの入れ替えを依頼することも可能。無償対応なのもうれしい。
取材協力:ライコランドTOKYO BAY東雲

(編集協力:無限電光株式会社)








