スペイン発の電動キッズバイクメーカー・TORROT(トロット)の高性能モデルが価格を大幅に改定。より購入しやすく身近になった電動キッズバイクが持つ大きな魅力を、実際に子どもたちと触れ合っている試乗体験イベントやオフロード施設の主催者へのインタビューを交えて紹介していこう。
TORROTというブランドとリリースしている製品をチェック
TORROT(トロット)は、競技専用の電動キッズバイクをリリースしているスペインのブランド。
電動バイクは日本ではまだ地位を確立しきれていない存在ではあるが、日進月歩で技術が進んでいる世界。日々性能が向上していて、実用的なモデルも生まれてきている。そんな中、TORROTは「クローズドコースで本気でスポーツできるキッズバイク」を生産している。
日本の正規輸入代理店は、東京都大田区にファクトリーを構えるMOTORISTS(モータリスト)だ。
ファンティックやランブレッタなど、世界各国から魅力的なバイクを輸入販売しているMOTORISTSがラインナップしているTORROTは、3つの車体タイプ(モトクロス/モタード/トライアル)があり、それぞれに2種類のサイズ(ONE:3〜7歳向け/ TWO:6〜11歳向け)がある。
写真を見ればわかると思うが、TORROTのモデルからは「子ども用の電動バイクだから」という妥協が感じられない。他社の電動キッズバイクとは異なり、シルエットは一般的なバイクと変わらないもの。
これは間違いなくカッコイイ。
電動であることのメリットは数多くある!
キッズ向けのオフロードバイクといえば、昔から50ccのエンジンを搭載したオートマチックモデルが存在する。エンジンと電動ではどのような違いがあるのだろうか。
大きく異なるのは「音」と「パワーの出方」であろう。エンジンは50ccであってもそれなりの排気音が響く。そのため走らせる場所は他人の迷惑にならない場所、具体的に言えば郊外の山の中などになる。対して電動はほぼ音がしない。そのため市街地にコースを作ることができる。
電動キッズバイクの試乗会を各地で開催しているRise&Ride(https://www.riseandride.net)は、実際に都市部や公園、駐車場などに特設コースを作って試乗会を行っている。
走らせる場所の自由度という点では圧倒的に電動バイクのほうが広い。より多くの子どもたちの目に触れる所で走らせられると好評だ。
またアクセルを開けていくと大きくなるエンジン音は、初めてバイクに触れる子どもに怖さを感じさせることも。その点、静かな電動バイクであれば落ち着いて操作できる。また身体が小さく力が弱い子どもだとキックでエンジンが掛けられずに困ることがあるそうだが、電動であればそれもない。
意外と影響するのがパワーの出方である。エンジンはアクセルを開けていかないとパワーがついてこないが、排気音も大きくなるので初心者だと怖さを感じペースを上げにくいこともある。また速度が落ちたときのリカバリーも難易度が高めだ。
ところがモーターは回転直後から100%のトルクを発生させる。そのためアクセル操作とパワーの出方が連動しているのでコントロールしやすい。思った通りにパワーが出て、スムーズに加速してくれる扱いやすさがバイクへの敷居をグッと下げてくれる。
「不用意にアクセルを開けたら飛び出してしまうのではないか」という不安もTORROTであれば大丈夫。というのも専用のスマホアプリでスピード、パワー、スロットルレスポンス、回生(エンジンブレーキ)能力が調整できるからだ。
親が子どものレベルにあわせてバイクの性能を調整することができるので、バイクを必要以上に怖がることなく、ケガのリスクを最小限に抑えて、安全にスキルアップさせてあげることができる。
自分の思い通りに走らせられるTORROTなら、乗り終わったあとに「楽しい! また乗りたい」と言ってもらえるはずだ。
運んだり整備したり。電動ならそんな手間も最小限で済む。
車を使ってコースまでバイクを運ぶときも電動であればよりイージー。ガソリンやエンジンオイルなどが入っているエンジン車は臭いや汚れが付く可能性があるので専用のトランスポーターが欲しくなるが、電動であれば普段使っているミニバンに自転車感覚で積むことができる。工具などの持ち物もエンジン車ほど多くない。より気軽に「走りに行こう!」という気持ちになれる。
ガソリンやオイルといった油脂類が不要なので、ランニングコストを抑えられるのもポイント。
走行後の整備も足まわりだけで済むので、エンジン車に比べればかなり楽。長期間乗らなかったときもキャブレターの清掃などをしなくても、バッテリーを充電すればすぐに走り出せる。
電動バイクならメカにそれほど詳しくなくても、子どもにバイク経験をさせてあげることができるのだ。
電動キッズバイクだからといって侮れない動力性能!
「実際のところ電動バイクの性能ってどうなの?」と疑問に思う人も多いだろう。そのあたりをRise&Rideを主宰している渡會修也(ワタライ ノブヤ)さんに聞いてみた。かつては全日本モトクロスに出場していたライダーで今もエンデューロレースなどに参加しているが、各地でオフロードスクールを開催するといった活動も積極的にしている人物である。
「TORROTは、ミニモトクロスレーサーのエンジンを電動化したような本格的な作り。特にサスペンション性能が高く、オフロードコースやキッズレースなどでは他のキッズ用電動バイクと比べて圧倒的に高い走破性を発揮します」
走行性能については、静岡県島田市に常設されている電動バイク用オフロードコース「ドリップSMXパーク(https://www.instagram.com/drip.smx.park/)」を管理しているドリップテクノワースの山内さんも太鼓判を押す。
「ドリップSMXパークは、TORROTなどの電動キッズバイクをはじめヘルメット、プロテクターなどのレンタルがある体験型のオフロードコース。親子で楽しめる施設になっています。ここで練習して、他のオフロードコースで開催されているキッズレースに出るライダーも多いのですが、TORROTはよく走りますね」
車体の造りが本格的なので、大きなバイクにステップアップしていくときも違和感が少ないという。オフロードのトップライダーや施設主催者の話からもTORROTが秘めているポテンシャルが高いことが伝わってきた。
TORROTのウェブサイトには、スペインで撮影されたこんな写真が掲載されている。
これだけ高い走行性能を持ちながら、先日価格改定を行ったのでさらに入手しやすくなった。
あらためて価格とスペックを紹介しよう。
車体タイプは、モトクロス/スーパーモト/トライアルの3種類。
それぞれに3〜7歳向けのONE/6〜11歳向けのTWOという2種類のサイズがある。
新価格はモトクロス/スーパーモト/トライアル共通で
ONE → 28万6000円(税込)
TWO → 39万6000円(税込)
実に攻めた、入手しやすい価格設定だ。これにはより多くの子どもたちにバイクの楽しさを知ってもらいたいというメーカーの想いが込められている。
同時に新規でトライアルモデルを購入する方には、モトクロスモデルにすることができるコンバージョンキットを5万5000円(税込)で提供するというのも見逃せない情報。ひと粒で二度美味しい電動バイクライフが送れる。
さらに走行時間を増やすことができるスペアバッテリーも、従来は13万2000円(税込)だったのだが5万5000円(税込)と、こちらも入手しやすい価格設定になった。
※走行時間に関してはライダーの体重や走行モード、走らせ方によって大きく変わってくるので一概には言えないそうだが練習走行であれば1〜2時間程度は十分に走れるとのこと。バッテリーは途中で追加充電できるので、休憩中に充電すればさらに走行時間を伸ばすことができる。
また全国唯一のキッズ オフロードバイク レースシリーズである 「44KIDS★CROSS(フォーティーフォーキッズクロス・https://44kidscross.jp)」 のMOTO-Eクラスであれば、予選+決勝(2ヒート)は走りきれるそうだ。
これらの価格改定は、将来がある子どもたちにバイクの楽しさを伝えるためのもの。この機会に、親子でモータースポーツライフをはじめてみてはいかがだろうか。いままでにない子どもの笑顔がみられるのと同時に、可能性が大きく開花するかも知れない。
車両の詳細や販売店などの情報はTORROT公式ホームページをご覧ください。
(編集協力:モータリスト合同会社)