コンパクトで軽快な乗り味とクラシカルなルックスを両立させたROYAL ENFIELD(ロイヤルエンフィールド)の「HUNTER 350」。2025年モデルでは、快適性や機能性を大きく底上げする改良が施され、より多くのライダーにフィットする一台へと進化しています。
でも実際、「350ccって、どんなポジションなんだろう?」そう思いながらHUNTER 350に乗ってみたら、その答えはすぐにわかりました。快活な走りと安定した取り回し性を両立したこのモデルは、街でもツーリングでも自然に笑顔になれる、“ちょうどいい”を体現したバイクでした。ひたすら乗りやすくて、改めてバイクに乗る楽しさってこれだな!って気づかせてくれたHUNTER 350の魅力を、バイカーモデルのときひろみが、ブランドの魅力や新型での変更点などとともにお届けします。
“スニーカー感覚”で走りが楽しめるHUNTER 350

HUNTER 350にまたがって走り出した瞬間、思わず笑顔になりました! 驚くほど身軽で、スイスイ走れちゃうんです。自分のバイクじゃないのに、運転に気を使わなくていいくらいライダーにナチュラルに馴染んでくれて、知らない土地でも思うままに走れる。取り回しもスッと決まるから、狭い路地でもストレスを感じませんでした。
この乗りやすさに調子に乗った私は、撮影してるというのにそれはもう自由に乗り回して一人で楽しんでおりました(笑)。もちろん自分のバイクではないので、羽目を外さないように最低限の慎重さは大事にしていますが、ここまで試乗するバイクにいい意味で気を使わなかったのは初めてかもしれません。それくらい、楽しいのにとにかく乗りやすかったのです!

低回転からしっかりパワーがあるので、信号待ちからのスタートもスッと発進できて、Uターンも「350ccクラスってこんなに軽かったっけ?」と思うほど余裕。それに操作感がばつぐんに良くて、少し慣れてきたころには低速での小回りUターンもお手のもの! 毎日乗り回してるような気になるくらいライダーにフィットしてくれる親しみやすさが絶大でした。
それに、普段は少しでも不安がよぎったらUターンをしないようにしてるのですが、HUNTER 350は微塵も不安を感じなかったのです。重心が低めで取り回しやすい車体バランスの良さや、アップライト気味のハンドルと絶妙なステップ位置で力まず自然に乗れるライディングポジション、そして低速走行時などでもしもの時があったときに足をついて耐えられる車重の軽さなども、恐怖心を感じないポイントかもしれません。こういった取り回しのストレスがとにかく無くて、「これが教習車だったら良かったなぁ」と思いました。それくらい初めてのバイクとして選んでも、恐怖心なんて感じず楽しめると思います!

乗りやすさばかりに焦点をあててしまいましたが、どんなシーンでもスイスイと自由に走り回れるパワー感ももう一つの魅力です! 単気筒らしく低回転でもしっかりパワーがあるエンジンは、スロットル開度にあわせて元気に回ってくれて、スロットルを開けるのが楽しくなります。
それに、少しラフに操作すると、上半身が軽く置いていかれるほどトルクがあって、350㏄とは思えない力強さを感じられました。でもこれは、恐怖ではなく「おっ!」と笑みがこぼれるようなちょうどいい刺激。そして、思うままの速度で加速していくその瞬間は、「バイクってやっぱりいいな」とふと思える。飾らない”シンプルなバイクの楽しさ”も秘めていました。

この快活な走り心地は、まるでスニーカーを履いて街を歩いているような感覚で「用事を済ませたら、そのまま少し走りに行こうかな」と気軽に思わせてくれるのがHUNTER 350の良さだなと感じました!
安定の足つき性と車体バランスの良さがうれしい
走り出す前にまず驚いたのは、車体の軽さ。またがって車体を引き起こしたときに思わず「軽っ!」と声に出してしまうほどでした。スペック表記では181kg(燃料タンクに9割ガソリンが入り、エンジンオイルも入った状態)ですが、少し低くめに感じる重心バランスや足つきの良さのおかげで、それ以上に軽く感じたんだと思います。車体を右に左にと少し傾けてみても全然耐えられる重さでした。これなら初めてのバイクでも足つきや車体の重さの不安をあまり感じなくてすみそうです。



ポジションもアップライトで自然に手足をハンドルやステップに添えられるゆとりがあります。私の身長なら、ステップに足を乗せているときでも窮屈に感じることはなく、ニーグリップもしやすかったです。なにより乗車姿勢がラクなので、長時間の走行でも体への負担が少ないのはうれしいですよね。バイクから降りた状態での取り回しや押し引きも終始軽くて、駐車場から出すときや、Uターンできない場所でもラクに移動できるのはうれしいポイントです!
街でもツーリングでも“気軽に楽しめる相棒”

あと特筆すべくは、アクセルを開けるたびに響き渡る歯切れの良いマフラー音です。単気筒のほどよいドコドコ感が楽しめて、存在感も主張できます。でも、単気筒のドコドコ感が強く出るタイプのバイクって、体にもドコドコと振動が響いてくるイメージが強いです。往年のバイクらしさが感じられて心くすぐられますが、ずっと体感してるとなんとなく疲れてくるんですよね。長時間乗ってるときは、その振動が疲労になる場合もあったりして……。
でもHUNTER 350は、排気音の大きさにくらべて、体に伝わってくる振動は少なめでした。エンジンの鼓動がシートを通じて体に伝わってくるというより、マフラーの排気口から音が届いてくるイメージです。なので、振動による身体への疲労が少なくてとても心地が良い印象を受けました。しかも、このマフラー音が独特で、ほどよい低音がリズミカルに奏でられます。カメラマンさんも開口一番に「音がいいね」というほどでした! このアイドリングからでも心をくすぐるサウンドは「走り出したい!」という気持ちをかき立ててくれます。

クラッチも軽く、スコスコと気持ちよく切れるのも、HUNTER 350の特徴であり魅力の一つです。アシスト&スリッパークラッチを搭載していて、シフトチェンジでのショックが少なく、ギア操作そのものがストレスフリー。長時間走っても左手が疲れないのはありがたいですよね。日常使いでもツーリングでも、とにかく“気持ちよく走れる”のが第一印象でした。
リヤサスペンションの動きもスムーズで、路面のギャップや少しへこんだマンホールなどを踏んでもショックをうまく吸収してくれます。シートも適度な硬さで腰の沈み込みが少なく、長時間のライディングでも終始リラックスして走れるのがうれしいポイントです。休憩のたびに「やっぱりこのバイク、ラクだな」と実感していました。

高速域での安定感も想像以上で、100km/h前後の巡航でもパワー不足は感じにくく、ペースコントロールも思いのままに調節できます。排気音と流れていく景色がリンクする瞬間は「このバイクでどこまでも行けそう」と思わせてくれるほど。ネイキッドらしく走行風は浴びやすいですが、スクリーンをつければ快適性とドレスアップ性がワンランクアップしそう。クラシカルなスタイルだから、カスタマイズの幅も広がりそうですね!
USB充電やスマートフォンアプリと連携して⽬的地までの⽅向と距離を表⽰する簡易型のナビゲーションシステム「Tripper(トリッパー)」も標準装備しているので、知らない土地へツーリングへ行くときも安心です! 地図アプリを活用して、知らないカフェを巡ってみたり、気ままな日帰り旅なんかも気軽に行ける安心感も魅力に感じました。

シンプルでいて力強く、そしていつでも寄り添ってくれる優しさも兼ね備えてて、街乗りでもツーリングでも自由を感じさせてくれる。バイクの楽しさってこういうことだよなって、HUNTER 350に乗って改めて感じることができました。
この楽しさはどこから来るのか? HUNTER 350を詳しくチェック

まず、ROYAL ENFIELD(ロイヤル・エンフィールド)は、1901年にイギリスで生まれた、世界でもっとも歴史のあるモーターサイクルブランドのひとつです。「Made Like a Gun(銃のように頑丈)」というスローガンの通り、タフで信頼できる存在として100年以上も愛され続けています。そして、ROYAL ENFIELDのバイクは、クラシックな美しさと現代の技術をほどよく融合させたデザインと性能で、都会の街並みにも自然の中にもすっとなじみ、ビギナーからベテランまで幅広い層に支持されています。
その中でもHUNTER 350は、ROYAL ENFIELDの350ccシリーズに属するストリート寄りのモデルです。349cc空冷単気筒エンジンを搭載し、クラシックな外観と軽快なハンドリングを融合。足つき性の良い低めのシート高とコンパクトな車体は、街中での取り回しやすさに優れ、初心者からベテランまでだれでも楽しめる個性を秘めています。

Rio White (リオ・ホワイト)
¥599,500(税込)

Dapper Grey (ダッパー・グレイ)
¥599,500(税込)

Tokyo Black (トウキョウ・ブラック)
¥609,400(税込)

London Red (ロンドン・レッド)
¥609,400(税込)

Rebel Blue (レベル・ブルー)
¥609,400(税込)
カラーリングは、Rio White(リオ・ホワイト)/London Red(ロンドン・レッド)/Tokyo Black(トウキョウ・ブラック)といった世界中の都市をイメージした新⾊に加え、Dapper Grey (ダッパー・グレイ) /Rebel Blue(レベル・ブルー)の全5色展開となっています。今回試乗したのは、リオの⽩い砂浜をイメージしたRio White(リオ・ホワイト)です。個人的に一番好きなカラーリングだったので、撮影がこのカラーって知ったときはすごくうれしかったです!


フロント17インチ/リア17インチのホイールは、安定感と軽快さを両立。街乗りでもツーリングでも使いやすいバランスに仕上がっています。タイヤは前後ともにチューブレスを採用。






2025年で新しくなったポイント
2025年モデルでは、以下の改良が施されています。
- ヘッドライトがLED化 で夜間の視認性とデザイン性向上
- Tripperナビ標準装備 でルート案内が容易に
- スリッパー&アシストクラッチ で操作が軽く、シフトダウン時の安心感向上
- プログレッシブリヤスプリング 採用で乗り心地が向上
- 高密度フォームシート 長距離快適性アップ
- 最低地上高160mm(従来150.5mm)で悪路・段差への対応力が向上
- USB Type-C急速充電ポート でツーリング時の利便性アップ
- 新色追加(Rio White / Tokyo Black / London Red)で個性を演出






無駄を削ぎ落としたクラシカルなスタイルは、どんな街の風景にも自然に馴染み、独特な存在感も持ち合わせていて、所有感も満たしてくれます。それに、コンパクトで扱いやすい車体ながら、日常で必要な装備はしっかり備わっていて、カスタムのベースにも最適です。シンプルだからこそ、自分らしさを乗せやすい1台ともいえるでしょう。
その他のROYAL ENFIELD 350ccモデルの紹介

- CLASSIC 350:丸目ライトやメッキパーツなど伝統的デザインが魅力。安定感ある走りと扱いやすいパワーで、街乗りからツーリングまで幅広く対応。初心者にも安心の万能モデル。
- METEOR 350:クルーザーらしいリラックスしたポジションと快適性が特長。ロングツーリングを楽しくする装備が充実し、余裕ある走りを楽しみたい人に最適。
- BULLET 350:最も歴史あるモデルで、無骨で力強いスタイルと独特の鼓動感が魅力。伝統的なライディング体験を重視する人におすすめ。
ROYAL ENFIELDの350ccシリーズは個性豊か! CLASSIC 350は伝統的デザインと扱いやすさでバランス型。Meteor 350はロングライド向きで快適性が高く、ゆったりツーリングを楽しみたい人にぴったり。Bullet 350は最も歴史あるモデルで、武骨さと鼓動感を強調し、クラシック感を最大限味わえる。Hunter 350は都会的で軽快な走りを重視し、カジュアルに楽しみたい人に好相性。4車種とも同じ350ccエンジンをベースにしていますが、スタイルや乗り味が大きく異なり、ライダーの用途や好みに応じて選べるのが魅力です。
気軽なのに本格的、“遊び心を忘れない相棒”

HUNTER 350は、軽快で安定した走りと、350ccとは思えない力強い単気筒エンジン。歯切れの良いマフラー音とスムーズな操作感は、乗るたびに「バイクっていいな」と感じさせてくれます。さらに2025年モデルでは快適性や機能性が進化し、LEDライトやTripperナビ、アシスト&スリッパークラッチなど、より日常に寄り添った改良も施され、さらに気軽に乗れるモデルとなっています。
私はあまり交通量の多い都市部へは遊びに行かないのですが、HUNTER 350となら普段行かないような街中のカフェとか、クラシックバイクによく似合う夜の街なんかも散策してみたいな! いつもだったら好奇心より恐怖心が勝るような場所でも「このバイクとならいけるかも!」って思えるような、背中を押してくれる頼もしい存在に感じました。
ROYAL ENFIELDのHUNTER 350は、日常を気軽に彩り、ふとした瞬間に冒険へ誘ってくれる。まさに“遊び心を忘れない気軽に付き合える相棒”という表現がぴったりのバイクです。
(編集協力:ロイヤルエンフィールドジャパン)








