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「ナトリウム」と「鉛とリチウム」を比較! バイクの次世代バッテリー、本当の実力は?

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

バイク用バッテリーに登場した第三の新しい選択肢!

バイクにとって、バッテリーは“見えない心臓”と言える存在だ。
一般的に“心臓”と表現されるのはエンジンだが、そのエンジンもバッテリーの電力がなければ始動しない。さらに走行中も、バッテリーの状態が悪いとアイドリングが不安定になるなど、さまざまな不調の原因になるとされている。
しっかり電気を蓄えたバッテリーは、安全で快適なツーリングを楽しむために欠かせない重要なパーツなのだ。

そのバイクのバッテリーには、鉛が使用されることが多い。ベテランライダーにはお馴染みの“鉛バッテリー”は、まさにスタンダードな製品だ。

そこへ近年、軽さと瞬発力を武器にリチウムイオンバッテリーが登場し、大きな変化をもたらした。軽量でエネルギー密度が高いこともあり、軽さが求められるモトクロスやロードレースなどのレース用車両を筆頭に採用が進んでいる。性能は高いが価格も高いのがネックなところ……。

ここに新しい選択肢となる『ナトリウムイオンバッテリー』が登場した。
-25°でもエンジン始動できるほど低温性能が高くバイクに約1年間つけっぱなしで放置していても自然放電しにくいなど、鉛バッテリーよりはるかに高性能でありながら、リチウムイオンバッテリーよりもリーズナブルなのだ。

ナトリウムイオンバッテリーとは具体的にどのようなものなのか、今回はナトリウムイオンバッテリーを牽引する「OUTDO(アウトドゥ―)」をピックアップして、特徴やメリットを紹介してこう。

目次

ナトリウムイオンバッテリーは長期保管、寒さ、熱暴走に強くて軽くて長持ち!

OUTDOナトリウムイオンバッテリーを一言でいえば、「鉛よりタフで、リチウムより現実的」
バッテリーを選ぶ時にユーザーが望む性能を高い水準で満たしている。

まずは、それぞれのバッテリーの特徴を簡単に紹介しよう。

ずぼらなバッテリー管理でもバッテリー上がりしにくい救世主!?

鉛バッテリー
 → 安価・どこでも買える。だが重く、放置と低温に弱い

リチウムイオンバッテリー
 → 軽く瞬発力がある。だが高価で、低温とバッテリーマネジメントシステム(以下BMS)制御に若干のクセあり

◆OUTDOナトリウムイオンバッテリー
 → 鉛と比べると半分以下の軽さで、価格以外ほぼ全性能項目で“上位互換”
 → リチウムと比べると、「価格」「冬など低温期」「取り扱いやすさ」で優位。
 
下記が鉛・リチウム・ナトリウムの比較表。
ここから先ナトリウムの特徴について、各比較項目をひとつずつ紐解いてみる。

比較① 低温性能 
バッテリーに厳しい冬の朝に裏切らないナトリウム

冬の朝はバッテリーに最も負担がかかるタイミング。
ここで3種類のバッテリーの個性がはっきり分かれる。

鉛バッテリー

暖かい季節なら問題なく働くものの、気温が下がると電圧が一気に落ち込み、セルが弱くなる。

リチウムイオンバッテリー

カタログ値は優秀だが、低温下では内部抵抗が増えるためセルが重く回りがち

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

ナトリウムは低温でも電流を出しやすく、冬にめっぽう強い
OUTDOの社内テストではマイナス25℃でもエンジン始動を確認しており、冬場の“朝イチ始動の不安”を大きく減らす。

【低温性能に関するまとめ】
鉛バッテリー:寒さに弱く、冬場の始動性が大きく低下。
リチウムイオンバッテリー:カタログ性能は高いが、低温ではセルが重くなる傾向。
ナトリウムイオンバッテリー:低温に強く、極寒でも安定してセルが回る“冬最強クラス”。

比較② 長期放置耐性 
バッテリー管理が苦手でも大丈夫。ナトリウムは長持ち

長期間乗らないときの“放置耐性”でも、バッテリーの個性は大きく分かれる。

鉛バッテリー

自然放電が早く、数か月放置で一気に弱る
「久しぶりに乗ろうとしたらセルが回らない」は典型的な鉛あるある。

リチウムイオンバッテリー

鉛よりは持つが、管理を怠ると急激に劣化することもあり、扱いに注意が必要。

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

自然放電が非常に少なく、長期放置に圧倒的に強い
満充電で

  • 車体装着のまま:約12か月
  • 単体保管:約18か月
    放置しても問題なしという“放置耐性モンスター”。

【長期放置に関するまとめ】
鉛バッテリー:放置するとすぐ弱る。
リチウムイオンバッテリー:持ちは良いが、管理を誤ると劣化が早いことも。
ナトリウムイオンバッテリー:圧倒的な放置耐性。12〜18か月放置OKで管理がラク。

比較③ 過放電・過充電耐性 
ひと冬放置でも“終わらない”バッテリーはどれ?

自然放電よりもバッテリーに深刻なダメージを与えるのが過放電(深放電)だ。
冬場など長期間バイクに乗らずにいると「バッテリーあがり」を起こすことがあるが、この状態で電圧がゼロボルト近くまで落ちてしまうと問題はさらに深刻になる。エンジンが掛からないのはもちろん、鉛バッテリーでは充電しても復活しないケースが多い
「押しがけすれば何とかなる」と思うかもしれないが、近年主流のFI(フューエルインジェクション)車では、バッテリーがゼロの状態だとECUやポンプが作動せず、押しがけすら不可能という場面も珍しくない。

では、過放電に対して3種類のバッテリーはどう振る舞うのか。
“ミス耐性”という視点で比較すると、その違いは明確だ。

鉛バッテリー

過放電に極端に弱く、一度深く放電すると寿命が一気に縮む。状態によっては二度と復活しないことも多い。

リチウムイオンバッテリー

BMS(バッテリーマネジメントシステム)が過放電を防いでくれるが、
そのぶん制御がシビアで、一度保護が働くと一般的な充電器では復帰できないこともある。

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

過放電に強く、ゼロボルトまで落ちても再充電で復活しやすいタフな特性を持つ。
深放電で“即アウト”になりにくく、実用上の安心感が高い。

OUTDOナトリウムイオンは、過放電、過充電による損傷が出にくい特性を持っている。
結果として、「ミスしても“即終了”になりにくい → トータルで“持ち”がいい」という、実際のバイク生活で非常にありがたい性能を持っているのだ。

比較④ 安全性と取扱やすさ 
普段使いで“安心して任せられる”のはどれか?

意外と見落とされがちだが、実はとても重要なポイントである安全性扱いやすさも重要なポイントだ。

バッテリーはどれも同じように見えるが、「異常が起きた時にどう振る舞うか」「日常でどのくらい気を遣う必要があるか」は大きく異なる。

鉛バッテリー

構造がシンプルで扱いやすい反面、電子的な保護機能はほとんどない。
車両側のオルタネーターやレギュレーターが壊れて過充電が続くと、液漏れ・膨張・破損につながる危険性もある。
熱暴走リスクはリチウムより低いが、異常時に自動で守ってくれる仕組みは少なく、車両の状態に左右されやすい“素直なバッテリー”と言える。

リチウムイオンバッテリー

多くの製品にBMS(バッテリーマネジメントシステム)が搭載され、
過充電・過放電・過電流を常に監視してセルを保護している。
安全性は高いが、その分制御が非常にシビアで、状況次第ではBMSが「危険」と判断して出力をカットする場合もある。

条件が重なれば、走行中に突然電源が落ちる可能性もゼロではなく、
性能を引き出すには車両との相性や使い方に注意が必要な“気難しいバッテリー”だ。

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

ナトリウムセルは、もともと過充電・過放電に強くタフな構造を持っている。
そのうえでOUTDOはCID(電流遮断機構)をセル内部に搭載し、
異常な電流や内圧が発生した際には、物理的に回路を遮断して
熱暴走を防ぐ“最後のヒューズ”として機能する。

日常使用ではリチウムのように厳しい電子制御に頼る必要がなく、
普段は気を遣わなくても扱いやすいのに、本当に危険なときだけしっかり守るという、非常にユーザーフレンドリーな性格だ。

【安全性に関するまとめ】
鉛バッテリー
構造は簡単で扱いやすいが、異常時に守ってくれる仕組みが少なく安全性は高くない。

リチウムイオンバッテリー
BMSでしっかり守るが、制御がシビアで気難しい。車両との相性に注意が必要。

ナトリウムイオンバッテリー
セル自体がタフで、過充電・過放電にも強い。CIDで最終的な安全も確保。普段使いで“気にせず使えて安心”なのが大きな魅力。

比較⑤ 取り扱いやすさと充電器 
いちばん“手間のない”バッテリーは?

ユーザーやショップが実際に気にするのは、
「ナトリウムバッテリーって、これまでと扱い方が変わるの?」
という点だ。バッテリー性能が良くても、日常の手間が増えるなら導入は進まない。

そこで、充電器の互換性と取り扱いやすさに注目して3種類を比べてみる。

鉛バッテリー

これまで通りの従来型充電器がそのまま使用可能
扱い方も長年のバイク文化で確立されており、ユーザーもショップも慣れている“安心の世界”。

リチウムイオンバッテリー

リチウム専用の充電器が推奨され、
さらにBMSの制御と車両側のマッチングに注意が必要。
性能は高いが、扱いに気をつかう“専用ジャンル”という印象が強い。

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

最大のメリットがここ。
鉛用充電器・リチウム用充電器のどちらも“そのまま使える”互換性の広さがある。
特別な設備も覚える手順も不要で、従来バッテリーと同じ感覚で扱える。

【充電に関するまとめ】
鉛バッテリー:いつも通りの扱いでOK
リチウムイオンバッテリー:専用充電器+取り扱いに注意
ナトリウムイオンバッテリー:既存の充電器がそのまま使え、追加投資ゼロで導入しやすい

比較⑥  価格 
手が届く次世代のバッテリー

バッテリー選びで最も現実的な判断基準になるのが価格だ。
性能が高くても、交換コストが極端に上がってしまうと、ユーザーは手を出しにくい。
そこで注目したいのが、ナトリウムバッテリーの“コスパの良さ”である。

鉛バッテリー

もっとも安価で、手軽に入手できる定番モデル。
ただし、性能面や寿命の面では“昔ながら”の域を出ない。

リチウムイオンバッテリー

軽量で高性能だが、価格は鉛の数倍に達することもある。
高性能を求めるユーザーには魅力的だが、一般的なライダーにとってはややハードルが高いのが現実だ。

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

同等サイズ・容量のリチウムバッテリーと比べて、40%以上安いケースもある
性能・安全性・扱いやすさを両立しながら、価格を大幅に抑えている点が大きな強みだ。

【価格のまとめ】
鉛バッテリー:最も安価だが、性能は旧世代。
リチウムイオンバッテリー:高性能だが高価。
ナトリウムイオンバッテリー:リチウムより約4割安く、性能と価格のバランスが優秀。

比較⑦ 重量 
走りを変える“軽さ”のインパクト

重量は、バッテリー性能の中でも数値で比較しやすい。一般のライダーでバッテリーの重量を気にする人は少ないかもしれない。しかし、林道を走るトレール車両や、日常の足として使うスクーターやカブなどの実用車といった、車両重量の軽いモデルは、車重全体のうちバッテリーの重量がしめる割合も比較的大きくなる。ライダーがより体感しやすい要素といえよう。

鉛バッテリー

もっとも重く、昔ながらの“重量級バッテリー”。
軽さを求めるライダーには物足りない部分がある。

リチウムイオンバッテリー

圧倒的な軽さで、依然として最軽量の王者
車体の反応が一段とシャープになり、スポーツ志向のユーザーに人気。

ナトリウムイオンバッテリー(OUTDO)

重量は鉛の約40%(=約60%の軽量化)という驚異的な軽さ
絶対値ではリチウムに一歩及ばないものの、
“リチウムより少し重い程度”という次世代クラスの軽量性を実現している。

これにより、押し歩きの軽さ、取り回しやすさ、サスペンションの動きのしなやかさなど、
実際のライディングで確実に軽さの恩恵を体感できる

【重量に関するまとめ】
鉛バッテリー:最も重い。
リチウムイオンバッテリー:最も軽い。
ナトリウムイオンバッテリー:鉛の約40%という大幅軽量化。リチウムに迫る軽さ。

まとめ:ナトリウムは、どんなライダーに合っているのか?

ここまで比較してきた結果を整理してみよう。

  • 鉛バッテリー
     → とにかく安く、どこでも買える定番。
     → ただし、重さ・長期放置・低温時使用には割り切りが必要。
  • リチウムイオンバッテリー
     → 軽さと瞬発力を極めたい人向け
     → 高価格とリチウムゆえの“取り扱いの気難しさ”を許容できるならあり
  • OUTDOナトリウムイオンバッテリー
     → 鉛からのアップグレード先として、
      「価格以外ほぼ全性能項目で上位互換」を狙えるバランス型。
     → リチウムと比べて、
      低価格・低温時使用・普段の扱いのしやすさ、の3点から“現実的に選びやすい”選択肢。

「冬にしばらく放置しても、キーをひねればちゃんと目を覚ましてほしい」

そんな“当たり前”を欲しい我々一般ライダーが次にバッテリーを選ぶときは、鉛かリチウムか、ではなくて“3枚目のカード ナトリウム”、を、ぜひ選択肢に加えてみてほしい。ガレージでセルを回した瞬間、その違いがきっとわかるはずだ。

次世代の性能を持つ
OUTDOナトリウムイオンバッテリーを手に入れよう

OUTDOナトリウムイオンバッテリーは、まず2025年11月29日からページ下部のOUTDO公式ホームページにてネット販売開始。その後、12月末頃から全国の2りんかん各店舗でも販売予定となっている。また、2026年3月27日(金曜)~29日(日曜)まで東京ビッグサイトで開催される、第53回東京モーターサイクルショー2026にOUTDOブース出展予定。ブースでは実際のナトリウムイオンバッテリーを手に取って確かめられるので、現地に行かれる方はぜひチェックしてみて欲しい。

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