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先進の機能を満載。毎日付き合える気軽な大型バイク、それがBMW R 12

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

2024年にBMWモトラッドの人気ヘリテイジシリーズR nineT(Rナインティ)シリーズがリニューアルしました。2013年の発表以来、クラシックなスタイルとカスタムのしやすさを打ち出して界隈で人気を集めてきたR nineTは、リニューアルを通じてR 12 nineTとR 12の2モデルのラインナップとなりました。

前後17インチの足まわりを持つR 12 nineTは、簡単にいえばR nineTの後継モデルに当たります。一方のR 12は、フロントに19インチホイールを履き、リアに16インチホイールを採用する「ヘリテイジクルーザー」として、これまでのR nineTの路線とは少し異なるキャラクターを与えられているのが特徴です。ではR 12とは一体どんなモデルなのか。今回はじっくり解説していきます!

シート高は754mm! 小柄なライダーでも安心の車体

BMW R 12は、これまでのR nineTシリーズでは存在しなかったクルーザースタイルのモデルです。空油冷ボクサーエンジンやシャフトドライブといった基本的な車体構成はシリーズを受け継いでいますが、リアに16インチホイールを採用しています。

さらにR 12 nineTでは120mmとしたリアサスペンションのストロークを、R 12では90mmとすることで全体的に車高を下げています。この結果、シート高は754mmに。見た目にはシート高は低く、安心感があります。

実際にまたがってみても、サイドカバー付近は程よく幅をおさえているので、身長160cm台前半の筆者でも足付きにはまったく不安を感じませんでした。バイクの取り回しや足付きに不安のあるビギナーから、気軽に大型バイクに乗りたい方まで親しみやすい車体に仕上げられています。

BMW伝統の空油冷ボクサーエンジン

1923年にスタートしたBMWモトラッド。同社初のバイクR 32から現在まで、100年以上にわたって受け継がれているのがボクサーエンジンとシャフトドライブです。シリンダーが左右に張り出す構造が特徴的なボクサーエンジンは重心が低く、走行風によってシリンダーを冷却できるというメリットがあります。

現在では多くのバイクが水冷エンジンを採用していますが、BMWモトラッドがこの時代においても空油冷エンジンのままで排気ガス規制をクリアできるのは、こうした構造的な利点があることも理由のひとつです。

ほぼメンテナンスフリーで維持費用も抑えられるシャフトドライブ

そしてもうひとつ特徴的なポイントがシャフトドライブです。一般的なバイクではチェーンやベルトで後輪を駆動しますが、BMWモトラッドのボクサーエンジンモデルでは一貫してシャフトドライブを採用しています。

チェーンドライブのようにスプロケットやチェーンへの注油や定期的な交換の必要がないシャフトドライブ方式は、指定箇所のオイル交換を定期的におこなえばOK。雨天の走行やオフロードの走行でも性能が維持できるのも大きなポイント。つまりメンテナンスフリーといっても差し支えのない構造を採用しているのです。

チェーンドライブの車両では、使用状況に応じてチェーンや前後スプロケットの交換が必須です。チェーンサイズやスプロケットにもよりますが、一回の交換で数万円の費用がかかるので、長い目で見るとシャフトドライブのモデルにはメンテナンス費用を抑えられるという絶大なメリットがあるのです。

目次

BMW R 12の見どころをチェック

ではここからはBMW R 12について、より細かくご紹介していきます。

モード切り替えつきのボクサーエンジン

R 12の空油冷ボクサーエンジンの排気量は1169ccで最高出力は70kW(95hp)です。エンジンをかけるだけでボクサーエンジン特有の心地よい振動とサウンドが楽しめます。エンジンにはBMWモトラッドの「ライディング・モード」が装備されていて、右側スイッチボックスの「MODE」をボタンを使って「ROCK」「ROLL」の2種類に切り替えることができます。

・ROCKモード:ボクサーエンジンのエキサイティングなフィーリングを思いっきり楽しむモード。スポーツ走行などを楽しむならこちら。

・ROLLモード:スロットルレスポンスがやや穏やかで、雨の日や高速道路などでの淡々とした走行に適したモード。

上記がモードによるキャラクターの違いです。エンジンの鼓動感やボクサーエンジンらしい加速感を味わうならROCKモード。落ち着いて走りたいときはROLLモードがおすすめです。

また、撮影した車両はBMWモトラッドのハイエンドオプションとなるOption 719のパーツを装備しており、エンジンカバーは高級感のある専用デザインを採用しています。

オートシフターも装備!

BMW R 12ではクラッチレバーの操作をせずに走行中のシフトアップ/シフトダウンが可能なシフトアシスタントProと呼ばれるオートシフターを装備しています。発進・停車の以外にクラッチレバーを握らずにシフトチェンジが可能なので、ロングツーリングやスポーツ走行では疲労軽減の効果もあります。

シフトチェンジの際には、足でシフトレバーを操作するだけ。初めてだとちょっとドキドキするかもしれませんが、慣れてしまえばその気持ちよさにすっかり魅了されるでしょう。特に、高回転まで引っ張ってシフトアップするときや、峠道でシフトダウンをするときの爽快感は格別!

シフトアップの際にはスロットルを開けたままシフトレバーを上に操作するだけで、息継ぎのない加速を楽しめます。シフトアップで使用する場合は、低回転域では4000回転近くまで引っ張ってスロットルを開けたままギアチェンジすると、とても気持ちイイ! 一方、それ以下の回転数ではクラッチレバーで操作する方が良いかなと感じます。ただ、これはR 12に限らず、オートシフターを採用するどの車両にもいえることだと筆者は考えています。

また、シフトダウンについてはどの領域でも綺麗に決まります。ギアを落とす時にスロットルを煽ったりせずともECUが回転を制御しているので、どんな状況でも素早く、安全に、そして確実にシフトダウンが可能です。それに加えて、BMWモトラッドが誇る最新世代のトラクションコントロールやエンジン回転数制御とも連動しているので、高回転からのシフトダウンでもリアタイヤがスリップやホッピングを起こしづらく、滑りやすい路面でも高い安定性をもたらしているのが安心できるポイントです。

こちらはシフトペダルのリンケージ。ぱっと見ではオートシフター搭載には見えないR 12ですがギアボックスを改良してこれまでR nineTでは採用されていなかったシフトアシスタントProを採用したのです。基本設計が古いエンジンながら、ちゃんと使えるオートシフターを後付けで搭載したBMWはさすがですね。

そうそう、R 12はクルーザー的コンセプトを持つ車両なので、ステップとシフトペダルの距離はR 12nineTに比べるとやや長めになっています。またステップキットについても撮影車ではOption 719のキットを装着。アルミ削り出しによる高級感が魅力的です。

ブレーキはもちろん最新のABS

R 12では最新世代のBMW Motorrad ABSを採用しています。滑りやすい路面でフルブレーキングをしても、コーナーで車体がバンクしているときにブレーキングをしても高い安全性を実現しています。この安心感はやっぱり大きいんですよね。

筆者も長年R nineTシリーズを愛車としており、これまでも林道はもちろん、大雨の高速道路、枯れ葉や苔のある舗装林道など様々な状況を走ってきましたが、ブレーキングで失敗して怖い思いをした経験はありません。それくらいBMWのABSは信頼がおける装備なのです。

ボクサーサウンドを楽しめるマフラー

高級感のあるクロームメッキのサイレンサーは2本出しで、アイドリングから心地よいボクサーサウンドが楽しめます。高回転でもその印象は変わりませんが、音量は適度にチューニングしてあるので、長時間の走行でも耳に優しい印象です。

ちなみにホイールは星型スポークの5本のキャストホイール。シンプルかつモダンなデザインで足元を引き締めます。

USBポートや電源装備も充実!

スマホを車体に装着したり、電熱アイテムや各種追加機器を使用することも多い現代のライダーに向けて、R 12では電源系装備も充実しています。車体左側、燃料タンクの下側には防水カバー付きのUSBを装備しています。スマホや各種電子機器の大変はこちらでOK。

またその反対側、車体右側にはBMWではお馴染みのヘラーソケットを装備しています。このヘラーソケットは、BMW純正のヒートベストをはじめ、様々な電子機器が使用できます。USBポートと使い分けができるのも嬉しいポイントですね。

オプションのスマホホルダー

R 12をはじめ、いまBMW Motorradではバーハンドル車用にスマートフォンクレードルをオプションで用意しています。今回の撮影車にも装備されいるので、早速iPhone 16 Proをセットしてみました。筆者のiPhone 16 ProはSpigen製のハードシェルカバーを装着しているので、やや外寸が大きいのですが、問題なく装着できました。またiPhone 16 Proではサイドにカメラコントロールボタンがついていますが、スマホケースの形状もあってか、コントロールボタンとクレードルのツメが干渉せず、誤作動も起きませんでした。

スマホを取り付ける際には、クレードル下部にある小さなツマミを引き下げます。その後ツマミを回すとクレードルのツメが広がったり狭まったりするので、ちょうど良いところでスマホを締め付けて、ツマミを元の位置に戻せば装着は完了です。ワンタッチとはいきませんが、こういった装備の場合は、手軽さよりもしっかりとスマホを固定している安心感の方が重要だと思います。

コーナーリングランプ付きのLEDヘッドライト

ヘッドライトはR nineTシリーズから引き続きフルLEDのアダプティブヘッドライトを採用しています。このシステムでは、コーナーなどで車体がバンクした際に、一定角度以上になるとコーナーの先を自動的に照らしてくれます。夜間や早朝などに暗い街中や峠道を走る際はとっても便利な機能です。筆者のR nineTでもこのヘッドライトを装備していますが、夜の峠道での安心感は絶大で、もうこれなしでは乗りたくない!と思うほどです。

テールランプはウインカーと一体型

R 12ではS 1000 RRやM 1000 RR、R 18などと同様にウインカー一体型のLEDテールランプを採用しています。そんなこともあってリアビューはかなりシンプルでスッキリ。写真はキーをオンにした状態で尾灯だけを点灯させています。ウインカーを操作すると、ウインカーの中心部が点滅する仕組みです。

いつでも簡単に調整できるリアサスペンション

完全新設計のフレームで誕生したR 12 nineTとR 12では、リアサスペンションのレイアウトが従来とは大きく変わって、乗り心地が格段に上昇しました。段差を通過したときのリアシートの突き上げが従来モデルに比べて驚くほど改善されています(旧R nineTオーナーの筆者にとって、数少ない不満はリアサスでした……)。

さらに進化したポイントとしてはプリロードアジャスターがシート下の操作しやすい場所に変更された点です。従来では車体から降りて操作するしかなかったのですが、この位置であれば座ったままでも操作が可能です。自分の体重に合わせるのはもちろん、タンデムや荷物をたくさん積んだときに、好みのプリロードに調整することがいままで以上にやりやすくなりました。

こちらはエンジン真上のフレームパイプ。従来モデルでは、写真のR 12エンブレムの真下付近で、フレームが前後に分割されていましたが、R 12 nineTとR 12ではフレームを一体型にアップデート。これによって車体の剛性感(しっかり感)が大幅にアップしています。従来型を知る人がR 12に乗ると多分びっくりすると思います。

専用グラフィックがクールなOption 719

今回撮影したR 12はBMWモトラッド純正オプションラインのOption 719のキットを装着したものです。タンクやフェンダーのペイントも専用のグラフィックを採用していて、高級感のあるペイントが特徴です。もちろん、Option 719で用意されるパーツはすべて単品でも購入が可能ですから、スタンダードモデルを購入して、気になるパーツだけを取り付けることも可能です。社外パーツとの組み合わせで無限とも言えるカスタムを楽しめるのは、これまでのR nineTシリーズと同じですね。

ハイテク感満載のデジタルメーター

R 12ではオプションで小型デジタルメーターを用意しています。撮影車両が装着しているのは3.5インチのTFT液晶ディスプレイです。とてもコンパクトなディスプレイですが、ライディングモードをはじめ、前後のタイヤ空気圧、時刻、オドメーター、トリップメーター(2種類)、外気温、エンジンの油温、バッテリー電圧、直前の平均速度、平均燃費を表示できます。

表示を切り替えるには左側のスイッチボックスにある矢印マークを押すだけ。このスイッチボックスにはオートクルーズの操作スイッチも配置されています。スイッチボックス上部に突き出ているのがオートクルーズ。その手前にある赤いボタンはハザードで、その左隣にあるのはグリップヒーターです。従来は2段階切り替えだったグリップヒーターは、外気温が0度近い状況だと多少物足りなさを感じていましたが、新型モデルではグリップヒーターが3段階へと進化。最強の状態なら熱量も十分で厳冬期でのロングツーリングも全く問題なし。(旧型オーナーとしてはかなり羨ましいアップデートです……)

またグリップ脇のマルチコントローラーではディスプレイ上のセットアップメニューを設定する際に使用します。コントローラーのホイールを左右に動かしたり、前後方向に回転させることで素早く各種設定が可能です。

大型バイクなのにとっつきやすく、乗りやすい。それがBMW R12最大の魅力

ここまでR 12の特徴についてご紹介しました。大型バイクというと、大きくて重くて、ちょい乗りするのはちょっと面倒かも、という風に思いがちですが、R 12は車重こそ200kgを超えますが、大型バイクとしては非常にコンパクトで取り回しもよく、大型バイクという意識を忘れてしまうほど日常的に付き合えるバイクです。

これまで7年くらいR nineTに乗ってきた筆者も、日々の通勤から市街地へのおでかけ、休日のロングツーリングまであらゆる用途に使用してきました。大型バイクなのに毎日乗るのが億劫にならないし、街乗りでも中型バイク感覚でスイスイと走れる—筆者自身はそんなところに惚れ込んでいるんですよね。

R 12は低いシート高とコンパクトな車体によって、そうした利点がさらに際立った印象です。初めての大型バイクとしてこれほどお手軽なモデルはそうそうないかもしれません。ここまでご紹介した通り、BMWの最新世代のハイテク装備を満載していますし、ETC2.0をはじめ、キーレス装備も標準採用していますので、納車されたその日から快適なバイクライフが楽しめます。

ボクサーエンジン特有のフィーリングや充実の装備を確かめたいかたは、ぜひ試乗してみてください。

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