ツーリングや日常の走行から帰宅した直後、防犯対策や雨風防止として愛車へすぐに保護用バイクカバーを被せている人は少なくないかもしれません。
しかし、愛車を守るための迅速な行動はかえってバイクにダメージを与えてしまうおそれがあるようです。
走行直後のマフラーは超高温のためカバーが溶けるおそれがある

走行直後のバイクにすぐカバーを被せることが推奨されない最大の理由は、エンジン周辺やマフラーの熱によるトラブルを防ぐためです。
バイクのエンジンや排気系のパーツは、走行中にガソリンを燃焼させることで高温状態となり、特にエキゾーストパイプやマフラー周辺は、走行直後には非常に高温になっていることがあります。
このような状態のままバイクカバーを被せてしまうと、マフラーの熱でカバーの生地が溶けてしまい、樹脂がマフラーの表面にこびりついて冷えた後から取り除くのが困難になって見栄えが大きく損なわれるおそれがあります。
カバーの材質や使用状況によっては、熱によって生地が溶けたり損傷したりするおそれがあるため注意が必要です。
帰宅後はすぐにカバーを被せず、エンジンやマフラーの熱が十分に冷めるまで待つことが大切です。冷却に必要な時間は車種や走行状況、外気温によって異なるため、バイクやカバーの取扱説明書に従いましょう。
防犯上の理由や急な天候の悪化などから、帰宅後すぐにカバーを掛けたい場合もあるかもしれません。そのような状況に対応した耐熱仕様の製品もありますが、耐熱素材が使われている範囲や対応できる温度は製品によって異なります。
「耐熱」と表示されたカバーであっても、走行直後に使用できるとは限りません。使用前に取扱説明書や注意事項を確認し、メーカーが指定する使用条件を守ることが大切です。
ベンチレーションやバタつき防止ベルトを活用して保護効果を高めるのがポイント

バイクカバーの正しい使い方として、熱対策のほかにも意識しておきたい効果的な活用方法がいくつか存在します。
まずひとつ目は、カバー内部の湿気を外へ逃がすベンチレーション機能を積極的に活用することです。
地面からの湿気や雨上がりの水蒸気などがカバーの内側にこもると、結露が発生して金属部分にサビが生じたり、電装部品の端子が腐食したりする原因になりかねないため、通気口であるベンチレーションが備わっているカバーを選び、常に空気が循環しやすい状態を保つことが愛車のコンディション維持に繋がります。
続いて2つ目のポイントとして、風によるカバーのバタつきを防ぐために、車体下部を通すバタつき防止ベルトをしっかりと結束することが挙げられます。
強風が吹いた際にカバーが激しく揺れると、生地の内側とバイクの塗装面がこすれて細かい傷がついてしまうおそれがあるだけでなく、カバーが風をはらんで帆のような役割を果たしてしまい、突風によって重いバイクごと転倒しかねません。
そこで、防止ベルトを確実に留めてひもを絞ることでカバーが車体に密着し風の影響を最小限に抑えることが可能となるほか、カバーの裾部分に絞り用のゴムが入っているタイプであれば、より車体にフィットしやすくなるため強風対策として有効です。
そして3つ目のポイントは、防犯対策としてバイクカバーの上から前後ホイールにチェーンロックを併用することです。
多くのバイクカバーには前輪と後輪の付近にチェーンロックなどを通すための専用の鍵穴が設けられており、カバーを掛けた上でこれらの穴を通してロックを施しておけば、カバーをめくって車種を特定されるリスクを減らすことができます。
カバーを外す手間を増やし、車種を外から判別しにくくすることで、盗難の抑止効果を高めることが期待できます。可能な環境であれば、チェーンロックを柱などの動かせない固定物につなぐ方法も有効です。
まとめ
走行後のマフラーの温度変化やバイクカバーの正しい機能を日頃から把握しておくことは、予期せぬトラブルを防ぐための第一歩となります。
愛車を大切に思うからこそ適切なタイミングや手順でカバーを被せ、熱被害や盗難からバイクを守っていきましょう。








