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スポスタに最適というエンジンオイルが誕生。自分で交換作業をやってみた!

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主にハーレーに関するコンテンツ作成に携わってきた身ながら、自身の愛車のオイル交換を一度もやったことがなかった私。今回、カスタムやメンテナンスでお世話になっている大阪のカスタムショップ TRAMP CYCLE -トランプサイクル-がハーレーダビッドソン向けのオリジナルオイルを販売するとのことで、ならばいっそ自分でやってしまおう!と初のオイル交換に挑戦します。

目次

ハーレーの特性を考慮したオリジナルのエンジンオイル

今回用いるオリジナルのエンジンオイルを販売するトランプサイクルは、新旧問わずハーレーダビッドソン車両のメンテナンス・修理・カスタムを手がけてきた創業20年を超える老舗ショップ。スポーツスターカップなどのレースにも過去何度も参戦しており、極限状態でのハーレーダビッドソンの走行を追求してきたその経験から、スピード感を感じさせるカスタムハーレー制作と、そのカスタムに理想的とするパーツ制作・販売を手がけています。近年レーシングブロスというバイク用サスペンションの設計・販売も取り扱うなど、一層ライディングを極めんとする取り組みが見られるショップです。

大阪のハーレーダビッドソン カスタムショップ TRAMP CYCLE -トランプサイクル-

このエンジンオイルも、そうしたレース活動をキッカケに「エンジン性能をより引き出せるエンジンオイルを」と考えた同ショップ代表 長岡 守さんから生み出されたもの。エボリューションエンジンと呼ばれる1985年誕生のハーレーダビッドソン Vツインエンジンから近年までの大排気量 空冷エンジンを対象としたエンジンオイルで、熱を持った状態から走行風を当ててやることで素早く熱を下げる効果を持たせた配合になっています。

サーキット走行やワインディング走行などのオン・オフが多い高負荷状態でも高い油圧と油膜を保持する力も持っており、さらにハーレーに起こりがちなオイル漏れやにじみを抑制する成分も配合と、ハーレーダビッドソンをよく知るショップならではの配慮が随所に感じられる製品です。

ハーレーダビッドソンの性質を考慮したオリジナルのエンジンオイル

特に顕著なのが「熱を下げる効果」で、熱が高まりがちな空冷Vツインエンジンには大きな助けとなる力を発揮してくれます。サーキットやワインディングという高速域での状態を想定した、トランプサイクルならではのエンジンオイルです。

ハーレーダビッドソン スポーツスター XL1200R(2008年式)

ここ数年はめっきりサーキットで走ることがなくなった私の愛車 スポーツスター XL1200R(2008年式)も、ふらっと箱根ターンパイクや道志に走りに行くことも少なくないので、今後も継続してこのエンジンオイルを使い続けることとすべく、エンジンオイル & オイルフィルター交換も自身の手でやってしまおう、と思い立ったわけです。

オイル交換に必要な道具

オイル交換作業を始める前に、「準備しておくもの」と「あると便利なもの」をご紹介します。

準備しておくもの

こちらは必ず準備しておくものです。オイルフィルターを外すときに使う専用のオイルフィルターレンチ、3/8インチ規格のラチェット、廃油を受け止めつつ そのままポイ捨てできる廃油パック、メンテの必需品ウェス、そして交換用オイルフィルターです。オイルフィルター交換をしないのであればレンチとフィルターは不要。あとラチェットについて、実際の作業で経験した身としてはこちらに写っている首元が動くタイプではなくグリップから一体化している稼働しないラチェットか、もしくはT型レンチをオススメします。またラチェットにエクステンションバーを併用するのも良いです。

ラチェット、ウェス、廃油パックは必ず用意しましょう。

あると便利なもの

必ずいるわけではありませんが、あると作業がしやすいものです。手が汚れないための作業用グローブ、オイルフィルターから出る廃油を誘導するファンネル、汚れ取りに使うロールペーパー、油汚れを落としてくれるパーツクリーナー、外した部品が散らばらないようにするためのトレー、そして車体を真っ直ぐ持ち上げるジャッキ。中でもジャッキは5,000円以上する高価なものながら、サイドスタンドでも作業はできるので 今後他のメンテナンスに用いる機会がなさそうなら不要です。他のアイテムは、実際に作業をしていた僕としては「あって良かった」と思うものばかりでした。ご予算はもちろん、今後愛車のメンテナンスをこまめにやられる方は是非。

スポーツスターのオイル交換作業

1, 交換前の試走

ご近所のテストルート(自称)を5分ほど走ります

エンジンを暖めてオイルの出を良くするために5〜10分ほど試走します。「1〜2分ほどアイドリングでの暖気でもOK」と言われることがありますが、それはウェットサンプ方式のオートバイに関して。ドライサンプ方式を採用しているV-ROD以外のハーレーダビッドソンはこのように試走した方がオイルの抜けが良くなるのです。どっちみち自宅前でアイドリングすると近所迷惑になるバイクでもあるので、ショートツーリングがてら軽く流してやりました。

2, ジャッキアップ

ジャッキアップで車体を水平に持ち上げます。普段使い慣れていないからか、ジャッキだけで自分のバイクが水平になっている状態って逆に不安定な感じがして、倒れやしないかとしばらく気が気でなかったです。

サイドスタンド支持でオイルを抜いて 最後に垂直に立てて絞り出す方法と、上記のようにジャッキアップしてオイルを抜いてから サイドスタンド支持で絞り出す方法とがあります。どちらにしても「垂直」と「サイドスタンド」とで角度を変えながらオイルを抜いてやらねばならないので、ジャッキアップによる転倒というリスクを避ける意味から、サイドスタンドで作業をした方が良さそうです。

3, ドレンホースから栓を抜いてオイル出し

フレーム下にポロっと出ているドレンホース

いよいよエンジンオイルを抜いていきます。抜く場所は、フレーム下に垂れ下がっているドレンホースから。こんな感じで栓がしてあり、口の部分を金具で締めてあります。

金具のネジをマイナスドライバーで緩め、ホースに突っ込まれている栓を抜きます。

抜けると同時に 重力の作用でオイルがドロドロっと出てきます。あらかじめ廃油パックをセットしておくことを忘れずに。

オイルが出始めたら、今度は車体右側にあるオイルキャップを外して抜けを良くしてやります。屋外で作業をされる際、雨にはご注意ください。

オイルがかなり出てポタポタと溢れるようになったら、車体を揺らして最後の最後まで出し切りましょう。「サイドスタンドで作業を進めておいて、最後に絞り出すときにバイクを立てて出し切る、という作業手順が好ましいですよ」とトランプ長岡氏。

車体を揺らして「もう出ない。これ以上は」となったら、再び栓を閉めて金具をホールドします。ここで栓を閉める作業を忘れないように。栓を閉め忘れたら、あとで新しいオイルがドバドバ漏れ出るという悲劇に見舞われます。

4, オイルフィルター交換……がハプニング発生

ファンネル(左)、オイルフィルターレンチ(中央)、ラチェット(右)が必要

オイルフィルター交換に際して必要な道具がこちらの3点、ファンネル、オイルフィルターレンチ、3/8インチ仕様のラチェットです。ファンネルは無くても 空いている牛乳パックを加工して似たような形にしてやれば代用できます。ラチェットはインターネット通販や最寄りのホームセンターなどで購入可能。オイルフィルターレンチも専用工具ながら、最寄りのバイク量販店はもちろんインターネット通販で購入可能です。

オイルフィルターを外すと オイルがドバドバっと漏れ出てくるので、あらかじめファンネルをこのように設置し、先ほど廃オイルを受け止めた廃油パックをファンネル出口下に置いて受け止めてやります。フィルターレンチに3/8インチ ラチェットの口がちょうどハマるので、反時計回りに回して外してやります。

ここで私は失態を犯します。いや失態というほどでもないのですが、オイルフィルターが外せませんでした。回せど回せどオイルフィルターが回ってくれず……。あまり無茶な力を入れると車体バランスが崩れて倒れる または フィルター装着口が壊れてしまうんじゃないか、というメンテナンス素人特有の恐怖を抱き、作業の手を止めてしまいます。

「オイル交換さえできれば、オイルフィルター交換は別でも問題なし」と自ら言い聞かせ、オイルフィルター交換は見送ることとしました。そしてその日の夕方、オイル交換までを終えた僕は最寄りのハーレーダビッドソン正規ディーラーに駆け込み、顔馴染みのスタッフに泣きついてオイルフィルター交換をしていただいた次第です。普段から機械いじりしていないヘタレ感を発揮してしまい申し訳ございません。

5, 新品オイルを入れていく

1.9リッターを目安に注ぎ込んでいきます

廃オイルをすべて吐き出し、ドレンホースもしっかり閉めたので、新品オイルを入れていってやります。ハーレーダビッドソンのマニュアルには「目安量 1.9リッター」とあるのですが、おそらくこれはかなり少ない。

・エンジン単体のみ   :2.5〜2.6リットル

・オイルフィルター交換含:2.8~2.9リットル

実際、サイドスタンド支持でオイル缶2本分入れてみたところ、全然足りておらず結局3本目の半分ぐらいまで注ぎ足しました。

6, オイルキャップでオイル量チェック

ある程度入れたらオイルフィルターキャップを挿して量をチェックします

その計測となるのがこちらのオイルキャップ。

目安の1.9リッター相当のエンジンオイルを入れたら、ここで適量かどうかのチェックです。外していたオイルキャップを一度カチッと差し込んでやりましょう。

赤い線で示されたエリアの半分以上にオイルがついていればOK

差し込んだオイルフィルターキャップを抜くと、キャップ先端に伸びる棒の部分にオイルがつきます。この棒の部分についてオイルの位置で、入っているオイル量を計ります。

この棒の部分の70〜80%ぐらいまでオイルがつくよう調整します

こちらの画像のように、棒の部分の70〜80%ぐらいまでオイルがついていればOK。ここまでオイルがついていないと量が足りていないということなので、ここまでオイルがつくよう作業を繰り返します。

十分な量のオイルを注げたら、各所の汚れを拭き取ってやって完了です。パーツクリーナーをお持ちの方は油汚れが落としやすいですね。

6, 馴染ませるため試走

交換作業を終えたら、最後に馴染ませるための試走です。心ゆくまで走りにいきましょう。

オイル選びのポイント | 同じものを継続して使うこと

「さっすがスポーツスターをカスタムし続けたショップが考案したオイル! 劇的に良くなった!」などと感動していたのですが、トランプサイクル代表の長岡守氏曰く「新しいエンジンオイルに換えたら変わるのは当たり前。オイルの良し悪しを体で感じ取るのは正直無理だと思う」とのこと。

性質・価格とも異なる専用オイルと汎用オイルを使い込んでいき、交換時期に専用オイルに交換してやると、当然良い変化が生まれるが、専用オイル→専用オイルと汎用オイル→専用オイルの違いを一般ライダーが感じ分けるのは難しい。また汎用オイル→専用オイルだと汎用オイルが多少残っていることから、最初の交換ではAの性能を十分に発揮できているとは言い難い。

良い悪いは別として、性質の違いから価格も異なる多種多様なエンジンオイルの中からどれを自分の愛車に使うか、これはオーナーの楽しみ方・遊び方次第です。いずれを選ぶにしても、一定期間(一般的には走行距離3,000kmが目安とも)使い込んだ後、新しいエンジンオイルに交換してやるわけですが、ここで投入される新しいオイルの良し悪しや違いを感じ取るのは、一般ライダーではまず不可能。

ただ、違いが生まれるとしたら それぞれのバイクのエンジン特性に合わせて細かに設定されたエンジンオイルは 汎用性重視のエンジンオイルよりも そのマシンの性能を引き出す力は抜きん出ていますし、パワーを生み出し続けるエンジンが常により良い状態を保てる一助にもなります。

汎用オイルから専用オイルに交換してやれば 良い効果を得られるのは当然ですが、それまで使っていた汎用オイルの残滓が多少なりともあるため(ギアに付着していたり、溝に残っていたり などなど)、交換直後は専用オイルの効果が十二分に発揮されるとは言い難いところ。

なので、理想的なエンジン効率を実現するには そのエンジン特性に合ったエンジンオイルを継続的に使っていくことも大切になってきます。今回私のスポーツスターに注入したのは、特にオン・オフの高負荷状態での走行を想定した専用エンジンオイルなので、タウンユースやツーリングなどに用いるハーレーライダーの方は、例えばハーレーダビッドソン純正の中でも特に高性能・高価とされるスクリーミンイーグル SYN3(シンスリー)なども選択肢に入れつつ、他の製品と検証してみてはいかがでしょうか。

純正エンジンオイルの中でも上級品に位置するスクリーミンイーグル SYN3(シンスリー)

エンジンオイルやプライマリーオイルの違いを語れるほどの知識を持ち合わせていないため、ここで偉そうにうんちくを語ることは差し控えさせていただきますが、ハーレーダビッドソンのエンジンオイル(1リットルあたり)は安価なものだと1,500円程度から、そして高価なものになると3,000円を超えてきます。倍近い金額に相応しい性能が秘められているかどうか、体感するのは難しいですが そのエンジン特性を最大化させることを目的に開発されている、それゆえ高価になっている–––と納得できるかどうか、でしょうか。

ご自身でいろいろと調べられて最適なオイルを選ばれるも良し、主治医であるメカニックの方にアドバイスを求めるのも良し、いずれかの方法で愛車に良いオイルを使い続けてあげてください。

自分でオイル交換作業をやってみて

これまでエンジンオイルの交換はホンダ・リトルカブでしかやったことのない素人が初めて挑戦したハーレーダビッドソンのエンジンオイル & オイルフィルター交換作業。オイルフィルター交換は結果的に自身の手ではできず、ハーレーダビッドソン正規ディーラーに泣きつくという結果になりましたが、自分の手で作業を行う経験を持ったことで、日頃乗っている愛車の心臓たるエンジンの状態と向き合う良い機会となりました。

またこのエンジンオイル交換に必要な工具を買い揃えねばなりませんが、プロ仕様の工具を揃えているうえに知識・経験も重ねているショップのメカニックの方にお任せする価値を感じ取れました。改めてプロに任せられる安心感に感謝です。

近年はハーレーダビッドソンもエンジンが水冷化し、果てはエレクトリックという選択肢も生まれてきていることから、空冷エンジンが希少になっていると聞く今日この頃。往年の空冷Vツインの鼓動を伝える大事な愛車を長持ちさせてやりたい、そんな気持ちを高められました。

まだ愛車のエンジンオイル交換をしたことがないという皆さん、ご自身の愛車と語らう機会として、是非エンジンオイル交換に挑戦してみてください。

※記事内容は全て執筆時点のものです。最新の情報をお確かめください。

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