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「キャブレターって何がおもしろいの?」 この疑問にスーパーカブ90&キースター燃調キットで挑む!

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この記事は、キャブレターのおもしろさを知るために筆者が中古のスーパーカブ90を買い、「キースター燃調キット」という製品を使ってレストアをしてみた…という内容になっています。

突然ですが、筆者(サブロー)は、これまでキャブレターのバイクばかり乗ってきました。
その理由は…。

インジェクションバイクが増え始めた2000年ごろ、当時のライダーは「インジェクションなんてクルマがつけるモノだろ!」とか「バイクはやっぱりキャブだよな!」とか、インジェクションに否定的でキャブを信仰する風潮が強かったんですよ。
そんなあおりを受けて筆者(サブロー)も「何となく」キャブ車を好み、他のライダーと同じように「バイクはやっぱりキャブだよな!」などと20年近く言い続けていました…。

しかしある日、こんな質問をされて困惑しました。
「キャブってインジェクションと比べて何がいいんですか?」と。

そりゃアレだよ、機械が一生懸命動いてる感覚っていうか、有機的なフィーリングというか、セッティングの楽しさというか、とにかくインジェクションとは違った面白さがあるんだよ!
などと言い訳をしたものの、しょせん「何となく」キャブが好きなだけの男。

キャブの構造すら理解していない上、キャブのメンテどころかカスタムもやったことがないのだから、いいところなんて答えられるわけがありません。

その程度の考えで「バイクはキャブに限るぜぇ」みたいなことを何年も豪語してきた自分が恥ずかしくなり、これを期にキャブの構造を勉強して面白さを知ろうと中古のスーパーカブ90を購入したのでした。

目次

カブのレストアはキャブレターから!

まずはバイクの教科書とも言われる最高の教材・スーパーカブ(HA02型・1986年式)を手に入れた…のですが状態はあまりよくありません
かろうじてエンジンは始動するものの、90ccにしては加速も最高速もイマイチです。
加えて次のような不具合を抱えていました。

・スロットルが重く、戻りも悪い
・カブなのに燃費が40km/Lを切る
・ドレンからガソリンが漏れている

燃料コックをオフにしておかないと、すぐにガソリンが漏れてしまう。燃費の悪さはコレも原因か?
カブはアクセルとキャブのスロットルワイヤーが直結している。そのためアクセルが重い場合はキャブが不調の可能性が高い

格安で買ったバイクということもあって、キャブに問題を抱えていることは明白。
一刻も早くオーバーホールをしないといけません。
今回は「キースター燃調キット」を使ってオーバーホールに挑戦してみました。

キースター燃調キットって?

キャブレターにはたくさんの真鍮パーツやゴムパーツが使われていて、それらはすべて消耗品です。
オーバーホールするには、これらの消耗品を新品に交換する必要があるのですが、廃盤のパーツがあったり、年式による微妙な違いがあったりと、準備がけっこうめんどくさいんです。

この手間を全部省いてくれるのが、岸田精密工業のキースター燃調キット。
バイクの型式・キャブの型番に応じてオーバーホールに必要な真鍮パーツやゴムパーツがパッケージングされているためラクに準備が整います。
しかも1キャブレターあたり4,400円(税込)と、純正部品を買いそろえるよりも安上がりなのもうれしいポイントですね。

純正部品と同じサイズのパーツが手に入る

筒状のパーツがスロージェットで丸いのがメインジェット。左がキースター燃調キット、右が純正だ

キースターの燃調キットのいいところは、純正部品と同じサイズのパーツが手に入ること。
キャブレターは緻密な構造になっていて、1/1000ミリ単位の精度が求められる超精密機械です。
そのパーツを寸分の狂いなく再現している
キースター燃調キットは旧車ファンからの信頼が厚く、プロが愛用するケースも多い、キャブオーナーの強い味方です。

燃料の濃い/薄いを自由にセッティングできる

プラグの焼け色やエンジンの症状に合わせて、どのパーツを濃く(薄く)すればOKなのかが網羅されている

オーバーホールとキャブセッティングが同時にできるのも、キースター燃調キットの特長です。

スロージェットやメインジェット、ジェットニードルといった、燃料の濃さを調整するパーツが複数用意されていて、思い通りにセッティングを出すことができます。
しかもセッティングのフローチャートも付属している親切設計

なお、対応車種は500を超えていて、2024年現在もその数を増やしています。

キャブレターを分解する

ボクがこれまでキャブに手を出せなかった理由は「キャブを外すのが面倒だった」からです。
たとえば4気筒エンジンのキャブを外そうとしたら、タンクやらエアクリーナーやらを外さないとダメ。
さらにギッチギチのエンジンまわりには手も工具も入らず「ちょっと外してみるか」という気が全く起こらなかったんです。

でも、カブならこのとおり。
作業時間は3~4分といったところです。使った工具もたったこれだけ。
なんだか整備スキルが一気に上がった気がする。

古いインナーパーツの取り外し&洗浄

1986年式のこのカブは、ヘタをすると40年近くキャブを開けていない可能性があります。
その化石のようなキャブを開けてインナーパーツを外すと…。

よくこれでエンジンが動いていたなと感心するレベルで朽ちているスロージェット

不動車ではなかったので、まだマシなんでしょうけど、スロージェットがフジツボ状態でした。

スロットルの引っかかりは汚れが原因か?

スロットルバルブを分解すると、タール状の汚れがベッタリ。
これのせいでスロットルが重かったのかなぁ?

スロットルバルブはこんな感じでキャブにハマっている
これは洗浄後。ベタベタした物質がこびりついていました…

フロートバルブは「アンチアルコールニードル」に交換

左が40年モノのフロートバルブ。黒いゴム部分に段差がついてしまっている。右がキースターのアンチアルコールニードル

キャブには「フロートチャンバー」と呼ばれるガソリンをためておく部屋があります。
ためたガソリンを一定量に保つストッパーの役割を果たすパーツがフロートバルブなんですが、これが劣化するとガソリンの調整がうまくいかず、漏れてしまうんです。

ここの部品はキースター燃調キットの「アンチアルコールニードル」に交換。
先端のゴム部分を純正品よりも強化して、ガソリンだけでなくアルコールにも強い耐性をもたせている
んだとか。

ガスケットもすべて新品に交換可能

キャブレターは気圧を利用して動くパーツだけあって、密閉性が失われると途端に不調になってしまいます。
その密閉性を保つためのガスケットが全部入っているのもキースター燃調キットのいいところですね。

オーバーホール後の走りは…?

なんと調子はイマイチ。
アクセル開け始めの加速はよくなったものの、大きく開けるとガス欠のような症状が出てしまう。

「いや、調子よくならんのかい」とズッコケそうなんですが、これ、ボクの勘違いが原因でした。
調べたところ、スーパーカブ90は排ガス規制前と規制後でセッティングが違うらしい。

(規制前)メインジェット…♯85
(規制後)メインジェット…♯82

今回のテスト車両は規制前(♯85)なのに、間違えて規制後(♯82)のメインジェットを付けたことで燃料が薄くなりすぎていたみたいです。

気を取り直して♯85に付け替えると…。

絶好調!
加速も最高速もオーバーホール前とは比べ物にならないほどよくなり、冒頭で紹介した不具合も解消しました!

スロットルが重く、戻りも悪い→軽くなってレスポンスもよくなった
カブなのに燃費が40km/Lを切る61km/Lまでアップ
ドレンからガソリンが漏れている→漏れが止まってガソリン臭も消えた

やっぱりキャブ車はおもしろい!

今回のメンテでは「キャブの仕組みを知ると運転まで楽しくなる」ことに気付きました。
たとえばアクセルと少し開けると「スロージェットから燃料が吸われてるな」とか。
大きく開けると「ニードルが持ち上がってメインジェットから燃料が吸われてるな」とか。

実際にパーツを見て、触れればばそのイメージがより鮮明になります。
もしインジェクションだと、目に見えない「電気」や「プログラム」が絡んでくるので、こういったアナログな感覚が味わえるのはキャブレターならではの魅力じゃないでしょうか

また、ミリ単位のパーツを変えただけで、まるで別の乗り物のように変化すること(今回だとメインジェットの♯82→♯85)も驚きました。
(本編では割愛しましたが、ニードルも調整してさらに調子がよくなっています

セッティングがうまくいった快感は想像以上でした。
今回のカブはノーマルでしたが、将来マフラーやエンジンをカスタムすると、楽しさの幅はもっと広がるでしょう。


キャブのアナログさが好きだけど、具体的に何がいいんだろう?と思っているあなた。
キャブの整備を勉強したいと思っている悩んでいるあなた。

キースター燃調キットと構造がシンプルなキャブレター車で購入して、メンテナンスやセッティングを楽しく覚えてみませんか?

※記事内容は全て執筆時点のものです。最新の情報をお確かめください。

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