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囚人が切り拓いた道に思いを馳せる 月形・浦臼で歴史とグルメを巡る北海道ツーリング

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

今走っている道路が、いつ、誰が作ったのか考えたことはありますか。月形町と浦臼町を結ぶ道の一部には、かつて樺戸集治監の囚人たちが過酷な労働によって切り拓いた歴史があります。アクセルを開けて走るアスファルトの下には、過酷な労働に耐えた人たちの記憶が眠っているのです。

目次

多くの犠牲の上に走る道がある「月形樺戸博物館」

月形の歴史を知るなら、まず月形樺戸博物館へ。町名の由来になった初代典獄・月形潔と、1881年に開設された北海道初の集治監について知ることができる。収容されたのは、強盗や謀殺などの重罪犯のほか、士族の反乱や自由民権運動に関わった政治犯など。当時の社会情勢を映すような人々も、ここへ送られてきました。

そんな囚人たちが、開拓とロシアへの備えを急いでいた北海道で、原始林や湿地を切り拓き、道路や農地を造りました。過酷な労働のなかで、多くの犠牲者も出ています。墓地まで足を延ばすと、その歴史が急に現実味を帯びてきます。そして今、囚人たちが命を削って切り拓いた道を、俺たちはバイクで走っているのです。

月形樺戸博物館

走って、知って、浸かって、泊まる。月形の夜

重たい開拓の歴史を知ったあとは、現代の月形を楽しもう。「道の駅つきがた」でひと休みしたら、隣接する月形温泉ゆりかごへ。ナトリウム・カルシウム塩化物泉の低張性弱アルカリ性温泉で、大浴場に露天風呂、バイブラバス、オートロウリュ付きサウナまであります。走り疲れた体を湯に沈めて「あ~、いい湯だ」。さっきまで囚人の過酷な歴史を追っていたとは思えない、この落差がまた面白い。

月形温泉ゆりかご

温泉でさっぱりしたら、そのままキャンプという流れもアリ。モハメッドアリ。月形皆楽公園キャンプ場は、27haもある広い公園の中。緑と水辺に囲まれていて、バイクから荷物を降ろしてすぐテントを張れる。水洗トイレやBBQコーナーもあり、予約は不要で現地受付。バイク・徒歩・自転車で利用する1人用テントは1張500円(7~9月は1,000円)で、別途利用料金が必要。テントサイトは予約制ではなく、当日の受付順となっています。宿代を浮かせたいライダーにはありがたい存在だ。

月形町 皆楽公園キャンプ場

何もないけど何かある。浦臼町の魅力

月形からさらに北へ走ると浦臼町が現れます。樺戸連山と石狩川に挟まれた土地に、水田や畑が広がる農業の町です。派手な観光地はないですが、交通量の少ない道をバイクで流せば、北海道らしい大地の広さを存分に味わえます。

国道275号を走っていると、浦臼の街中で突然、重厚な石造りの建物が目に飛び込んできます。これが、浦臼を代表する数少ない見どころのひとつ「尾花商店」です。店舗は昭和初期、隣の石蔵は大正12年(1923年)の建築。かつて大火で周囲が焼けるなか、石蔵だけが残ったことから、店舗も札幌軟石造りになったといわれています。バイクで通り過ぎるだけでも、思わず「おっ?」と目を奪われる存在です。

もりもり食っちまえ!「道の駅つるぬま」

浦臼を走るなら、「道の駅つるぬま」を休憩だけで終わらせるのはもったいない。ここで販売している「鹿肉ジンギスカン」は人気商品。「見つけたら迷わず買っとけ!」と力説したい逸品です。

鹿肉ジンギスカンが売り切れていたからといって、ガッカリすることはありません。その隣では新鮮野菜を販売しています。

オレ「黄色いトマトって、赤いトマトと味が違うの?」

店員「食べたことがないので、わかりません」

なんとミステリアス!

旅先は、知らない味に挑戦するくらいが面白い。見たことも食べたこともない野菜を見つけたら、これも迷わず食ってみましょう。

道の駅つるぬま

北海道ワインの歴史を刻む「鶴沼ワイナリー」

浦臼に、なんでこんな巨大なブドウ畑があるんだべ? 

その答えは、冷涼な気候にあります。鶴沼ワイナリーは1974年、北海道ワインのブドウ農場として農地造成が始まりました。冷涼な気候と昼夜の寒暖差を生かし、ワイン用ブドウの栽培が行われています。

冬は豪雪、夏は昼夜の寒暖差が大きい。そんな厳しい環境を逆手に取り、現在では総面積447ha、日本最大級の垣根式ブドウ畑に成長しています。浦臼の丘を走れば、北海道らしいスケールの畑がドーンと広がります。ここでワインを手に入れて、鶴沼キャンプ場で一杯やるのもいいでしょう。ちなみに、ワインとジンギスカンの相性は最高。ハーフボトルでは足りないかも!?

鶴沼ワイナリー

地元ライダーイチオシの最高メシ

浦臼産米のおにぎりを頬張るなら、農家直営の「いしちゃんキッチン」へ。20種類以上のおにぎりが並び、定番からちょっと変わり種まで選ぶ楽しさがあります。ドライブスルーにも対応しているので、バイク旅でもサッと買えるのがうれしいところです。

いしちゃんキッチン

国道275号沿いで、ひときわ気になる小さな焼き鳥屋が「やきとり康」です。炭火で香ばしく焼き上げる焼き鳥は、とり、ぶた、たん、もつ、砂ぎもなど。町外から買いに来る人もいる人気店です。

いしちゃんキッチンでおにぎり、やきとり康で焼き鳥を調達したら、たわわに実った田んぼを眺めながら食べてみてください。おにぎり片手に焼き鳥を頬張れば、そりゃもう、うめぇに決まってるべ!

やきとり康

月形から浦臼へ。歴史を感じる道を走り、温泉やキャンプ、地元グルメまで楽しめます。派手さはありませんが、寄り道するほど面白くなる。北海道の大地をバイクで味わうなら、こんな旅もどうですか?

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