「富良野エリアに行かずに札幌近郊でラベンダーが見たい」というワガママな方におすすめなのが、ローカルライダーに人気のスポット「頭大仏」です。広大な霊園の敷地内には、丘の上に頭を突き出した大仏があり、そのまわりにラベンダーが咲き誇ります。さらにはイースター島にあるはずの巨大石像や、イギリスにあるべき巨大列石もある支離滅裂ぶり。美しく不思議な世界にご案内します。
オカルト雑誌「ムー」のような世界が広がっている!

「頭大仏」は、札幌市南区の真駒内滝野霊園にあります。総面積は1,800,473㎡で、札幌ドーム約32個分。とても明るい雰囲気で、妖怪が夜中に運動会をするのが憚(はばか)れるくらいぶっ飛んでいます。

正門から入ると「ここはイースター島か?」と間違えるくらいズラリと並んだ「モアイ像」に迎えられます。何か意味あり気ですが、宗教とは全然関係ないというから笑い泣き。モアイの「モ」には未来、「アイ」には生きるという意味があることから、先祖を祀るシンボルとして建立されたそうです。

イギリスの謎の巨石「ストーンヘンジ」もあり、オカルト雑誌「ムー」の世界に飛び込んだような錯覚に襲われます。関係ありませんが、ロックバンド「ラ・ムー」を率いて失笑された菊池桃子さんは、デビュー当時「ピラミッドに上ってUFOを呼ぶのが夢です」と言わされていました。
そんな彼女も御年57歳!
ラベンダーの丘に頭だけ突き出すシュールな大仏

頭大仏は、2013年に真駒内滝野霊園開園30周年記念事業として着工されました。国内外の建築物を多く手掛ける建築家・安藤忠雄氏のアイデアにより、御霊供養大仏を囲む丘が作られました。

もっとも難しかったのが、そのまわりに咲く15万株のラベンダーの栽培だったそうです。ラベンダー農家のアドバイスや、ボランティアの協力により、種をまくことから始めることで広大なラベンダー畑が完成しました。費やした月日は約3年。
なかなかの一大事業ですね。
極楽浄土の世界に導かれる

遠くからでは大仏の頭しか見えない設計で、近づくごとにその大きさや神秘性(大仏だから仏秘性?)を高める効果を狙っています。アプローチの先にある水庭は心を清め、非日常へ切り替える結界としての役割を果たしているとか。
もしかしてあの世への入り口なのか?

さらに進むと胎内を表現したトンネルが続き、大仏が少しずつ姿を現します。ドームにたどり着くと、天空から注ぐ光の中に鎮座する大仏の全貌が明らかに!
思わず拝みたくなる素晴らしい演出です。

頭大仏は、高さ13.5m、総重量1,500t。57ものパーツから成り立っています。ドームの中では絵馬に願いを書き込んだり、おみくじを引いたりできます。絵馬に書かれているのは「宝くじが当たりますように」「彼氏が欲しい」「有名になりたい」など、煩悩のオンパレード。
人間は欲深い生き物です。
頭大仏グッズをゲットせよ!

おなかがすいたら殿内にあるロタンダカフェ&ストアなんてどうですか。世にも珍しい霊園カフェ(大仏カフェ?)では、パスタやうどんなどの軽食やコーヒー、手作りアイス専門店「ミッシュハウス」のアイスクリームなどが味わえます。また、Tシャツやクリアファイルなど、ここでしか買えない「頭大仏オリジナルグッズ」も販売。
相当クールだべ!
ラベンダーの見ごろは7月!

頭大仏では四季折々の美しい光景を見ることができますが、ライダーにはラベンダーが咲き誇る夏がおすすめ。7月中旬から下旬にかけて丘が紫に彩られ、香水のような香りが漂います。

ラベンダーの見頃である7月1日〜21日はラベンダー祭を開催。頭大仏のお顔を近くで見ることができる遊歩道『風薫る祈りのみち(500円)』の開通をはじめ、さまざまな催しが行われます。「霊を供養する場所に観光客が気軽に訪れていいのか」という心配はご無用。ぶっちゃけ宗派などは気にしていないようです。「アミューズメント霊園パーク」を楽しんでください。
真駒内滝野霊園
住所:〒005-0862 札幌市南区滝野2番地
電話番号:011-592-1223
開園時間:4月~10月 9:00~16:00 11月~3月 10:00~15:00
頭大仏拝観料:300円
駐車料金:クルマ・バイク500円(庭園駐車場)








