壮大な海を望む海岸線、神々しい山並、清流沿いを走る快走路を楽しみたい。海、山、川をまとめてツーリングを盛り込むことが出来たとしたら・・・内容がより「分厚く」なると思いませんか。今回は三重県の南部地方を走る国道42号線、通称「熊野街道」をご紹介します。

国道42号線の特徴
今回ご紹介する国道42号(以下、R42)は、静岡県の浜松市篠原交差点から、和歌山県和歌山市の県庁前交差点を結ぶとても長ーい国道なのです。中には「間に海があるから繋がってないじゃないか」と察する方もいるかもしれませんが、R42は伊勢湾を横断する「海路」が含まれているのが大きな特徴です。

そこから紀伊半島の熊野灘、太平洋沿岸そして紀伊水道を回り込むように和歌山まで 伸びています。絶景ポイントやグルメ、世界遺産が点在する快走ルートですので、ライダー界隈では有名といってもいい道路です。
伊勢湾フェリー
紀勢自動車を降りたら「あの神社」へGO!

高速降りて、並走するR42の交差点を曲がると、必ず目に留まるのが5000Lの「巨大牛乳パック」……おそらく中身は入っていません。爽やかなパッケージは猛暑日は見るだけで飲みたくなるでしょう。

ちなみに特産の牛乳を使った「大内山ソフトクリーム」は濃厚でじつに美味。ライダーの不思議な習性に釣られて食べるつもりでしたが、時間と行程の都合上今回は諦めました。

見所① 頭之宮四方神社(こうべのみやよもうじんじゃ)


その名のごとく、「アタマ」に関する守り神が祀られており「頭之宮」の名が付く日本で唯一の神社だそうです。いかにも「学業祈願」を連想する神社ですが、私たちライダーにとっても大変ご利益がありそうな神社ですよね。「アタマ」に関係するプロテクターといえば……ヘルメットですよね。




近年は、ヘルメットのお祓いが話題になっており、国産ヘルメットメーカー「SHOEI」とのコラボを果たし、バイク乗り達の「推し神社」となりつつあるとのことでした。ツーリングの序盤にご利益を得て、冷静な運転に努めましょう。
私の小言比較的参拝者が少なく、不思議なオーラを感じざるを得ない神社です。バイクや自転車、工事でヘルメットを使用する方は是非行ってみてください。
見所② 高塚山展望台(上り坂徒歩 数分)

頭之宮四方神社を出発し、R42を南下していきましょう。交通量が多くツーリングには不向きだったこの道も紀勢道が開通して以来、ツーリング向けの快走路へと変貌しました。ただし、所々「2ケタ国道らしからぬ」ワインディングが突然やってくるので、速度の出し過ぎに注意です。

しばらく走って国道から逸れて細い山道を登っていくと高塚山展望台への登山道があります。5分ほど歩くので、できるかぎり軽装がおすすめ。


急な坂道を上ると、渦巻き型のお洒落?な展望台がありました。螺旋階段を上っていくと……

リアス海岸を一望でき、その向こうには太平洋を望めます。海に小さな島が点在して浮かぶ景色は、国内でも限られた場所でしか見ることはできません。この日は穏やかな日和でした。時間にゆとりがある方やじっくり楽しみたい方は立ち寄ってもいいかもしれません。( 景色〇。パノラマ具合△……。 )
海、山、川だけじゃない。じつはグルメも豊富!
R42は景色がきれいなだけではなく、グルメなライダーも満足できるルート。海が近いから「海鮮」が豊富と思いきや、紀伊山地がすぐ横にそびえたっているので山の幸も豊富。ほかにも、トンカツやラーメン、各種定食を提供しているお店がたくさんあって、より取り見取りです。

また、ボリューム感あるお店も多くライダーの目も腹も飽きさせない魅力があります。ただし、山間部や海岸線付近はお店はやや少なめ。グルメ情報は下調べしておくほうが良いでしょう。
名所や史跡が多く、リピート確実。

国道42号(熊野街道)は、世界遺産の熊野古道、古くから信仰のある紀伊山地へと続くだけあって紹介しきれないほど、見所がたくさんあります。何度行っても新しい発見に出会えるルートです。
ただし注意点として、多雨な地域なのでレインコートは必須アイテム。スコールのような突然の雨に見舞われる場合もある……ということも知っておいてください。









