ガソリンの省略形の“GAS”には、俗語として「アクセルを開ける」という意味も持つ。
スペインのバイクメーカーGASGASは、「Vamos! Gas a fondo… gas gaaas!!!(いくぞ! フルスロットルだ、開けろ開けろおおお!!!)」
という言葉を省略したもの。
まさに、今回試乗したGASGAS(ガスガス)のSM700はこの言葉通りで、アクセルを開けるからこそ面白い、刺激に満ちたマシンだったのだ!
フレンドリーな第一印象。実は……。
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背は高いけど、スリムなので、バイクを支えるのは意外に楽。
ビッグバイクにしては華奢な作りなので、大きなオフロードバイクのイメージで、きっとエンジンとかハンドリングとかマイルドで扱いやすいバイクなのだろうなと、勝手に想像していたら大違い。
700ccほどもある大型バイクだというのを忘れていた……。
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足着き、取り回し良好!
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車体がスリムで、ハンドルもそれなりに広いから、ライディングポジションは椅子に座ってるみたいに楽。
軽いので取り回しもいやすい。
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でも足つきは両足のつま先がかろうじて「触れる」くらい。停車時には無理に両足を着こうと考えず、止まる時にはお尻をずらして片足をしっかり着いたほうが安定する。
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猛烈に刺激的なエンジン
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692.7ccもある水冷4スト単気筒エンジンは、とにかく刺激的だ。
誰もが乗りやすく調教されている国産モデルにはない、凶暴さを秘めている。
雑な操作をすれば、ライダーはそれに振り回されることになる……。
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エンジンの電子制御には2種類のライドモードが用意され、マップ1のストリートモード、マップ2のスーパーモトモードを選択できる。マップ1はストリートでも扱いやすいややマイルドな仕様。マップ2はピックアップが鋭くスポーツ走行時に最適な仕様。
今回の試乗はクローズドだったので、あえてピックアップの鋭いマップ2を選択してみた。が、なかなか一筋縄ではいかないやんちゃな仕様だったのだ……。
エンジンのピックアップが非常に敏感なマップ2。低めのギアでスラロームしようとした時などは特に注意が必要だ。ほんの少しスロットルを捻るだけでドカン!と飛び出る。取り扱いがものすごいシビアというか、繊細。
でも、高めのギアで、エンジンの回転を上げずに走っていると、全く別の、穏やかな吹け上がりなのに十分以上の力をみなぎらせた自由自在な軽いバイクといった印象になる。ただし、そのままスロットルを開け続けると、フロントが軽くなるほどの勢いでパワーが湧き上がる。
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このバイクはモタードマシンだから、こういうピックアップ、トルクをきっかけにしてドリフトしたりするのだろうと思う。
そういうのはしやすそうだけど、ドリフトして走るなんてできないから、普通に走るにはスロットルワークにちょっと気を使う。
元気よく走ろうとアクセルを開ければ、いきなり強烈なパワーが目覚めるからだ。
マップ2は過激な設定だから、ビッグバイクビギナーにはマップ1のストリートモードをお勧めする。
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その反面、今乗っているビッグバイクを退屈に感じているなら、これほど面白く、操りがいのあるバイクはないだろう。
刺激が欲しいライダーにはマップ2のスーパーモトモードはうってつけだ。
鍵は、このダッシュ力抜群のバイクをノリノリで走らせることのできるスキルがあるかどうか
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マップ2のスーパーモトモードは瞬発力があるから、乗ってる方もテンションが上がる。でも、じゃじゃ馬で暴れん坊だから使い切るには一筋縄ではいかない。
エンジンのピックアップが俊敏だから、気楽にのんびりツーリングしたり街なかで乗るのも、きっとストレスがたまる。
ワインディングやサーキットなどスポーツ性能を引き出せるステージが一番。
問題は手懐けるだけのスキルが有るかどうかだ。
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手懐けたら楽しそう!
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優れたスロットルレスポンスと簡単にドリフトできそうなパワーがあるSM700。それを使えればワクワクして走れるだろう。
グリップ走行でもフットワークが軽く、溢れるパワーでタイヤを路面に押し付けて旋回性能を引き出してグイグイ行く感じ。
スポーティな走り方が得意なバイクだ。
覚悟を決めて、懸命にスキルアップすれば、SM700はこれまでのマシンでは感じることのできなかった刺激的な走りを見せてくれるはずだ。
SM700 詳細
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ単気筒
総排気量(cc):692.7
内径×行程(mm):105×80
圧縮比:12.7
最高出力:74kW/8000rpm
最大トルク:73.5Nm/6500rpm
軸距離(mm):1476
最低地上高(mm):237
シート高(mm):898
燃料タンク容量:13.5L
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・160/60ZR17
車両重量 148.5kg(燃料除く)
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