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スズキ「RGV250Γ」と暮らす 燃費10km/L&高額修理でも手放せない理由

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

道の駅に響く甲高い排気音。ふわりと漂う、懐かしい2ストロークエンジンのオイルの香り。やってきたのは、スズキRGV250Γ(ガンマ)です。

ホンダNSR250R、ヤマハTZR250とともに、レーサーレプリカブームを盛り上げた名車の一台。オーナーに声をかけると、購入時の思い出からエンジンの焼き付き、目玉が飛び出しそうな修理費用まで、興味深い話が次々と飛び出しました。

走ってよし、眺めてよし。でも、お財布にはなかなか厳しい? そんなガンマと暮らす楽しみを紹介します。

目次

レーサーの血統を受け継ぐ250cc

1980年代後半、バイク業界はレーサーレプリカブームの真っただ中。1988年3月に登場したRGV250Γは、249ccの水冷2ストロークV型2気筒エンジンを搭載し、最高出力45PSを発揮しました。

アルミフレームを採用した車体は乾燥重量128kg。排気デバイスAETCなどの技術も投入され、レーシングマシンを思わせるスタイルと本格的なメカニズムが魅力でした。新車価格は56万9,000円。NSR250RやTZR250としのぎを削った、時代を代表する一台です。

10万円で手に入れた憧れの一台

オーナーがガンマを購入したのは約15年前。NSR50から中型バイクへの乗り換えを考えていたところ、友人が乗っていたガンマを10万円で譲ってもらえることになりました。

レース観戦が好きなオーナーにとって、レーサーレプリカは憧れの存在。シートをSR用のレーサータイプに交換するなど、自分好みに手を加えてきました。

1980〜90年代には、革ツナギに身を包み、前傾姿勢のレーサーレプリカで北海道をツーリングするライダーも珍しくありませんでした。憧れのレーサーと同じスタイルで走る。それだけで気分が高まったのでしょう。

オーナーもガンマで函館まで片道約300kmを走った経験があります。しかし、首や腰、手首への負担は相当なもの。道東方面にも足を延ばしたいそうですが、長距離走行の疲労を考えると、なかなか踏み切れないといいます。

若い頃は平気だった前傾姿勢も、今ではなかなか手ごわい相手。レーサーレプリカ乗りには、体力という名の高性能パーツも必要なのかもしれません。

燃費は厳しい。でも走りは格別

気になる燃費は、北海道の郊外でも約15km/L。街中では10km/Lほどになるそうです。

最近の低燃費バイクと比べれば、なかなかの大食漢。ガソリンスタンドに立ち寄る回数も増えそうです。それでも、2ストロークならではの鋭い加速感は格別。数字だけでは割り切れない魅力があります。燃費を取るか、走りの楽しさを取るか。いや、どちらも欲しいのが本音ですが、そう都合よくはいきません。

焼き付き発生! 修理代に冷や汗

この春、ガンマに大きなトラブルが発生しました。少し長距離を走った際にオイル切れを起こし、エンジンが焼き付いてしまったのです。

シリンダーの再メッキは専門店に依頼し、その後の組み付けは自分で行いました。ところが、再メッキだけで10万円。さらにピストンなどの部品代が加わります。

最初はネットオークションで1万2,000円の中華製ピストンキットを購入したそうです。しかし、手に取ってみると軽く、取り外した純正品と比べても肉厚が薄く感じられました。

「これを付けるのは嫌だな」

そう考えて使用を断念し、純正ピストンを買い直すことに。安く直すつもりが、安心を求めて追加出費です。古いバイクの修理は、なかなか一筋縄ではいきません。

部品探しも悩みの種。年式の違うパーツが使えるのか、調べても答えが見つからないことがあります。そんなときは、適合しない可能性を承知で部品を購入し、実際に取り付けて確かめることもあるそう。まさに愛車を使った実地試験。うまくいけば万歳ですが、外れれば財布にダメージです。

「古いバイクは、いろいろと維持費がかかります。ガスケット1枚でも5,600円するので、『マジか』となりますね」

小さな部品ひとつで、食事代が何回分も吹き飛びそうです。部品が手に入るとも限らず、お金だけでなく情報収集と試行錯誤も欠かせません。

好きだから乗る。それがいちばん

燃費は厳しく、部品探しは大変。修理代は容赦なく、長距離を走れば体力も試されます。それでも、ガンマには手放しがたい魅力があります。

約15年前に10万円で手に入れた愛車を、自分で手を入れながら維持してきたオーナー。専門店に任せるところは任せ、自分でできる作業には自分で取り組む。その姿からは、単にバイクを所有するだけではない楽しみが伝わってきます。

バイク選びは、燃費や維持費だけでは決まりません。ときには修理代に冷や汗をかき、それでも走り出したくなる一台がある。道の駅に響く甲高い排気音と、ふわりと漂うオイルの香り。2ストの時代を知るライダーには懐かしく、知らない世代には新鮮に映ることでしょう。

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