「パンクしていないのに、タイヤの空気圧が下がっていた」という経験はないでしょうか。
バイクのタイヤに入っている空気は、走行していなくても少しずつ抜けていきます。見た目では違いが分かりにくいため、知らないうちに空気圧が不足したまま走っている可能性もあります。
空気圧は、バイクの操作感やタイヤの寿命にも関わる重要な点検項目です。どのくらいの頻度で確認すればよいのか、正しい測り方とあわせて解説します。
結論:バイクのタイヤ空気圧は自然に減る
タイヤに穴や目立った傷がなくても、空気圧は時間の経過とともに低下します。
タイヤやチューブには空気を通しにくいゴムが使われていますが、内部の空気を完全に閉じ込め続けることはできません。空気がゴムなどを少しずつ透過して外へ抜けるためです。
ブリヂストンによると、バイク用タイヤは静止した状態でも、1か月に10~20kPa程度空気圧が低下する可能性があります。ブリヂストン「タイヤの空気は入れっぱなしのほったらかしではいけないのですか?」
そのほか、次の部分から空気が漏れることもあります。
- エアバルブやバルブコア
- タイヤとホイールが接する部分
- チューブの劣化
- ホイールの傷や腐食
- 釘などが刺さった小さな穴
つまり、「最近乗っていないから減らない」「見た目に異常がないから大丈夫」とは限りません。

空気圧は少なくとも月に1回確認する
タイヤゲージを使った確認は、少なくとも1か月に1回が目安です。
ヤマハも、タイヤの空気圧は徐々に低下し、見た目では不足が分かりにくい場合があるため、月に一度はタイヤゲージで点検するよう案内しています。ヤマハ発動機「日常点検」
月に一度の点検に加えて、次の場合にも確認しておくと安心です。
- 長距離ツーリングへ出発する前
- 高速道路を走る前
- 数週間以上乗っていなかったとき
- タンデムや多くの荷物を積むとき
- タイヤのつぶれや操作感に違和感があるとき
- 急に気温が下がったとき
普段の乗車前には、タイヤのつぶれや傷、異物の有無を目視します。ただし、手で押した感触や見た目だけでは正確な空気圧を判断できないため、定期的にタイヤゲージを使いましょう。

適正空気圧は車体ラベルか取扱説明書で確認する
バイクの適正空気圧は、車両メーカーが車種ごとに指定しています。
多くの車種では、スイングアームやチェーンケース付近、シート下などに指定空気圧を記載したラベルがあります。ラベルが見つからない場合は、取扱説明書の「タイヤ」や「サービスデータ」などの項目を確認してください。
前輪と後輪で指定値が異なる場合や、1人乗りとタンデム・荷物積載時で数値が変わる場合もあります。
タイヤの側面に記載されている空気圧らしい数値は、必ずしも普段の走行に適した指定値ではありません。自己判断で数値を決めず、車体ラベルまたは取扱説明書を基準にしましょう。
空気圧はタイヤが冷えているときに測る
空気圧を測るのに適しているのは、走行前などタイヤが冷えている状態です。
走行するとタイヤの温度が上がり、内部の空気が膨張します。そのため、走行直後は本来より高い数値が表示されることがあります。
温まった状態で指定値まで空気を抜くと、タイヤが冷えたときに空気圧不足になる可能性があります。走行後に測る場合は、十分に時間を置いてタイヤが冷えるのを待ちましょう。
バイクのタイヤ空気圧を測る方法
測定には、バイクの圧力範囲に対応したタイヤゲージを使用します。作業前に、前後それぞれの指定空気圧も確認しておきましょう。
測定手順は次のとおりです。
- 平坦で安全な場所にバイクを止める
- タイヤが冷えていることを確認する
- エアバルブのキャップを外す
- タイヤゲージをバルブへまっすぐ押し当てる
- 表示された数値を指定空気圧と比較する
- 不足していれば空気を補充する
- もう一度測定して指定値に合わせる
- エアバルブのキャップを取り付ける
ゲージを斜めに当てると空気が漏れ、正確に測れないことがあります。「シュー」という音が続く場合は、一度外してまっすぐ当て直してください。
空気を入れすぎた場合は、少しずつ抜きながら再測定します。前輪と後輪の両方を忘れずに確認しましょう。
なお、表示単位には「kPa」「bar」「psi」などがあります。車体ラベルとタイヤゲージの単位が違う場合は、数値をそのまま合わせないよう注意が必要です。
短期間で大きく減る場合は異常を疑う
自然に空気が抜けるとはいえ、数日から数週間で大きく低下する場合は、パンクや部品の劣化が考えられます。
特に次の状態がある場合は、空気を補充するだけで走り続けず、バイクショップなどで点検を受けましょう。
- 前回の調整から短期間で再び低下する
- 片方のタイヤだけ大きく減る
- 釘やネジなどが刺さっている
- エアバルブに亀裂や傾きがある
- タイヤにひび割れや膨らみがある
- 走行中にハンドルの重さやふらつきを感じる
異物が刺さっている場合、その場で抜くと空気が急に漏れる可能性があります。無理に抜かず、安全な場所へ停車してロードサービスや販売店へ相談してください。
まとめ
バイクのタイヤ空気圧は、パンクしていなくても自然に減ります。見た目や手の感触だけでは判断しにくいため、少なくとも月に1回はタイヤゲージで確認しましょう。
測定する際は、タイヤが冷えた状態で、車体ラベルや取扱説明書に記載された指定空気圧へ調整します。
短期間で大きく低下する場合は、パンクやエアバルブなどの異常も考えられます。空気を補充して済ませず、早めに点検を受けることが大切です。






