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セロー225Wの「吹けない・回転落ちない」を解決。年式違いキャブをキースター燃調キットで再生してみた!

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

2007年に国内ラインナップからキャブレターモデルが姿を消して約20年(一部車種は2016年まで継続)。そのキャブレターに代わって現在の主流になったFIは、環境の変化に強く始動性もすぐれる「優等生」です。
しかし、バイクは趣味性の高い乗り物。整いすぎた優等生よりも、手のかかるキャブ車を好む人は今も多く、適切に整備すればFIに劣らず長く乗り続けられます

そこで今回試したのが、キャブのリペアとセッティングをまとめて行える「キースター燃調キット」です。対応車種は、なんと500車種以上にのぼるため、今も多くのキャブ車オーナーの強い味方となっています。

目次

セロー225W(4JG2)の不調症状と原因調査

【今回のテスト車両】
95年式 ヤマハ・セロー225W(4JG2)※キャブだけ93年式(4JG1)?

中古で購入。当初から吹け上がりや回転落ちが怪しかったセロー225Wなんですが、調べると車体とキャブの年式が違っていました…。年式違いが不調の原因なのか不明ですが、症状は以下のとおり。

【症状】
・始動性が悪い
・全開域で不快な振動が発生
・全開→全閉でマフラーから「バラバラ」とアフターファイアが発生(購入時より悪化?)
・回転落ちが遅い

年式違いキャブ(4JG1/4JG2)の番手差と問題点

車体とキャブについて調べたところ、同じような組み合わせになっているセローオーナーの情報をいくつか見つけました。
どうやら、フレーム番号が95年式(4JG2)でも、初期ロットに近い個体には93年式(4JG1)のキャブが組み合わされているとのこと。新車時からその組み合わせだったのか、当時にそういうカスタムが流行したのか、真相は不明。

結果的に、95年式エンジン+93年式キャブのニコイチ仕様になっている…?

4JG1と2は、キャブセッティングが全然違うから厄介なんです(下図参照)。

93年式(4JG1) メインジェット:122.5/スロージェット:42.5
95年式(4JG2) メインジェット:116.3/スロージェット:35

ちなみに、ヤマハパーツリストでフレーム番号を入力して注文すると95年式のジェットが届きます(あたり前ですが)。これだとセッティングが合いません

旧車専門店moto-JOYに相談:どちらの年式に合わせるべきか

ノーマル車両であれば、純正の番手に合わせば90点以上のキャブセッティングが出ます。
しかし、このセローはニコイチ仕様。93年と95年、どっちのセッティングに合わせるのが正解なのか…? キャブレターのプロフェッショナルに聞いてみました

旧車専門店「moto-JOY」に聞いてみた

moto-JOY
三重県鈴鹿市西条8-11/059-375-1132
https://www.instagram.com/motojoyover/
空冷ZやFX、GPZ、CB750fourCB-F、CBX(1000)を中心に、販売から、整備・点検・車検までを一貫してサポートしてくれる旧車専門店。
オーヴァーレーシング/moto-JOYが主催する絶版車によるサーキット走行イベント『ASTRIDE』も好評開催中だ。

70~80年代の車両を専門に扱う旧車・キャブレターのプロ集団

教えてくれたのは、moto-JOYでチーフメカニックを務める清輔 星司さん。今回のようなニコイチ仕様の場合、どちらにセッティングを合わせるのが正解なのか? 聞いてみました。

moto-JOY 清輔さん

状況からして93年式に合わせるところからスタートするべきでしょうか。ただ…

サブロー(筆者)

ただ…?

moto-JOY 清輔さん

まずはキャブ以外のパーツが正常なのかチェックした方がいいですね。
不調の原因が別にあった場合、キャブセッティングが難航する
からです。

キャブ以外の不調を発見:排気漏れとブローバイの問題

清輔さんからアドバイスをもらい、セローの各部をチェック。すると…

マフラーのフランジボルトが脱落していました
ブローバイ還元装置のチューブ抜けが発覚

フランジボルトが脱落して排気漏れを起こしていました。これによってマフラー内で圧力の乱れや未燃焼ガスの着火が起こり、「バラバラ」とアフターファイアの症状が出ていたようです。
ブローバイ還元装置のチューブ抜けは影響が少なそうですが、もちろん直します。

ずいぶんマシになりましたが、これらを直しても完調になりません。そこで今回もキースター燃調キットに頼ることにしました

500車種以上に対応する「キースター燃調キット」とは

この製品は、兵庫県に本拠を構える岸田精密工業が手がけるキャブレターのリペア&セッティングキットです。特長は以下のとおり。

キャブレターを構成する主要なインナーパーツがすべてそろっていて、これらを交換することでキャブレターの修復ができるスグレモノです。しかもお値段税込み4,400円!(一部車種除く)

ジェットやニードルはもちろんガスケットまでメーカー純正品を100%に近い形で再現。ほとんどの製品を自社工場で製造するメイドインジャパンの信頼性もあります。

また、燃料の濃さを決める3つのパーツ、メインジェット、パイロットジェット、ジェットニードルは複数のサイズが用意されているので、乗り手の好みに合わせてセッティングできるんです。

対応車種は今も増え続き、メジャーからマイナーなバイクまでその数はなんと500車種以上!

※対応する燃調キットが見つからない場合は、問い合わせフォームや電話で相談すると、可能な限り対応してくれるとのこと!

キャブレターをオーバーホール

空冷単気筒エンジンはキャブの取り外しがラクちん
古いジェットやガスケットを外して新品に交換します
メインジェット。左2つが122.5(93年)で右が116.3(95年式)
ニードルジェット(針の通り道)は摩耗しやすい重要パーツ。これも交換
ニードルクリップの下に取り付けるスペーサー。場所を間違えないように

ちなみにモトメガネの記事をよく読んでくれている方ならご存じかもしれませんが、このセローは過去にキースター燃調キットでオーバーホールしています。
そのときは95年式(4JG2)のキットを使ったのですが、メインジェットとスロージェットの番手が違っていたため、これらはノータッチでした。

今回は93年式(4JG1)のキットを使ったため、番手は同じ。本当の意味でオーバーホール完了です。

まとめ:古いキャブ車は適切な番手とオーバーホールで復活する

キースター燃調キットのいいところは、オーバーホールだけでなくセッティングパーツも同梱しているところ。なので今回も複数のセッティングを試しましたが、やはり93年式(4JG1)の純正番手がベストでした。

パーツを新しくしたことで始動性や吹け上がり、回転落ちも改善。30年前のバイクとは思えないほど好調になりました。

今回のセローのように、フレーム年式とキャブ年式でジェット番手が異なるケースは稀です。しかし適切な番手のジェットを組めば古いバイクでも調子を取り戻せます

そして、500車種以上に対応するキースター燃調キットなら、年式ごとに細かくラインナップされているので、ほとんどのモデルでオーバーホール&セッティングが可能です。古いキャブ車を長く安心して乗りたい人は、キースター燃調キットをぜひ使ってみてください。

(編集協力:岸田精密工業株式会社)

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