2026年7月3日(金)から7月5日(日)に開催される「“コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第47回大会」は、世界中のバイクファンが注目するモータースポーツの祭典である。この歴史あるレースの舞台裏で、速さと環境負荷低減を両立させる革新的な技術が投入されることに注目が集まっている。
株式会社サンスターは、鈴鹿8耐のエクスペリメンタルクラスに3年連続で参戦する「チームスズキCNチャレンジ」に対し、製造時のCO2排出量を約50%削減した環境対応のブレーキディスクとブレーキパッドを供給する。この先進的なブレーキシステムは、極限のレース環境下で求められる最高の制動性能とコントロール性を維持しつつ、環境への優しさも追求した新製品である。自動車・バイク愛好者やモータースポーツファンは、この技術が未来のモビリティにどのように貢献するか、今年の鈴鹿8耐でその性能を注視することになるだろう。
「速さ」と「環境」を両立するサンスターの先進ブレーキ技術
鈴鹿8時間耐久ロードレースは、ライダーとマシンの総合力が試される過酷なレースである。この激しい戦いの場で、サンスターグループの先進ブレーキ技術が「速さ」と「環境」の両立という大きな課題に挑んでいる。同社が提供する環境負荷低減型ブレーキディスクとパッドは、単にレースで勝利を目指すだけでなく、持続可能な社会への貢献を視野に入れた技術開発の一環として位置づけられている。
特に、製造過程でのCO2排出量を大幅に削減しながらも、従来の高性能ブレーキと同等以上の制動性能とコントロール性を実現している点が特筆される。これは、モータースポーツの現場から、将来の一般車両向け製品開発へとつながる重要なステップとなる。
チームスズキCNチャレンジの取り組みとサンスターの役割
「チームスズキCNチャレンジ」は、スズキ株式会社が掲げるカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)など環境負荷低減への挑戦をテーマとしたプロジェクトである。鈴鹿8耐での完走を目指し、バイオ由来のサステナブル燃料、環境性能技術で開発されたタイヤ、オイル、カウルなど、多岐にわたる部品に環境性能を取り入れた二輪車でレースに挑んでいる。
サンスターはこの挑戦において、パートナー企業の一員として深く関わっている。同社は、単なる部品提供に留まらず、将来の量産製品開発を見据えた技術開発の一環として、環境性能と制動性能を両立させた特別なブレーキシステムを提供している。この取り組みは、レースという極限の状況で新技術を実証し、その知見を一般のバイクへとフィードバックしていくことを目的としている。
サンスターの環境対応レース専用ブレーキの技術詳細
今回、鈴鹿8耐に投入されるサンスターのブレーキディスクとブレーキパッドは、環境と性能を高次元で融合させた逸品である。昨年のモデルからさらなる改良が加えられ、制動性能とコントロール性は従来品を上回るレベルに達しているとメーカーは説明している。

環境対応レース専用ブレーキディスクとブレーキパッド
環境対応レース専用ブレーキディスクの特長
ブレーキディスクにおいて特に注目されるのは、製造過程でのCO2排出量を約50%も削減した点である。これを可能にしたのは、ブレーキディスクの熱処理工程の廃止という革新的な技術である。通常、金属を強化するために行われる熱処理は大量のエネルギーを消費するが、これを不要とすることで、環境負荷を大幅に低減している。
性能面でも妥協はない。摺動部(部品同士が擦れ合う部分)に採用されたディンプル小孔(くぼみ形状)は、パッドのクリーニング効果を高め、クラック(ひび割れ)に対する耐久性も両立させている。これは、ゴルフボールのディンプルが空気抵抗を減らすように、ブレーキディスクのディンプルも独自の役割を果たす設計である。
環境対応レース専用ブレーキパッドの特長
ディスクの熱処理工程廃止という大きな変更に伴い、専用に開発されたブレーキパッドも進化を遂げている。このパッドは、レースという極限の状況で求められる「止まる」性能と、繊細なコントロール性を一切犠牲にせず、むしろそれを上回るレベルにまで引き上げられたとメーカーは説明している。
また、約15%の摩耗量削減(低ダスト化)も実現している。これは環境面だけでなく、レース中のピットワークの効率化や、タイヤカスなどとの混合による路面への影響低減にも寄与する。これらの技術は、攻めの走りと環境への配慮を両立させるものと言える。
二輪業界におけるサンスターの信頼と実績
「チームスズキCNチャレンジ」がサンスターのブレーキを選び続けている背景には、同社が長年にわたって築き上げてきた二輪業界における揺るぎない信頼と実績がある。サンスターは1961年にオートバイ向けディスク部品事業に参入して以来、各二輪メーカーへOEM部品(相手先ブランドによる生産部品)としてブレーキディスクやスプロケット(歯車部品)を納入し、トップクラスのシェアを誇っている。
世界最高峰の様々な二輪レースのトップチームにも採用され、勝利に貢献してきた歴史は、その技術力の高さを物語る。市販向けカスタム部品も1993年から展開しており、特にレース用ブレーキディスク「Type-OMEGA(タイプオメガ)」の設計思想を取り入れた「ワークスエキスパンド」シリーズは、多くの二輪レースマニアから絶大な人気を集めている。これらの実績の積み重ねが、今回の「環境対応型ブレーキ」という新たな挑戦を可能にしているのである。
レースから未来のモビリティへ:技術革新の展望
今回の鈴鹿8耐での挑戦は、単なるレース活動に留まらない。サンスターは、このレース向け部材の提供を将来的な量産製品開発への応用を見据えた技術開発の一環と位置づけている。つまり、今回鈴鹿のサーキットで培われた環境負荷低減技術や高性能ブレーキのノウハウが、やがては私たちが普段乗るバイクや、未来のモビリティに搭載される可能性がある。
高性能かつ環境に優しいブレーキが、私たちの手に届く日もそう遠くないかもしれない。もしこの技術が一般車両向け製品として普及すれば、ランニングコスト(摩耗量の削減による交換頻度の低減)と環境負荷低減の両面で、まさに「未来のコスパ」を実現するとメーカーは考えている。これは、日々のツーリングやカスタムを楽しむライダーにとっても大きなメリットとなるだろう。
サンスターグループ全体のサステナビリティへの貢献
このような先進的な挑戦は、サンスターグループ全体のサステナビリティへの強いコミットメントに裏打ちされている。サンスターは、オーラルケア製品から自動車部品まで、幅広い事業を展開するグローバル企業である。グループ全体でカーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)やサーキュラーエコノミー(資源循環型経済)の実現への貢献を目指し、製品開発から事業活動全般において環境負荷低減に取り組んでいる。
1932年に自転車部品やパンク修理用ゴム糊の製造販売業として創業し、その後、練ハミガキ剤でオーラルケア分野を拓き、さらには二輪車・自動車用金属部品や接着剤などの生産財事業へと発展させてきた。そのDNAには、常に新しい価値を創造し、社会に貢献していくという精神が息づいている。この取り組みは、単一の製品に留まらず、広範な分野での環境改善を目指すものである。
まとめ:持続可能なモビリティ社会への期待
2026年の鈴鹿8耐は、単なるレースの興奮だけでなく、未来のバイク技術と環境貢献の可能性を示す舞台となる。サンスターの「環境負荷低減型ブレーキ」は、レースの勝利に貢献しつつ、私たちの持続可能なモビリティ社会への期待を膨らませる。
本製品は、2026年7月3日から7月5日に開催される鈴鹿8耐でその性能が実証される。この技術は、高性能な走りを求めるライダーだけでなく、環境意識の高いユーザー層にも推奨される。極限の現場で培われた技術が、やがて私たちの日常を豊かにし、地球環境を守る力となる。そんな未来を想像しながら、今年の鈴鹿8耐をいつも以上に注目したい。
リリース提供元:サンスターグループ








