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鳥取の絶景カフェ&ギャラリー「クガミテラス」が世界三大デザイン賞ダブル受賞 iF&レッドドット快挙

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

鳥取県岩美町、山陰海岸ジオパークの壮大な自然の中に誕生した「クガミテラス Sunset cafe and Small gallery」が、この度、iFデザイン賞2026とレッドドットデザイン賞という世界三大デザイン賞のダブル受賞という快挙を達成した。株式会社リプラスが設計し、ちゃれきんぐ株式会社が手がけるこの複合施設は、美しい海辺の風景に溶け込みながらも、地域活性化に貢献する新しい建築モデルとして注目を集めている。

目次

世界を魅了した「クガミテラス」の概要と立地

「クガミテラス Sunset cafe and Small gallery」は、鳥取県岩美町の山陰海岸ジオパークという、風や塩害が厳しい海辺の国定公園内に位置する。同施設は、ちゃれきんぐ株式会社が推進する「常設海の家」という斬新なプロジェクトから生まれた。単なるカフェやギャラリーに留まらず、地域住民と観光客が自然体で交流し、日常と非日常が重なる「開かれた交流拠点」となることを目指して設計されている。海辺の風景に溶け込むシンプルなデザインの中に、力強い存在感を放つ建築である。

夕焼け空の下、海辺の建物の外観
夕焼けに染まる海を望むクガミテラスの外観

クリーンテラスの黒い外壁と傾斜した屋根の建物
黒い外壁と傾斜屋根が特徴的なクガミテラス

美しさと実用性を両立するデザイン哲学

クガミテラスのデザインは、単なる視覚的な美しさだけでなく、過酷な自然環境への適応と地域への貢献という深い哲学に基づいている。その設計思想は、建築が時間の経過とともに風景に馴染んでいく「未完の完成」という概念に集約される。

地域に根ざした素材と構造の知恵

この建築は、地域産の焼杉(やきすぎ:表面を焼くことで耐水性や耐久性を高めた伝統的な木材)とRC壁(鉄筋コンクリート壁)、そして垂木(たるき:屋根板を支えるために斜めに渡される部材)構造を組み合わせている。この組み合わせにより、海辺特有の風や塩害に耐えうる堅牢な構造と、温かみのある意匠性を両立させている。メーカーは「地域の技術を継承し、未来へと繋げていくメッセージが込められている」と説明している。

木材を基調とした内装の部屋。大きな窓から海が見え、カウンターとスツールが配置
木材を基調としたカフェの内装

木材をふんだんに使用したカフェ内装
海を望むカフェカウンター

窓から海が見えるカフェのインテリア
開放的な窓から海が見えるインテリア

「未完の完成」に込められた美意識

クガミテラスの設計思想において、特に重要なのが「建築が完成するのは、時間のあと」という言葉である。これは、建物の素材が時間の経過とともに風化し、海辺の風景にゆっくりと馴染んでいくことで、初めてその建築が「未完の完成」を迎えるという考え方を示す。一時的な美しさだけでなく、時の流れと共に深まる味わいや、自然との調和を大切にする、禅にも通じる美意識が込められている。

木材とコンクリートで作られた通路
木材とコンクリートが調和する通路

夜のモダンな建物。コンクリートの壁と木製の屋根が特徴
夜間にライトアップされたクガミテラス

地域活性化への貢献:観光から「地域参加型」へ

クガミテラスは、観光が特定の季節や人に偏ることなく、地域に暮らす人々と訪れる人々が自然に交差する場となるよう、通年型の複合施設として設計された。ホールやテラス、ギャラリーといった多様な空間が用意され、アーティストの滞在製作や参加型ギャラリー、自然体験ツアーなどを通して、地域の自然・文化・観光・芸術に光を当てる活動の拠点となることを目指している。メーカーは「『陸上(くがみ)を照らす』という、かつて賑わいを見せたこの地に、もう一度、人や文化の光が灯るようにという願いが込められている」と説明している。

木製の柱が並ぶギャラリー。壁にはデニムの服が飾られ、展示台には陶器や靴
木製の柱が印象的なギャラリー空間

白い壁と木製の柱のある展示室。中央にはデニムのジャケットとズボンが展示
デニム製品などが展示されたギャラリー

世界的評価の背景:株式会社リプラスと荒木智宏氏

この「クガミテラス」を手掛けたのは、鳥取県岩美町に本社を置く株式会社リプラスである。同社は、これで3年連続となる国際アワード受賞という実績を誇る。代表取締役の荒木智宏氏は、地元高校を中退しブラジルへサッカー留学、その後建築業の面白さに目覚め独学で建築を学び建築士免許を取得したという異色の経歴を持つ。同氏の設計ポリシーは「パブリックを意識した、色気のある空間創り」であり、「デザインで世界と勝負する」という企業理念を掲げている。

REPLUSロゴ
株式会社リプラスのロゴ

iFデザイン賞とレッドドットデザイン賞:世界三大デザイン賞の権威

今回の受賞は「iFデザイン賞2026」という、デザインの世界で最も権威ある賞の一つである。iFデザイン賞(アイエフデザインしょう)は、ドイツ・ハノーファーを拠点とする国際的な組織「インダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファー(iF)」が1953年から主催している。アメリカのIDEA賞、同じくドイツのレッドドット・デザイン賞(Red Dot Design Award)と並び、「世界三大デザイン賞」と称され、毎年全世界の優れたデザインが選定される。プロダクト、パッケージ、コミュニケーション、サービスデザイン、建築、インテリア/建築、プロフェッショナルコンセプトの7つのカテゴリから、各分野の年間優秀デザインが表彰される。この歴史と実績ある賞で評価されたことは、「クガミテラス」のデザインが単なるトレンドを超え、普遍的な価値を持つことを証明している。

iFデザインアワード2026の受賞を知らせる画像
iFデザインアワード2026受賞を伝える画像

まとめ:鳥取から世界へ、建築が語りかける未来

「クガミテラス Sunset cafe and Small gallery」は、単なる美しい建物ではない。それは、地域に根ざし、自然と共生し、人々の交流を育むための「器」であり、「建築が完成するのは、時間のあと」という哲学が息づく、生命力に満ちた場所である。鳥取県岩美町の海辺に生まれたこの建築が、世界的なデザイン賞をダブル受賞したことは、地方からでも世界に通用する素晴らしいものが生まれるという、大きな希望を与えている。この「未完の完成」を体験し、鳥取の豊かな自然と世界に認められた建築美を肌で感じることは、訪れる人々に忘れられない感動と発見をもたらすだろう。

リリース提供元:株式会社リプラス

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