“ふつうの”ラジオペンチはあまり普段の整備に使わない?
バイクのメンテナンスにはプライヤーやニッパーといった、いわゆる“つかみ系”工具が欠かせない。しかし、意外と登場機会が少ないのが「ラジオペンチ」だ。
正確に言えば「ロングノーズ」や「先曲がり」など、ラジオペンチの派生型はそれぞれよく使うのだが、ベーシックなラジオペンチは思いのほか実際の整備で使うことは少ない。
現代的かつ洗練されたデザインが魅力のブランド「J-CRAFT99」

国産工具メーカーロブテックスは、明治21年創業。日本の高度経済成長やモータリゼーションを支えてきた。そんな同社の新たなブランドラインとして登場したのが「J-CRAFT99」である。
その製品群はメインブランドであるエビ印の工具と同じく信頼の品質を軸足に、漆黒のカラーリングと機能性や使い勝手が追求されているのが特徴だ。
整備の現場で八面六臂の活躍をする「万能ラジオペンチJB150RM」

J-CRAFT99の「万能ラジオペンチ」は、その名の通り“万能さ”が光るラジオペンチとなっている。

全長は162mmとなり一般的なラジオペンチに比べて若干小型にも思える。グリップは油分が付着しても滑りにくいマット調。
| 全長 | 刃長 | 先端形状 | 重量 |
|---|---|---|---|
| 162mm | 10mm | 2.0×3.0mm | 125g |
連なる山のような凹凸がキモ

JB150RMの個性はその顎にある。先端に向かい細くシェイプされた形状は従来のラジオペンチ同様だが、顎の中程から根本部分にかけて山脈のような凹凸が設けられており、これが多機能さのキモとなっている。

格安ラジオペンチは顎の先端がズレていることも多いが、JB150RMはピタッと揃っている。ちなみに、ラジオペンチは顎の根本部に切断用の刃が設けられており、この刃が先に閉じるので、先端はごくごく僅かに隙間が開くのが正常だ。

支点のスプリングによって、グリップを握る力を緩めれば自動で顎が開く。配線をカットしたり、ナットを掴んで回したりといった連続作業もスピーディだ。
“ひし型”形状でねじ回しもできる!
つかむ・割り込み切り・むく・切る・曲げる・簡易圧着
7つ(以上)の作業がこれひとつでOK

JB150RMは、普通のラジオペンチ同様「つかむ」「切る」以外にもねじ回しや配線の割り込み切り、配線端子の簡易圧着などの作業を行うことができる。
ねじ回し

世の中には「万能ラジオペンチ」と称する製品が複数存在するが、ロブテックスのJB150RMはひと味違う。多くのメーカーが中間のくわえ部に“ラウンド形状”を採用しているのに対し、本製品は“ひし形”を採用しており、ネジやボルトを確実につかみ、回すことが可能となっている。この“ひし型”形状の窪みに六角がフィットする。

実際に手元にあるナットで試してみると2面幅8mm~19mmのものは確実につかむことができた。手元に8mm以下のナットが無かったが、もっと小さいサイズもグリップできそうだ。

M6のボルトくらいなら、本締めトルクまで締められそうなほど、頼もしいグリップ感がある。あまりに高トルクはかけられないかもしれないし、スリップするとボルトの頭を痛めることが考えられるが、例えば供回りするボルトを押さえておく目的などでは充分な実用性が確保される。


また、よく使う部分ではスパークプラグのターミナルナットの締め付けや取り外しなども確実に行うことができた。締め付けトルクの調整もしやすく、繊細な作業性が好ましい。
つかむ

バイクメンテナンスでは、燃料ホースやブリーザーホースなどの抜け留め用ホースクリップをつまむ時にラジオペンチをよく使用する。

JB150RMの顎先端のギザギザはエッジが立っていて、ホースバンドを逃がすこと無くしっかりキャッチし、非常に作業性が良かった。
曲げる

ギザギザは横ストレートとなり、クロス形状ではないのだが、薄板を曲げるような場面でも、スリップせずに確実に曲げることができた。
切る

バイクメンテでよく利用するステンワイヤーや、タイラップ、配線などのカットも難なくこなす。
タイラップ


ステンワイヤー


刃が新品ということもあって、軽い力で音もなくサクッと切ることができた。スプリングにより顎が自動で開くので作業性も非常に良かった。
メーカー公称の切断能力は以下の通り。
| 鉄線 | 銅線 | より線 |
|---|---|---|
| φ1.5mm | φ2.6mm | 3.5㎟ |
むく

配線に圧着端子をかしめる前の被覆を剥く作業にも使うことができる。

バイクによく使われるような0.5sq程度の太さの配線の被覆を剥く作業はスムーズで、芯線にダメージを与えること無く、被覆だけを取り除くことができた上にカット面もきれい。電工ペンチや専用のワイヤストリッパーの方が作業性が良いのは間違いないが、JB150RMも充分に実用性レベル。
簡易圧着

ギボシやスプライスなどの配線用端子の圧着もできる。

車やバイクに使用するギボシ端子に使用してみたところ、電工ペンチのようにきれいに圧着することはできなかったものの、引っ張っても抜けないくらいにしっかり固定できた。緊急時には充分に機能するはずだ。
割り込み

平行線を分割させる「割り込み作業」を行うこともできる。バイクの整備にはあまり使う機会が無いかもしれないが、電化製品の修理や家庭の電工作業には活躍するはずだ。
万能さがいざという時に頼りになる!車載工具にJB150RMを

ひとつで何役もこなせるラジオペンチJB150RMだが、普段のバイクメンテで使うのはもちろん、特におすすめしたいのが「車載工具」としての利用だ。工具を厳選してできるだけ軽量、シンプルに抑えたい車載工具。その中でJB150RMの万能性は大きな魅力だ。軽度のトラブルであればつかみ系工具はJB150RMだけでも事足りるはず。
ミラーなどナットが緩んだ時に……

走行中に振動でミラーのナットが緩んでしまうことはよくあることだが、ミラーのナットはオープンエンドのスパナでしか締めることができない。そのためにスパナを携行していればよいが、車載工具に含まれていないことも多い。そんな時にJB150RMが役立つ。
ミラーのナットによく使われる12mm、14mm、17mmのナットにいずれもグリップできるので、緊急的にナットを締めることができる。ただし、ナットに傷が入ったり、スリップして嘗めたりしないよう注意が必要。
その他、ミラー以外のボルトやナットが緩んだ際も応急的に締めることができる。

ナンバープレートのボルトは気づくと紛失していることがある。もう片方のボルトも時間の問題で緩んで外れるので、紛失を見つけたらタイラップなどで応急処置しておきたい。そんな作業時に役立つ。

マフラーのマウントボルトも緩みやすい部分だ。熱が加わるのでタイラップではなくステンワイヤーで縛っておくと良い。

グリップの接着が剥がれて動いてしまう状態は非常に危ない。ステンワイヤーとJB150RMがあればグリップのワイヤリングも可能だ。

出先で緊急的にチューブタイヤのパンクを修理するには限られた工具でタイヤを外す必要があるが、アクスルナットを締めたら緩み止めの割りピンを忘れずに。JB150RMがあれば割りピンの脱着作業もスムーズだ。
電装品の応急メンテ時も

USB電源やグリップヒーターなどの後付け電装パーツでは、配線にギボシ端子をはじめとする圧着端子が使われることが多い。こうした電装パーツが突然作動しなくなり原因を追っていくと、圧着端子の抜けや接触不良に行き着くケースは決して少なくない。JB150RMがあれば出先で修理可能となる場面もありそうだ。

また、ツーリング先の予期せぬ路上整備では、小さな部品を落として紛失し、さらに泥沼にはまってしまうこともある。そんな時にJB150RMの“しっかりつかめる”グリップ力が心強い味方となるだろう。

特にバイクは収納スペースが少ないため、ツーリングに携行する工具はなるべく厳選しておきたいものだ。その中で“つかみ系”工具をJ-CRAFT99「万能ラジオペンチ」JB150RMに一任してしまえば工具ケースはもっとスリムに、もっと安心してツーリングを楽しむことができるだろう。
(編集協力:株式会社ロブテックス)







