MENU
カテゴリー

今度こそ壊さない!故障させてしまったモンキーに最強の”お守り”ケミカルを使ってみた【後編】

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

タイトルにいきなり【後編】と書かれていて「何のこと?」と思った読者の方へ。
この記事は2025年8月に公開された「スーパーゾイル」のインプレッション記事の続編。オイル上がりでエンジンを壊してしまったモンキー(Z50J)を修理し、スーパーゾイルを使用した。その後4か月にわたってモンキーを徹底的に走らせた結果をお伝えする…というのが本記事の趣旨である。

目次

【前編】のあらすじ

49→72㏄にボアアップしたモンキー。しかしそのシリンダーとピストンは87年式の中古品だった。さらに無知なことにピストンリング「だけ」を新品に交換。摩耗or歪みが生じた昭和シリンダーにド真円の令和最新版ピストンリングを組んだからさあ大変。ガバガバにスキマが空いてそこからオイルが上がり、結果、オイルが減ってピストン焼き付き…という失態を犯す。
シリンダーとピストンを新品にすれば直りそうだが「また壊すかも…」という不安は拭えない。そんなときに70~80年代の旧車を新車のようなコンディションで維持しているスーパーゾイルオーナーの話を聞く。これを使えばエンジンを保護できるのでは? と思い、修理したモンキーにスーパーゾイルを投入した。

使用したエンジンオイルはコレ!

もはやエンジンオイル添加剤の代名詞ともいえる「スーパーゾイル」。その効果は後述するが、今回使用したオイルは4ストエンジン用のスーパーゾイル成分があらかじめ配合された半合成油「セミシンセティックゾイル」だ。
このほかにも100%化学合成オイルの「シンセティックゾイル」も2種類ラインナップしており4スト用は計3種(※)。エンジンのタイプや用途ごとに使い分けられるようになっている。
※2スト用シンセティックゾイルもラインナップ

セミシンセティックゾイル 10W-40
半合成油
旧車及びアメリカ車等のフリクションが大きい車両
シンセティックゾイル 10W-40
100%化学合成オイル
高性能車、ターボ車、省エネ車、
ハイブリッドカー
シンセティックゾイル 0W-30
100%化学合成オイル
低粘度オイル指定車、省エネ車、
ハイブリッドカー

今回使用したブルーラベルのセミシンセティックゾイルは油膜が安定しており、金属表面を再生しつつも浸透性が強すぎないという、半合成油の特性を最大限に活かした製品。このオイルを修理(オーバーホール)したモンキーのエンジンに使用しビフォー/アフターをインプレッションしていく。

ただ、今回は特異なケースのため、スーパーゾイルの効果だけでなく「エンジンをオーバーホールしたことによる効果」も多分に含まれていることを了承していただきたい。

4か月で約2,000㎞を走行した結果は…?

「距離が少ねぇよ!」とツッコミが聞こえてきそうだが、超がつく小型バイクのモンキーなので大目に見ていただけると…。北は石川県、南は鹿児島県まで走り込んでみた。
ちなみにボアアップしてからピストンが焼き付きくまでの距離は7か月/約3,000㎞。同じ距離を走るには至らなかったが焼き付きを起こす前と比べると、現在のエンジンは明らかに「守られている」と感じるようになった。

エンジン音が静かになった

まず感じた違いはヘッドまわりから聞こえる音が小さくなったこと。旧カブ系エンジンに乗ったことがある人ならわかると思うが、ヘッドから鳴るタペット音を完全に消すことは難しい。ところがセミシンセティックゾイル投入後はカチカチカチ…と騒がしかったエンジンがすっかり静かになったのだ。

もちろん、タペット調整のやり方はセミシンセティックゾイル投入前/後で変えていない。

また、排気音も静かになった。信号待ちで周囲のクルマの音にかき消されてモンキーのエンジンが止まっているのかと錯覚すること数回。加速時の音も静かで、カブ系エンジン特有の「デゥーーーン」という音がかなりマイルドになり「ボアアップしているのに静かなエンジンだね」と他のライダーに褒められてしまうこともあった。

燃費がよくなった

今回のインプレッションで数値化できた唯一のデータがコレだ。結果から言うと…。

【before】43.65km/L     【after】45.90km/L

2.25㎞/Lほど燃費が伸び、5.1%アップという結果になった。高速でこすれ合うエンジンパーツ同士がなめらかに動くようになり、衝突も穏やかになったのだろう。これは油膜が安定してエンジンを保護してくれた結果だといえる。

登坂力が上がった

低中回転域のパワーが上乗せされた印象。停止状態からのダッシュや40㎞/hくらいからアクセルだけで加速したときなどに力強さを感じるようになった。

もっとも違いを感じたのはキツめの上り坂。近所にある長い坂で、これまでは4速全開だとスピードメーターが55㎞/hから動かなくなっていたが、セミシンセティックゾイル投入後はそこから55→56→57㎞/hと時間はかかるがスピードが乗るようになった。

ニュートラルが出やすくなった

モンキーを知人に貸したとき「このバイク、ニュートラルが出ねぇな!」と不名誉な声をいただいてしまった。もちろんセミシンセティックゾイルを入れる前の話。自分でも出にくいな…と思っていたが古いバイクだしこんなもんだろうと割り切っていた。しかし現在はパチパチと簡単にニュートラルランプが点く。これなら誰を乗せても「ニュートラルが出ねぇな!」と言われることはないだろう。

排ガスがクリーンになった

コレを記事でお伝えすることは難しいのだが、ピストンが焼き付く前は目に染みるタイプの悪臭がマフラーから発せられており、出口に手をかざして吹かすと何やら黒っぽい異物が付着していた。思えばこの異物がエンジンオイルで、オイル上がりの典型的な症状だったのだ。この症状が改善された理由はセミシンセティックゾイルの効果というより、シリンダーが新品になったことの方が大きいかな?

ただ、半合成油であるセミシンセティックゾイルの特長として、100%合成油よりも油膜が安定している点がある。つまりピストンとシリンダーの密閉性も高めてくれるため、オイル上がりの再発は心配しなくてよさそうだ

スーパーゾイルシリーズの「金属表面再生技術」とは?

今回使用したエンジンオイル「セミシンセティックゾイル」は、オイル添加剤であるスーパーゾイルが始めから配合された製品。
スーパーゾイルは、本来エンジンオイルに混ぜて使用する添加剤だ。その効果をシンプルに解説すると「金属表面をミクロン単位で再生して強靭にする」ことにある。

注目すべきは、よくある金属をコーティングする添加剤ではないこと。
熱と摩擦で化学反応を起こし、金属表面をなめらかな状態に「再生」することにある
オイルを交換しても再生効果が残るため、持続性に優れる点も特長だ。

これがスーパーゾイルが誇る「金属表面再生技術」だ。この効果は、車両の状態や年式、乗り方によって異なるため、すぐに体感できる人もいれば、長く使い続けて体感する人もいる。今回のモンキーは後者で、500㎞走行あたりで違いを感じ始め、現在の2,000㎞で明確に効果を実感できるようになった

金属表面再生技術をもつスーパーゾイル製品

金属表面再生技術を持つ製品は、セミシンセティックゾイル以外にもラインナップされている。これを使えばこすれ合う金属パーツの保護・再生を体感できるハズだ

SUPER ZOIL グリース

ペーストタイプのグリースで「金属表面再生剤配合・消音グリース」という名称でもある。金属を平滑にして1,000㎏を超える極圧に耐える合金を形成するとのこと。さらに‐35℃~+135℃の範囲下で使用可能。カムシャフト受け軸のベアリングやホイールベアリング、レバーピボットなどに塗布することで長期的な保護・潤滑性能が期待できる。

ホイールベアリング。オレンジ色のシールで密閉されているタイプはピックツールで慎重にめくると内部にアクセスできる
カブ70のカムシャフト。このグリースは135℃まで耐性があるため、エンジン内部(90~110℃)にも使用できる

スーパーゾイル ECO for 4cycle

「ECO」と名の付くこの製品は、従来のエンジンオイル添加剤「スーパーゾイル for 4cycle」の成分配合をさらに濃縮したモノ。従来品がエンジンオイルの10%添加に対し、ECOは5%で同等の効果を発揮する。よりコストパフォーマンスにすぐれる製品だ。

今回使用した「セミシンセティックゾイル」や「シンセティックゾイル」もオススメだが、すでにお気に入りのエンジンオイルがある人は、こちらを使ってスーパーゾイルシリーズの「金属表面再生技術」を体感してみるといいだろう。

まとめ

ピストンを焼き付かせてしまったモンキーは再起不能かと絶望したが、今は何ごともなかったように走り続けている。もちろんシリンダーやピストンを新品にしたことが一番の理由だが、一度エンジンを壊した身としては「また壊すかもしれない」という心労が絶えない。それではエンジンが好調でも安心してライディングを楽しめないのだ。

そんな心配を払拭してくれるケミカルがスーパーゾイルシリーズ。エンジンを滑らかにして、そして保護してくれる。ボアアップしたエンジンは短命とされるが、こうした“お守り”をエンジンに投入することで安心感がまるで違ってくる

スーパーゾイルシリーズはそんな安心感に加え、確実にプラスの効果が表れるため「お、エンジンが守られているな」と、シンプルに実感できる。
すでに絶版になって久しい旧モンキーだが、この調子なら5万㎞、10万kmと末永く乗り続けることができそうだ。


カテゴリー

モトメガネ バイク買取一括査定

目次