丸みを帯びた愛嬌あるフォルムと、頼れる走りで世界中を魅了してきたフォルクスワーゲン・ビートル。リアに搭載された空冷エンジンと、シンプルかつ頑丈な構造は、あらゆる道をものともせず、「国民の車」として戦後の復興を支えました。累計2,100万台以上の生産を誇り、誕生から約90年を経た現在も愛され続けています。今回もSho_taroさんの作品を通して、時代を超えて輝くビートルの普遍的な魅力に迫りました!
国民車構想から生まれた伝説(レジェンド)

フォルクスワーゲン(Volkswagen、略称:VW)は、1930年代のドイツで「国民のための車(Volks-Wagen)」という構想から誕生しました。その名の通り、誰もが手に入れられる安価で頑丈な大衆車を目指したプロジェクトです。構想を打ち出したのは当時の独裁者ヒトラーで、彼の政策が後のビートル誕生に間接的な影響を与えました。

フェルディナンド・ポルシェ博士が設計を手がけたビートルは、エンジニアとしての豊かな経験と卓越した技術力の結晶です。ダイムラー・モトーレン社(現メルセデス・ベンツ)で高性能車やレーシングカーの開発に携わった実績を持つポルシェ博士は、空冷リアエンジンと流線型ボディを組み合わせ、耐久性と機能美を両立させました。
丸みのデザインがもたらす強さと実用性

初代ビートルは1938年の試作段階で「KdF-Wagen(国民の喜びの車)」と呼ばれ、戦後の量産再開時に「タイプ1」と命名。丸みを帯びたフォルムはカブトムシを連想させ、人々の間で自然と「ビートル」の愛称が定着しました。リアエンジン・後輪駆動(RR方式)と相まって、ビートルは機能性・耐久性・親しみやすさを高次元で両立させた大衆車の理想形となっています。
丸いフォルムの狙い

空力性能:流線型ボディで空気抵抗を低減、高速での安定性と燃費効率を確保。
耐久性:曲線的な構造は衝撃に強く、プレス加工で強度も確保。戦後の復興期に求められた頑丈さに適合。
実用性:前後オーバーハングを短くし、コンパクトながら効率的な室内空間を実現。
RR方式のメリット

シンプルで頑丈:駆動系が短く、耐久性と整備性に優れる。
悪路・雪道に強い:後輪にかかる重量でグリップ力が向上。
空冷エンジンとの相性:ラジエーター不要で構造簡素化、冷却効率も確保。
空間効率:前部に広いトランクを確保し、実用性の高い設計。
プラモデルで蘇る往年のビートル

タミヤ 1/24 フォルクスワーゲン 1300ビートル 1966年型は、前後フード開閉でエンジンルームや内装まで再現された細部まで丁寧な名キットです。スーパーカーほど派手ではない懐かしさと楽しさを味わえる傑作。かつて子どもの頃、身近な外車としてあちこちで見かけたビートルの存在を、今も心に思い起こさせます。
Sho_taroさんの作品はコチラでご覧になれます
ビートルが呼び起こす幼いころの記憶

Sho_taroさんのコメントを読んでいると、画家の先生に絵を習っていた幼い頃の記憶が蘇りました。水色のビートルが愛車で、国産車にはないデザインがアーティストらしいと感じました。自宅をアトリエとして開放し、いつも優しく迎えてくれた笑顔。ビートルに乗せてもらったときの不思議な鼓動。いつしかテーマに縛られて描くのが嫌になり、次第にサボりがちだった自分。「親に教室を辞めることを認めてもらえた」と嬉しそうに伝えたとき、微笑みながらもどこか寂しそうだった――Sho_taroさんの作品を見ていると、あの日の思い出が胸を締め付けるのでした。
新たに登場するアオシマ版ビートル

残念ながらタミヤのスケールモデル(タミヤ1/24 スポーツカーシリーズ No.136 フォルクスワーゲン 1300 ビートル)は販売終了していますが、アオシマが1/24 フォルクスワーゲン 13AD ビートル 1303S ’73として発売するというニュースをキャッチしました。2025年12月発売予定、公式サイトで受付が始まっています。いつまでも色褪せることがないビートルの魅力を、あなたの手で組み立ててみませんか?
販売元:青島文化教材社
初回発売:2025年
希望小売価格:3,080円(税込)
現状:予約受付中
1/24 フォルクスワーゲン 13AD ビートル 1303S ’73|株式会社 青島文化教材社








