
「新車に使って効果はあるの?最新バイクでテスト!エンジンオイル添加剤”スーパーゾイル”」という記事を今年(2025年)の6月にこのサイトで掲載した。
その際は、スーパーゾイルというオイル添加剤の使用方法や、スーパーゾイルがもたらすエンジンへの効果、そして交換直後に感じたバイクの変化などをご紹介した。
テストしたバイクはBMWのR1300GSで、スーパーゾイルを添加したのは走行距離が1500㎞の時点だった。今回は、その後に計測した燃費や変化、そして万能ケミカルスプレーを紹介したい。
スーパーゾイルとはどんなエンジンオイル添加剤?

200ml:本体価格 6,800円(税込価格 7,480円)
320ml:本体価格 9,800円(税込価格 10,780円)
450ml:本体価格 12,800円(税込価格 14,080円)
この記事を初めてご覧になる方も多いと思うので、スーパーゾイルとはどんな製品なのか、今一度かんたんにおさらいしておきたい。
株式会社パパコーポレーションが販売するスーパーゾイルは、創業者である佐藤博之氏が、紆余曲折を経て自社で開発したオイル添加剤だ。
世の中に流通する多くのオイル添加剤が「エンジン内部の金属表面部分に、薄い皮膜を作るコーティング剤」するのに対してスーパーゾイルは「金属表面を再形成するトリートメント剤」というのが大きな違いだ。熱と摩擦による化学反応で金属表面を極めてなめらかな状態に再生し、オイルの循環に最適な状態を生み出しているのだ。
コーティング剤の場合は、時間の経過と共に効果が薄れ、やがては剥がれてしまうことになるが、化学反応により金属表面を作り変えているスーパーゾイルは、その分耐久性も高く、持続時間も長いのが特徴だ。

滑らかにするトリートメント効果が特徴だ。
スーパーゾイルの添加剤の使い方は簡単

できればメスシリンダーなどできちっと計って添加したい。
スーパーゾイルのバイクへの施工方法は実に簡単だ。
オイル交換のタイミングで、エンジンオイル総量にスーパーゾイルを規定量入れるだけ。筆者の場合は、走行距離約1500kmの慣らし中の個体にスーパーゾイルECOを、規定量である5%(250cc)添加した。
今回はオイル交換と同じタイミングでスーパーゾイルを添加したが、規定のオイル容量を越えなければ、後から継ぎ足してもまったく問題なく同等の効果を得ることができる。そういった気軽さもこのスーパーゾイルの魅力の一つだろう。
しかし、何万kmも使い込んでしまったエンジンオイルは、添加剤の効果以前にエンジンオイルの性能が著しく低下している為、使用はNGだ。
もちろん、後から継ぎ足す際はオイルの規定量を越えないよう、事前にオイルを抜く必要があるので、レベルゲージをしっかりと確認して施工していただきたい。
交換後に現れた様々なスーパーゾイルの効果

滑らかなエンジンブレーキ
スーパーゾイルを添加した翌日に、バイクに乗ってすぐに分かったのがエンジンブレーキの滑らかさだった。下りのコーナーの進入時に、いつものようにシフトダウンしたところ、エンジンブレーキのかかり方が弱く、オーバースピードで進入することになって、ブレーキをかけたほどだ。2ストロークのスポーツバイクのようなエンブレのかかり方、と言えばわかりやすいだろうか。しかしこれが慣れてくると、高回転までスムーズに回るエンジンブレーキは実に気持ちが良く、最高のフィーリングだ。
中低速域のトルクの増幅
例えば、ワインディングの下りから上りへと切り替わるコーナーで旋回するようなシーンで、いつもなら2速まで落としてから加速していたのが、3速でもパワー的に不足を感じることなく立ち上がっていったのだ。回せば気持ちよく、回さなくてもトルクが出てくるような不思議な感覚だ。これもスーパーゾイルのおかげなのだろう。

燃費の向上
筆者のR1300GSは、オイル交換の直前までの燃費としては町乗りで約18.5km/L、高速道路走行だと約21km/Lぐらいが平均的だった。スーパーゾイルを入れてから、3回ほど給油を行ない、約650kmほど走行した町乗りでの燃費は約19.5km/L、高速道路だと22km/Lといずれも約1kmほど延びた。

その後、市街地、路地裏、ワインディング、高速道路、林道、オフロードコース、河川敷とあらゆる路面を走り、特にオフロードでは、土、砂利、泥、砂とかなり過酷な状況も走ってきた。
9月末時点での総走行距離は5770㎞となり、スーパーゾイルを入れてから約4270㎞ほど走った計算だ。
そんな中で、約1000kmごとに燃費を計算してみた結果が以下の通りだ。
2000㎞走行時 22km/L
3000㎞走行時 23km/L
4000㎞走行時 26km/L
5000㎞走行時 24km/L
これが、1000㎞毎の結果だ。4000kmあたりで燃費が延びたのは、神奈川から関西往復と高速道路で1000㎞以上走ったので、その影響が出ているからだろう。そのほかは、日帰りツーリングやオフロードコース走行会などが通常だ。
皆さんもご承知の通り、今年の夏の猛暑は半端ではなく、それはエンジンにとって非常に過酷な状況だったはずだ。つまりそれだけ長い時間、熱い状況にさらされるということは、エンジンオイルを大幅に劣化させる要素になるはず。そんな中でも、スーパーゾイルを添加後は、平均して2km/Lほどではあるが、燃費が向上しているのは、大きな効果ではないだろうか。

摺動部だけでなくエンジン内部にも使えるスーパーゾイル・スプレー

どれぐらいでオイル切れを起こすかは、今後さらに注意して観察する。
今回はスーパーゾイルのラインナップの中から、スーパーゾイル・スプレーも試してみた。
このスプレーは一般的な潤滑油と違い、オイル添加剤と同様に金属表面再生剤が配合されているのが大きな特徴だ。
製品の説明書きには「エンジンの組付け時、ベアリング、ワイヤーなどに直接スプレーしてお使いいただけます」とある。
まずは、サイドスタンドやセンタースタンドの摺動部に吹いてみた。
スタンド系は雨や泥が接続部にかかりオイル切れを起こすことが多いので一番分かりやすい部分だ。もしオフロードなどを走っている場合は、事前に泥や砂を流してからオイルを吹くようにしたい。

スプレーを吹き、パーツに馴染ませると動きはすぐに良くなった。
液体はやや粘度が高く、いわゆるオイルとグリースの中間的な粘度で、驚いたのはその浸透性の高さだ。粘度があるのに、隙間にするすると入り込み、滑らかにしたい部分にダイレクトに吹くことが可能だった。
スタンド以外には、ブレーキとクラッチレバーの摺動部、ステップ、スクリーンの可動部などにも吹いてみたが、いずれもすぐに浸透し、動きに改善が見られた。

1300GSはクラッチがワイヤー式ではないので吹かなかったが、ワイヤー式のワイヤー内部に注入すれば、効果はかなり期待できるはず。
スーパーゾイルのラインナップには「チェーンルーブ」があるので、本来ならドライブチェーンにはそのオイルを吹くべきだが、試しにホンダCT125ハンターカブのチェーンに塗布してみたところ、すぐに浸透し、滑らかな潤滑効果が実感できた。また、このスプレーは、金属だけでなく樹脂やゴム部にも問題なく吹けるのがありがたい。
エンジンの異音が減り回転も軽快に!

筆者の所有するCT125ハンターカブは、走行距離が約7500kmなのだが、最近エンジンから「カタカタ」という異音がして気になっていた。
スーパーゾイル・スプレーはエンジンの組付けにも使えるということで、試しにプラグを抜きプラグホールから吹きつけてみた。プラグを戻してエンジンを掛けると、最初は潤滑油が燃え、そこそこ白煙が出たが、3分ほど暖気するとそれもなくなった。
そして5kmほど慣らし走行を行ない帰宅後、エンジンの音を聞くと例の「カタカタ」音が小さくなっていたのだ。スーパーゾイル・スプレーが内部でどう影響したのかは、正直不明だが、確かに音は小さくなった。

ネットで過去の記事を調べてみると、しばらくエンジンのかかっていなかった旧車などには、プラグホールからスーパーゾイル・スプレーを吹きかけ、ピストンやシリンダーに馴染ませてオイル切れによる焼き付きを防ぐという内容のものを見つけたので、シリンダー内に吹けば、ピストンリングや、シリンダー壁面に潤滑効果があるのは間違いない。
ちなみにメーカーとしては、例えば外出先での緊急時(焼き付きが起こってしまったなど)に、スーパーゾイル・スプレーをプラグホールから吹き付け、一時的に潤滑性を復活させる方法は認められている。
しかしスーパーゾイル・スプレーをオイル添加剤としては使えないので、あくまでも自己責任の範疇だ。

年式の古いバイクなら、その効果は顕著にでるのではないだろうか。
80mlのミニ缶ならたった1000円で携帯性が良く旅にも持っていけるので、林道ツーリングや長旅で雨によりオイルが切れてしまうような場合でも便利だ。
スプレーによる潤滑は、誰にでもできる整備で効果は抜群!スーパーゾイルのオイル添加剤と共に、スーパーゾイル・スプレーもメンテナンスに取り入れ、愛車を末永くいたわってあげてみてはいかがだろうか。

SUPER ZOIL スプレー280ml 本体価格 2,200円(税込価格 2,420円)
(編集協力:株式会社パパコーポレーション)








