壮大な大自然が生み出す数多くの絶景はもちろん、新鮮な海の幸から豊かな大地が育む農作物まで、これまで多くのライダーを虜にした人気のツーリングスポットとして有名な北海道。
しかし、関東からの自走は時間と費用に加えて体力的にもかなりハードルが高いため、毎年大型連休にはフェリーチケットの争奪戦となることもしばしば…。
そんな北海道ツーリングをもっと身近に気軽に楽しむなら、実はヤマハ バイクレンタルがかなりおすすめ。Webからの空車確認や予約はもちろん、ヘルメットやライディングウェアの貸出まで行っているので、免許さえあれば誰でも手軽に充実した北海道ツーリングが楽しめてしまうのだ。今回はそんなヤマハ バイクレンタルを利用して実際にツーリングしてきた北海道のツーリングレポートを紹介していこう。
なお、ヤマハでは北海道はもちろん日本全国で最新モデルを借りられるバイクレンタルを実施中。10月末まで秋のキャンペーンが行われている。詳細はこちらでチェックしてほしい。
タイパ&コスパを求めるならこれでしょ!
【ヤマハ バイクレンタル】TOURING REPORT : 北海道




北海道は新千歳空港から電車で約1時間。スーツケースを片手に札幌駅からタクシーで約10分ほどで到着したのは、ヤマハ バイクレンタル札幌。LCCの発着する成田空港からは1時間半〜2時間程度だったので、関東からは約3時間ほどで到着することができるのだから、飛行機に乗ってしまえば北海道って実はかなり気軽に行くことができる時代なのである。
バイクの予約は事前にWebサイトから行っておくので、店舗に到着したら貸出内容の確認や車両の説明を受けるだけですぐに出発することができる。また、Webサイトでの予約時にウェアの貸出オプションや車両に合わせてトップケースなども借りておけば、到着から出発までかなりスムーズに行うことができるのでおすすめ。さらに、事前に自宅から店舗へ荷物を送っておく事や、持ってきた荷物を入れ替えて持ってきたスーツケースやバッグなどを店舗に預けておく事もできるなど、かなり柔軟に対応してもらえるのも嬉しいポイントだ。
知識豊富なスタッフによる北海道のおすすめのツーリングルートや道内の天気予報・交通情報に加え、返却時に必要となる近隣のガソリンスタンドの情報まで丁寧に教えてもらえるので、例えノープランでバイクをレンタルしても安心してツーリングを楽しめてしまいそう。

今回私が立てたツーリングプランは札幌から内陸を抜けて宗谷岬を目指し、稚内を周って日本海側から南下して富良野まで降りてくるという、3泊4日間での道北一周ルート。
あいにくこの週の北海道の天気がかなり怪しいそうで、どうなることやら…。
DAY1 : 札幌から幌加内を抜けて咲来を目指す!




まずは札幌から幌加内を抜けて、本日の宿となる『ライダーハウス咲来』を目指していくのだが、実は以前から目をつけていたスープカレー屋『ひげ男爵』が店舗からほど近くにあったので、まずはここで腹ごしらえから出発する事とする。
『ひげ男爵』ではお肉のトッピングが特徴的な「肉男爵」を注文。旨味の溶け込んだスープには香り高いスパイスが最高に食欲をそそり、食べ応え抜群な肉類や味のしっかりした野菜とのバランスも最高の一皿だ。
『ひげ男爵』を後に札幌市内を抜けて国道275号をしばらく走り、そばの花が美しい蕎麦畑を両脇に眺めながら幌加内に着いた途端、急に雨が降り出してきた。(しかも結構な本降り)




幌加内といえばやはり道内でも有名な幌加内そばを食べておきたかったのだが、お昼を過ぎてしまうとどこのお店もやっておらず、『道の駅 森と湖の里ほろかない』でひとまず雨宿り。
カメラマンとの作戦会議の末、先にここで同施設内にある『幌加内せいわ温泉ルオント』で温泉に入ってから、同じく施設内にある『蕎麦ダイニング そばの里』で幌加内そばを食べる作戦に。
というのも、本日の宿となる『ライダーハウス咲来』にお風呂がないという情報を事前に仕入れていたので、また雨に降られるかもしれない道すがら寄っていくよりも、ここで入ってしまった方が無難である。
そして温泉から出たタイミングで『蕎麦ダイニング そばの里』が開店したので、無事念願の幌加内そばにありつくことができた。(ふわっふわの十勝産とろろが乗った月見そばの味は言うまでもなく最高だった)


めちゃくちゃ便利

高コスパが嬉しい

みんなで仲良く就寝
小雨が降る暗闇の中、ライダーハウスに到着した際にはおじ様たちがガレージまで誘導してくれるという
なんともハートフルな体験ができた『ライダーハウス咲来(さっくる)』は優しいオーナーの人柄もあり、なんとも和やかな雰囲気。
バイクをはじめ自転車や徒歩まで、毎年多くの旅人が訪れる北海道にはライダーハウス(以下ライハ)という文化が根付いており、簡単に言ってしまえばゲストハウスなのだが、これまでいくつものライハに泊まってきた私としては、ゲストハウスという言葉では表現できない文化がある。それはたまたま同じ日に同じ宿に泊まる者同士という枠組みを超えた出会いやコミュニティー、そして体験があるのだ。
さらにキャンプ用品などを持たないレンタルバイクでのツーリングには相性も良く、宿泊費も安く屋根の下で安心して眠れるのだから、荷物はレインウェアに着替えとバスアイテムさえあれば充分なほど。
しかし、2019年の消防法改正により、これまで法律上宿泊施設として運営していなかったライハも旅館やホテルと同じく宿泊施設という扱いになり、消防施設の更新が必要になったのである。元々ボランティア程度の利用料で運営するところが多いライハという特性上、この時の法改正を機に畳まざるを得ないライハも多く、道内のライハもかなり減ってしまったのだとか…。




どこか懐かしい味がした
正直「綺麗にベッドメイキングされた部屋で静かに眠りたい」というライダーにライハは向かないかもしれないが、ライハでは旅先の様々な情報を持っている人からおすすめの穴場スポットや絶景ルートを教えてもらったり、思いがけず同年代の同郷の人と地元トークで盛り上がったりと、一緒に泊まる人によってもライハの印象はかなり変わってしまうので、様々な土地やタイミングで色々なライダーハウスに泊まり歩いてみるというのもバイクで旅をする醍醐味の一つでもある。
DAY2 : 幌加内からオホーツク海を抜けて宗谷岬へ!


見逃さないよう注意

たまたま出会えたのは本当に奇跡

ホタテの貝殻なのだから驚きだ
本当は音威子府から豊富の方へ抜けて、大規模草地の中を走りたかったのだが、どうやら昨日の雨で道北の内陸は至る所が通行止めになっているとのことで、急遽オホーツク海側から宗谷岬を目指していくことに。
水平線の先が溶けていくような開けた直線が実に気持ちのいいエサヌカ線を抜けた先にはホタテが有名な猿払村。
途中立ち寄った『さるふつ直売所』では採れたてのホタテが買えるほか、冷凍ホタテの販売やここでしか買えない幻の「天然ソフト貝柱 二番炊」というソフト貝柱を買うことができる。
この二番炊がまさに” 飛ぶ ”ほど美味しくて、宝石のような10粒の貝柱を大事に大事に食べる姿から「おじさんのゴディバ」と呼ぶことにした。



私の右手(グローブ)をなんとか発見

荒波も道路まで吹き上げる
猿払でホタテに魅了された我々は、先ほどの直売所のお姉さんに宗谷岬ほど近くの『ホタ亭』を教えてもらい、そこで昼食とすることにした。
それぞれ「ホタテ塩ラーメン」に「ホタテカレー」と「ホタテバター焼」をシェアし合って、さらにカメラマンは「イクラ丼」まで食べるという、今思うとわんぱくすぎる2人だったのだが、どのメニューも本当に絶品。
しかし、ふと外を眺めるとこの日の宗谷岬の天気は大荒れで風速が20m近く、聞いた話によると宗谷岬で倒れてしまったバイクもあったそうだ。私も乗車時に右のグローブが風で飛ばされてしまい、一瞬「回収は無理では?」と諦めてしまったほど。
そんな天気なのでもちろん走行も容易ではなく、荒波は道路まで吹き上げ、強風でまっすぐ走るのも難しかったので、宗谷岬での記念撮影は早々に安全運転を第一としてゆっくりと稚内へ向かう事とした。


お風呂の心配要らず


本日のライダーハウスは『みどり湯』という名前の通りに日本最北端の銭湯が隣接している。
銭湯には軽食の販売やバーも営業しており、施設としてはかなり充実しているのだが、夜21時にミラーボールが回る中、宿泊者全員参加での自己紹介やオーナーからの紹介に始まり、最終的には全員で肩を組んで「大空と大地の中で(松山千春)」を歌うなど、かなりクセの強い一面もあるのだが、そのインパクトの強さの分だけここでの思い出は長い月日を重ねても記憶に深く残っている事だろう。
また、隣接する銭湯の風呂も44℃というめちゃくちゃ熱めの設定で、久々にガツンと熱い良いお湯だった。
DAY3 : 稚内から美瑛へ抜ける、絶品&絶景ルート!




留まっていて壮観だ
まるで台風一過のように翌日は気持ちの良い快晴となった稚内で朝から副港市場を散策。
ここでしか手に入らないお土産や朝ご飯を入手して、通行止めの解除されたであろう稚内幌延線を目指して走る。
しかし本当に北海道はどこに行っても美味しい物がたくさんあって(しかも安い)、長期滞在するのは本当に危険だ。(体重増加的な意味で)



天候に恵まれたこともあり、雄大な大規模草地を走り抜けていく絶景ルートは最高だ。
海沿いや山間部とはまた違った良さがあり、適度なカーブやアップダウンも走っていて楽しい。

そして豊富といえば酪農が盛んであり、大規模草地でも果てしなく広い牧場の中で牛たちは優雅に過ごしていた。


豊富で立ち寄った『MilkCafe&Zakka ferme(フェルム)』では、先ほど実際に見てきた素敵な環境で育った牛の牛乳やソフトクリームをいただくことができる。
どちらも濃厚な味わいながらも後味はさっぱりしていて、これはいくらでも食べれてしまいそう。

食べ応えもバッチリで、甘エビ丼を目当てでツーリングをする価値がある。


アクセスもしやすい

つぶ貝のフライもおすすめ
豊富からは幌富バイパスで幌延まで抜けて、日本海オロロンラインをひたすら南下していく。
あいにく昨日の豪雨による濁流が海へ流れ出てしまっていたのだが、それでも気持ちの良い海沿いルートだ。
昼食は羽幌(はぼろ)にある『甘えびファクトリー 蝦名漁業部 えび漁師第51高砂丸直売店』で贅沢すぎる甘エビ丼をいただくことに。
私は「えびセット(大)」を注文したのだが、出汁醤油で程よく味付けされた甘エビがズラッと綺麗に並んだ甘えび丼がまず見た目から美しい。そしてセットには熟成真鱈のフライにつぶ貝の唐揚げ、えび汁とミニソフトクリームまで付いて2800円というコスパの良さ。そして毎度北海道に来て思うのは、大盛りがちゃんと多いのだ。これって道民の方にはあまり伝わらないのだが、関東には名ばかりの大盛りや極端に大盛り(もはやデカ盛り)だったりと、振り幅がすごいのである。


嬉しい価格で宿泊できる

名物の五右衛門風呂が最高

まさに早起きは三文の徳である
稚内から約280km走ってようやく辿り着いたのは、『ライダーハウス丘の舘』。
こちらは農業を営む優しいオーナーやスタッフの皆さんの人柄がめちゃくちゃ良く、美瑛の美しい広陵地帯が思い出をさらに彩ってくれるライハだ。
美瑛の自然を満喫できる名物の五右衛門風呂や、嬉しいベット部屋のオプション(+500円)に加えて、事前に相談しておけばジンギスカンなども楽しめるとのこと。
また、オーナーの手がけるとうもろこしもここで買って自宅に送ることもでき、届いたとうもろこしは甘みがしっかりとした粒揃いの立派なとうもろこしからオーナーの優しい人柄を思い出すことができる。
DAY4 : 美瑛〜富良野の豊かな自然を味わい尽くし、
大満足で帰路につく



美瑛といったらやはり美しい広陵風景で、『ライダーハウス丘の館』はそんな風景のど真ん中に位置しており、出発早々素晴らしい景観の中でツーリングを楽しめる。
丘の館のスタッフ曰く、観光名所としても有名な「クリスマスツリーの木」の伐採が決定してしまったとの事で「これが最後になるかも」と考えながら眺める景色はとても感慨深いものがある。




遅めの朝食に立ち寄った『富良野チーズ工房』では、富良野のチーズや野菜をふんだんに使用した窯焼きピザのほか、濃厚なチーズの風味が特徴的なチーズソフトや富良野の野菜を使った珍しいフレーバーの絶品ジェラートまで楽しめる。
焼きたてのピザ(しかも窯焼き)が美味しいというのは食べる前からもう分かってはいたのだが、やはりチーズや野菜といった素材本来の味がしっかりとしていて、これがまた絶品なのだ。



長いようで短く感じる旅もあっという間に帰りの飛行機の時間が近づき、あとは富良野から札幌に向かってバイクを返却するのみなのだが、旅の最後にはやはり北海道の魅力の一つとも言える温泉に入ってから帰りたいと言うことで、富良野からほど近くの十勝岳にある『吹上温泉白銀荘』にてじっくりと温泉で癒された後、札幌へ戻ることにした。
ここの温泉は内湯も露天風呂も体の芯から温まるお湯が本当に気持ち良く、まさに有終の美を飾ることができた。(まだ旅は終わってない)

北海道縦貫自動車道で移動は楽チン



富良野からは『ヤマハ バイクレンタル札幌』までは、北海道縦貫自動車道を使って約2時間半ほどで到着。
返却時には店舗スタッフによる車両のチェックを行い、今回のツーリングルートや旅の思い出話に後ろ髪を引かれつつ、あっという間に返却が完了してしまった。
行きと同様に帰りもヤマハ バイクレンタル札幌から札幌駅までタクシーで10~15分、札幌駅から新千歳空港までは4~50分ほどかかるのだが、荷物のパッキングや発送手続きをしていたら意外にも結構ギリギリのタイミングとなってしまったので、事前に電車の時間も調べつつ(重要)、店舗から空港までは約1時間半くらいみておくと良さそうだ。
帰りの飛行機では心地良い旅の疲れでしばし眠っていると、あっという間に成田空港に到着。
飛行機から一歩踏み出した途端、8月末の強烈な湿度と夜でもまだまだ暑い気温によって、今すぐにでも北海道に帰りたいと思ったのであった。
お得に手軽に秋のツーリングを楽しもう!
『バイクレンタル 2025秋ライド応援キャンペーン』

ヤマハ バイクレンタルでは10月1日から10月31日まで、お得にレンタル利用ができる『2025秋ライド応援キャンペーン』を開催している。レンタルなら自走で行きずらい遠方へのツーリングはもちろん、バイク購入を考えているなら、事前にお目当ての最新車両をじっくり乗り、長期試乗でバイクが自分にマッチしているのか判断する使い方もできる。この機会にぜひ一度チェックしてみてほしい。
クラッチ操作からの解放が、走りをいっそう楽しくする!
TRACER9 GT+ Y-AMT : impression




今回ヤマハ バイクレンタルで借りたTRACER9 GT+ Y-AMTは何と言っても走行アシスト機能の充実ぶりが印象的で、どこまでも走って行けてしまいそうなくらいライダーへかかる負担が少ないのだ。
アップライトな乗車ポジションは気持ち良くワインディングを楽しむような乗り方から、街中でコンパクトに走る場合にも扱いやすく、888cm3・水冷・DOHC・直列3気筒・4バルブのエンジンは低速域からパワフルながらも高速巡航時のスムーズさについても全く犠牲にしておらず、スポーツツアラーとしてのバランスが全体域を通して非常に良い。
さらに指先一つで直感的にシフトを操作できるY-AMTはクラッチレバーやシフトペダルも存在せず、それは単純に楽というだけでなく、ライダーが楽をできる分、目の前の路面状況や交通状況により集中することができるのだ。
そこへ前方車両との定間隔をとって自動追従してくれるACC(アダプティブクルーズコントロール)をはじめとした電子制御システムの数々が組み合わさることによって、この快適さはほとんど四輪車に近い、唯一無二のキャラクターとなっている。
昭和&平成初期を思わせるスタイリング、日常で楽しめる走行性能
XSR900 GP: impression

XSR900 GPは、GPカウルのなんともネオクラシックな雰囲気がTZRやFZRシリーズ然としており、たまらなく格好良い。
CP3エンジンやメインフレームがTRACER9 GT+ Y-AMTと共通しているので、実際フィーリングはそんなに変わらないだろうと思っていたのだが、これが乗ってみるとまるで違うバイクなのである。
軽量・コンパクトかつ素直なハンドリングはスポーツ走行をしていても不安感がなく、長めのスイングアームによってどっしりと走れる安定感もあるので、タイトなワインディングをヒラヒラ走りつつも無理してアクセルを開けていくような感じは一切なく、尖りすぎてなくて良いなと感じた。
現代のスーパースポーツバイクと同様に、公道ではオーバースペックでピーキーなマシン性能を乗りこなせるライダーのみが速く走れるというよりも、XSR900 GPは扱いやすい特性だからこそ多くのライダーが肩肘張らずに楽しく、そして気持ち良く走れるようなバイクなのだ。








