奇跡の1日で、無事完走となった「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリングラリー」。2日目は、能登半島の禄剛崎(ろっこうざき)を目指します。ここ数年、SSTRで能登半島までは来ていますが、最先端までは未到達で、復興途上、と聞いている、被災地の現状はどうなのか?そのこともしっかり見てきました。
そして、翌日の3日目。一昨年は能登半島から太平洋まで一気に走りましたが、今回ツーリングマップルチームは、帰路とは反対の西へ。この時点で4日目の行く先は未定でしたが、とりあえず、敦賀市まで走ろう、ということに。
では、2日間の様子をお届けします。
※能登半島の道路の通行状況は訪問日(2025年5月31日)の状況です。最新情報は事前にご確認ください

著・中村 聡一郎(フィネス)/取材協力:SUZUKI
Route!掲載日:2025年8月18日
【5/31と6/1の走行ルート】
5/31は宿泊先から輪島へ。ここでカソリさんと別れて、日本海沿いに禄剛崎へ。珠洲を経由して、千里浜経由、内灘で1日が終了です。
6/1は内灘でパンの朝活、そして絶品のソフトクリームを堪能して、千里浜でカソリさんと合流。下道を走って東尋坊から福井、そして敦賀市でこの日の行程は終了です。


【古民家のゲストハウスを出発、能登半島ツーリングスタート】
天気に翻弄された「SSTR2025」の本番が終わって、宿泊したのは、中能登町の県道2号沿いにある「古民家ゲストハウス結舎(ゆいのや)」。名前の通り、歴史を感じる古民家の宿。宿泊者はSSTRの参加者のみで、駐車場はバイクでぎっしりでした。カソリさんも、ほかの宿泊者との交流を大いに楽しんでいました。



県道2号、国道249号で中能登から七尾へ。そこから、七尾湾沿いに穴水を目指します。




10時30分、穴水に到着。「道の駅 あなみず」にバイクを停めて、駅前の「穴水大宮」を参拝。道の駅で「能登ワイン米飴ソフトクリーム」を味わったら、次は輪島へ向かいます。




【災害被害が未だに残る輪島市と日本海沿岸の光景に言葉を失う】
穴水までは、沿道に、大きな災害があったことを感じる景観は無かったのですが、県道1号で輪島市へ入ると、一転して水害や震災の被害が、沿道のあちこちで見られるようになりました。
そして、輪島市街に入ると、傾いた信号機や、崩れたままの建物が目立つようになり、あらためて、震災被害の大きさを実感しながら、思い出の「道の駅 輪島」に到着です。



千里浜でのSSTRのイベントへ参加するカソリさんとはここで一旦お別れです。マスキさんと二人で、能登半島の先端「禄剛崎」を目指します。



一般車は通行止の可能性があるかも、と心配していた国道249号ですが、問題なく珠洲市大谷の県道28号との分岐まで通行できました。しかし、壊れたままの道路施設、隆起した海岸に造られた仮設の迂回路といった現況に、路面状況などを考えると、オートバイでは慎重に走ったほうが良いと感じました。夜間通行止の区間もありました。



仮設道路区間を過ぎたあたりから、雨がポツポツと降り始めました。「道の駅 すず塩田村」のあたりから、沿道には海水から塩を造る「揚浜塩田」が点在しています。そして、珠洲市の大谷から県道28号へ入ります。




【二十年ぶりの能登半島先端「禄剛崎」訪問】
15時30分、「道の駅 狼煙(のろし)」に到着。これから、千里浜ゴールを目指すのかな、というライダーも見かけました。皆さん、ゴール間に合ったかな?
駅でひと休みして、今日の目的地の「禄剛崎」へ歩きます。そして、どんよりとした空模様でしたが、禄剛埼灯台からの日本海の眺めを楽しんで、珠洲へ向かいます。



「道の駅 狼煙」を出てから、雨がだんだんと強くなってきました。どこにも立ち寄らずに、海沿いの県道28号を走って珠洲市街へ。市街地手前に「道の駅 すずなり」に立ち寄ってから、「見附島」へ向かいます。



珠洲市街から海岸沿いの一般道を進みますが、ところどころに凸凹があり、雨もひどくなってきたので、慎重に走ります。
そして、見附島近くの珠洲市宝立地区では、未だに津波での被災状況が色濃く残っています。道に被さるように大きく傾いた道路標識がそのままで、鵜飼川に架かる橋も通行止だったので、国道249号へ迂回します。
予定ではさらに赤碕海岸、九十九湾まで行く予定でしたが、天候と時間を考慮して、今回はキャンセル。千里浜へ戻ることにします。

県道57号(珠洲道路)から「のと里山海道」の最短ルートで、千里浜を目指したのですが、これが大誤算でした。
県道57号(珠洲道路)は以前と変わりの無い、快走路で順調に走れたのですが、「のと里山海道」は復旧工事で、2車線区間のところどころで1車線規制。クランクになった箇所が連続していて、しかも雨。視界も路面も良くなくて、対向車線に出そうになることもあり、非常に神経を使いながらの走行になってしまいました。
「羽咋はこんな遠かったかな、永遠にこの状況が続きそうで、しんどい」と思いながらの頑張って走って、羽咋の海岸線に出たときには、ほっとしました。


【アフターSSTR2日目は内灘町からスタート】
6/1の朝を内灘町の「内灘町サイクリングターミナル」で迎えました。カソリさんは今日もイベントのため、午前中別行動で、我々が寝ている早朝にすでに出発していました。
我々も8時過ぎに宿を出発。まずは、マスキさんがリサーチして見つけた、地元で人気のベーカリー「ボングー」へ。ここでパンを購入して、「道の駅 内灘サンセットパーク」で朝食です。




朝食後、ツーリングマップルを見て行ってみたくなった、河北潟の北にある干拓地へ。広大な畑や牧草地が広がる、じつに気持ちの良いエリアでした。「メタセコイアの並木」を見学して、「夢ミルク館」でソフトクリームを味わったら、三たび千里浜へ。




【奇跡よ再び?越前海岸の夕日を目指して福井県へ】
国道159号を北上して、「道の駅 のと千里浜」へ。カソリさんと合流したら、この後の予定を打ち合わせです。13時過ぎになっていたので、さすがに「太平洋」を目指すには時間が遅いので、「東尋坊」と「越前岬」経由で、敦賀市まで行くことになりました。

能登半島を後にして、金沢市から小松市、加賀市と進んで、国道305号で福井県へ。
東尋坊には18時頃到着。ここで夕陽まで待ってみることにしたのですが、海上の厚い雲が消える気配が無かったので、あきらめて出発しました。


そろそろ、日没。越前海岸ルートはあきらめて、福井、鯖江、越前の内陸ルートで敦賀へ。国道8号の武生トンネルを抜けて若狭湾の海岸線へ出て、しばらく走ると敦賀の町の明かりが見えてきます。そして、JR敦賀駅前のルートインに到着。3日目も無事終了しました。


【youtubeも配信中】
マスキさんが走って、見て、そして感じた「SSTR2025」を「TOURING MAPPLEチャンネル」で配信中です。こちらも是非!



〜僕らは今、旅の途中〜 常に進化を遂げてきたライダーのバイブル
ライダーと共に創る地図「ツーリングマップル」は、ライダーの実走取材によるジャンルも内容も多種多様なコメント情報が特徴です。長きに渡り、旅人の信頼を得ています。文字サイズが大きくなったR版(リング版)は、開きやすく使いやすい仕様です。
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この記事では「ツーリングマップル」協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。今後もさまざまなバイク情報を取り上げていきます。







