近年、スポーツライディングからツーリング、街乗りまであらゆるライダーに支持されているヘルメットブランドLS2。スペインのバルセロナに本社とデザインスタジオを持つLS2は、モダンかつ独自のデザインを打ち出した気鋭のブランドとして人気を博しています。またモータースポーツの世界でもMotoGPクラスのフェルミン・アルデゲルを筆頭に数多くのライダーをサポート。その安全性の高さでも評価を得ています。

LS2では近年、日本人の頭に合わせた「Japan Fit=ジャパンフィット」モデルの採用を進めています。そもそも、欧州ブランドのヘルメットは、内装の横幅が狭く、そのまま使用すると長時間の使用で頭が痛くなったりすることが多いことも事実。そうしたネガを解消すべく、LS2ではさまざまなモデルにジャパンフィット=つまり平均的な日本人の頭の形をベースにした内装パーツを設計して、日本のライダーでも快適にかぶれるヘルメットを用意しています。今回ご紹介するのはそんなモデルのひとつ「RAPID Ⅱ(ラピッド・ツー)」です。

LS2らしいシャープなデザインとクールなグラフィック

RAPID Ⅱは街乗りからツーリングなどオンロードユースを想定したフルフェイスモデルで、LS2の中でもベーシックなモデルのひとつ。とはいえ、LS2らしいシャープなデザインと使い勝手を考え抜いた各部のつくりは、上位モデルにもまったくひけを取らないもの。今回このRAPID Ⅱのインプレライダーとしてご登場いただくのは、モデルとして活躍する傍ら、近頃ではバイク専門誌でインプレや試乗記事も手がける桜井つぐみさん。ウルトラマンや仮面ライダーなど特撮を愛してやまないマニアックな一面も持つ桜井さんは、これまでもLS2のヘルメットを愛用してきたライダーです。

今回試乗で使用したのはRAPID Ⅱで3種類用意されているグラフィックモデルの中からホワイトをベースにグラフィックをあしらった「ホワイト・ブラック・ピンク」と呼ばれるカラーです。今回初めてRAPID Ⅱを目の前にした桜井つぐみさん。その第一印象を聞いて見ると、
「グラフィックがすごくかっこいい! 色合いも女性に受けそうな印象です。それにヘルメット自体がとても軽くてびっくりします。いまもLS2さんのヘルメットを使用していますが、それよりもさらに軽くて。手に持っただけで軽さの違いがわかります」

と早くも反応は上々。まずは桜井さんもお気に入りのデザインについて見ていきましょう。


帽体のデザインはとてもシンプルなフルフェイス。LS2らしいスピード感のあるシェイプ、あごや頭頂部に設けられたベンチレーション、そしてシールドのデザインも洗練されています。


後頭部にはベンチレーションを通ったエアや内部のエアを後部に排出するベンチレーションも設置。よく見ると帽体には微妙なエッジが入っています。左右に入る大きなグラフィックはイーグルの羽をモチーフにしたもの。


後頭部とおでこには何やらリングのような絵柄とイーグルの羽があしらわれていますね。ところでみなさん、このモチーフをご存知ですか? じつはこのリングと羽の絵柄は、北米の先住民族の間で古くからお守りとして使用されていた「ドリームキャッチャー」がモチーフ。蜘蛛の巣に見立てた網目で悪い夢を捕まえて、良い夢だけをもたらす─そんな魔除けとして重宝されてきたデザインなのです。一瞬の油断で危険な目にも遭ってしまうバイク乗りにとって、お守りは欠かせないもの。RAPID Ⅱのクールなグラフィックにはライダーにぴったりな絵柄なのです。
高速道路でも快適な軽さ、強風でも振られない空力性能
今回のインプレでは東名高速道路をはじめ、首都高速道路で実際に桜井さんがRAPID Ⅱを使用しました。首都高速のなかでも特に強風が吹き荒ぶベイブリッジなど、ヘルメットの空力性能も試されるステージも走行。

今回撮影でお借りしたのはスズキ・ジクサーSF250。RAPID Ⅱとの相性も抜群、軽快なスポーツバイクで疾走する桜井さん。実際にかぶって走行した印象はどうでしょう?
「LS2のヘルメットをはじめ、色々なヘルメットを使用してきましたが、いままでかぶったヘルメットの中でいちばん軽かったです! 1日バイクに乗っていると首が疲れてしまうことも多いのですが、LS2のRAPID Ⅱは1日乗っても首がつらくならないですね。手に持った印象よりもさらに軽い、そんな感じがしました」

「高速道路でもヘルメットはすごく安定していて、車線変更で頭を動かしても風圧で変に揺さぶられることもなかったです。視界も広くて見やすいですし、風切り音も押さえられていて快適ですね。スピードを出しても疲れないのはやっぱり軽いからなんでしょうか?」

桜井さんがこう評価したRAPID Ⅱの軽さ。そこにはLS2の独自技術がいかされています。RAPID Ⅱでは、帽体に<HPTT:High Pressure Thermoplastic Technology (高圧熱可塑性樹脂技術)>という技術を採用しています。これは帽体、つまりヘルメットのシェルの元になるABS樹脂を主成分とする混合樹脂を、高圧高温で金型形成する技術です。安全性や強度を確保しながら軽さも実現する、そんなLS2のものづくりが桜井さんも絶賛の軽さを生み出しているのです。RAPID Ⅱではサイズによって複数のシェルサイズを用意しています。それもまた体格に応じた適度な軽さを感じられる理由のひとつです。

「ヘルメットを脱いだりかぶったりする時にも軽いと楽でいいいですね。あと、女子的には内装がほっぺたをギューっと圧迫したりしないことがすごく気に入りました。ヘルメットによっては頬が潰れてしまって、ヘルメットを脱いだ後に跡がついたりすることもあるのですが、内装はしっかりとしたフィット感がありつつ、やさしい肌あたりで女子には歓迎される作りだと思います」

男性ライダーだとあまりそういうことは考えないものですが、女性ライダーならではの視点で内装の印象を語ってくれた桜井さん。たしかに、友達と写真を撮ったり自撮りをする時には顔のつぶれは気になっていまうものですよね。正しいサイズを選んでさえいれば、心地よいフィット感を得ながら安全性も確保できる、それもまたRAPID Ⅱの特徴のひとつと言えるでしょう。

たしかにそう言われて見ると、RAPID Ⅱをかぶっていても桜井さんだとわかるほどお顔の表情ははっきり。ジャパンフィットを採用する内装の圧迫感によるストレスが少ないことも、普段使いやツーリングでは重視したいポイントですよね。これからヘルメットを購入しようとするライダーにとって、軽さと疲労感を軽減するつくりに注目するのもひとつのポイントとなるはずです。

ベンチレーションやシールド、ストラップも使いやすい
RAPID Ⅱは単色モデルで1万9800円(税込)、今回使用したグラフィックモデルでも2万1800円(税込)と、そのプライスはかなりリーズナブル。日本人向けの内装などコストのかかる部分がありつつも、魅力的な価格を実現しています。とはいえ、現代のヘルメットに欠かせない装備も充実しています。

桜井さんも絶賛の内装は肌あたりのよい低刺激性の素材を採用、もちろん取り外しも可能なので、定期的な洗濯もOK。さらにシールドの内側にはスポイラーを装備しており、あごのベンチレーションから入った空気をヘルメット内で整流します。スポイラーは鼻を覆うように伸びた形状で、冬場は吐息でシールドが曇ることを防いでいます。さらに、オプションではピンロックシールドも用意。空気の層を挟むことでシールドの曇りを抑えるピンロックシステムを使用すれば、雨の日や冬場でもストレスなく走行することができます。


あごとおでこのベンチレーションは適度なクリック感を持つ仕様で、シンプルに全閉/全開の2パターン。どちらのベンチレーションも簡単に操作することができます。撮影当日は暖かな1日でしたが、ベンチレーションの効果には桜井さんも大満足!

桜井さんも視界の広さやクリアさを評価していたシールド。開閉の際には中央の突起部分をつまんで開け閉めするだけ。片手でシェルを押さえて開けるのが確実ですが、慣れれば片手でも操作できます。また、純正のクリアシールドはこう見えて94%のUVカット仕様! スモークシールドを使わずとも紫外線を効果的にカットできるのです。さらに耐摩耗性を高めているので、擦り傷にも強い。かなり考えられたつくりです。ちなみに、上の写真でシールド上にある小さな丸い突起がピンロックシートを取り付けるためのボスです。


ヘルメットのストラップにはLS2独自のあごひもバックルを採用しています。このバックルはクイックリリース仕様で、赤いプルタブを引きながらストラップを金具に通す/抜くという動作で簡単に着脱が可能です。

この日は撮影のために幾度となくヘルメットの脱着をした桜井さん。その使い勝手にも満足していました。
桜井つぐみさんもお気に入り。
もうひとつのグラフィックモデル CHAMELEON TECH2.0

RAPID Ⅱにはじつはもうひとつのグラフィックモデルが存在します。それがこちらのCHAMELEON TECH2.0というモデル。

今回は撮影用として持ち込んだCHAMELEON TECH2.0でしたが、桜井さんはこのグラフィックを見るなり「かっこいいーー!!」とテンションMAXに。CHAMELEON TECH2.0はサイバーな雰囲気とデジタルアートを融合させたような独特なグラフィックを採用しています。
「じつは、こういうデザインも大好きなんです。試着したカラーもすごくいいんですけど、このデザインもかなり心を惹かれてます!」

仮面ライダーやウルトラマンなど特撮ヒーローを愛するタレントとしても活動する桜井さんだけあって、こういうクールなデザインにも目がないご様子。意外に女性ウケの良いデザインなのかもしれません。グラフィックとしてはブラックをベースにしたもので車種やファッションを問わず合わせやすいとも言えます。
「RAPID Ⅱのグラフィックモデルは色が本当に綺麗で。羽のマークが入るホワイト・ブラック・ピンクは、メタリックカラーが太陽に当たるととてもキラキラして、見る角度によって色が変わる。このモデルもメタリックの質感もすごくクールです」


かなり凝ったグラフィックのCHAMELEON TECH2.0。スーパースポーツからストリートファイターなどスポーティなバイクにはピッタリのグラフィックではないでしょうか。


オプションのスモークシールドやミラーシールドを組み合わせればさらにクールな印象となるでしょう。

今回はLS2のニューモデルRAPID Ⅱをご紹介しました。日本人の頭の形に合わせた「ジャパン・フィット」の内装を採用するベーシックなフルフェイスヘルメットは、普段使いからツーリングまで幅広く使えるオールマイティなモデルです。
ベンチレーションや快適な内装はもちろん、インカムのスピーカー装着にも対応する大きなイヤーホールなども装備して、現代のライダーが求める機能をすべて詰め込んだRAPID Ⅱ。これからヘルメットを購入する予定のライダーはぜひその作りをチェックしてみてください。リーズナブルながら、塗装や各部の質感の高さにはきっと驚くはずです。
(編集協力:株式会社セイデン)








