3年ぶりの開催となった『第49回東京モーターサイクルショー』。Moto Megane(モトメガネ)では、2022年の東京モーターサイクルショーに出展した注目ブランドのブースについてレポートします。
ここで紹介するのは、1995年に創業した「NTB:丸中洋行」です。丸中洋行は、自動車部分品の製造および輸出、輸入による国内向け卸販売からビジネスをスタート。その後、同社顧客の声を受けて、メーカー純正部品と同等のクオリティを持つオリジナルパーツを企画・生産するようになったブランドです。同社の手がけるオリジナルパーツは、JASO(自動車技術会)やJIS規格(日本工業規格)の厳しい審査をクリアして製造されており、その高い品質は全国のバイク販売店でも認められているほどなのです。
また、近年ではMotoGPのファビオ・クアルタルロ選手(フランス)のスポンサーであるフランスのバッテリーブランドBSバッテリーの正規代理店を務めていることでも知られています。
つまり、バイク販売店向け=プロユースの製品を数多く取り扱うのが丸中洋行のビジネスなのです。とはいえ、自社のサービスをはじめ、BSバッテリーのラインナップなどをより多くのライダーにアピールすべく、近年同社では6回連続で東京モーターサイクルショーに出展しています。ここからは、東京モーターサイクルショーでのブースの模様をお届けしましょう。
【メーカー紹介】
東京ビッグサイトの1Fフロアに大きなブースを構えていたNTB:丸中洋行。自社製品を展示するコーナーとフランスのBSバッテリーを展示して、期間中は多くの来場者で賑わいました。
今回の東京モーターサイクルショーでは、たとえば主力商品のひとつであるオイルシールやダストシールなどの部品単体を展示するだけではなく、フロントフォークASSYやクランクケースASSYなど実際に部品を取り付けた状態でのディスプレイをメインとして、実際にどのような部位に使われる部品を同社が製造しているのか、来場者にもすぐわかるような工夫を凝らしていたことも特筆すべきポイントです。
【今年のモーターサイクルショーのブーステーマ】
丸中洋行の自社ブランド「NTB」を多くのライダーに訴求することがブースのテーマです。またBSバッテリーやシートカバーの展示にも力を入れました。
丸中洋行の自社ブランドとなるNTB製品は、現行モデルから絶版車までありとあらゆる補修部品&消耗部品をラインナップしています。今回の東京モーターサイクルショーでは、新商品となるホンダC110クロスカブ用の補修用LEDヘッドライトをはじめ、近年ではメーカー純正部品が枯渇気味となっているカワサキゼファー400用のシートカバーやフロントフォーク・オイルシールなど、一般ライダーにとっても注目度の高い商品を数多く展示しました。
さらに、MotoGPのヤマハファクトリーライダーであるファビオ・クアルタルロ選手をサポートするフランスのBSバッテリーの特設ブースを用意。鉛バッテリーをはじめ、リチウムバッテリーも数多くのラインナップを展示していました。
【3年ぶりの開催、ユーザーに訴求したいポイント】
実際に部品を組み付けた状態のパーツを展示することで、ブースを訪れた方にも部品のイメージがつきやすいようディスプレイを用意しました。
丸中洋行のNTB製品は、バイク販売店などプロユースの商品がメインです。シートカバーをはじめ、メーカー純正品同等の品質を持つ各種オイルシールやヘッドライト、ケーブル類などあらゆる種類の部品を展示しました。
シートカバーやオイルシールなどの部品は、実際に使用するイメージができるように部品を組み付けた状態で展示することで、来場者にもNTB製品がどのような使われ方をするのか分かりやすいように工夫を凝らしていました。
MotoGPのファビオ・クアルタルロ選手をサポートする「BSバッテリー」
丸中洋行が近年力を入れているのが、フランスのバッテリートップブランド「BSバッテリー」です。欧州の二輪メーカーへのOEM供給をはじめ、MotoGPチームへの部品供給などをおこなうBSバッテリーは、独自の設計によって高性能化を実現した欧州でも指折りのバッテリーブランドで、丸中洋行は日本の正規代理店を務めています。
BSバッテリーは一般的な鉛バッテリーをはじめ、近年では一部車種で純正採用が進んでいるリチウムバッテリーも数多くラインナップしています。特にリチウムバッテリーについては、バッテリーマネジメントシステムを内蔵することで、常に最適な状況での使用が可能となっているほか、インジケーターも搭載しているのでバッテリーのコンディションをいつでも目視できるのもポイント。さらに、丸中洋行では、出荷する段階でバッテリーの電圧が最適になるよう、自社で在庫するバッテリーについてはすべて充電チェックをおこなっているそう。取り扱う種類が膨大なだけに、手間のかかる作業ですが、壷井社長は「確かなものをお客様へ届けるためには欠かせない作業なのです」と語っていました。
また、鉛バッテリーでは、ハーレーダビッドソン専用に耐振性や端子レイアウトを専用に開発した専用品もラインナップしており、あらゆる車両にフィットするラインナップを誇っています。東京モーターサイクルショーのブースでも、鉛バッテリーとリチウムバッテリーを別のショーケースで展示して、来場者たちの注目を集めていました。
【今年のモーターサイクルショーでの注目商品】
①3Dシートカバー
3Dシートカバーは、補修用のシートカバーです。3Dという商品名が示すように、実際のシート形状にフィットさせるために立体構造を採用したシートカバーです。また、縫い目を持たない構造としているため、防水性にも優れています。
写真上は丸中洋行がリリースするシートカバー。左はカワサキゼファー400用のシートカバーで、純正のシートパターンを忠実に再現したもの。右はアドレスV50用の3Dシートカバー。縫い目の一切ないシートカバーは取り付けに少々のコツが必要となりますが、当日のブースでは実際にどのようにしてシートカバーをシートベースへ装着するのかをわかりやすく解説したYoutube動画も放映していました。
②LEDヘッドライト
近年では純正採用が進むLEDヘッドライトもNTBの主力商品のひとつです。ブースでは、ホンダクロスカブのLEDヘッドライトをディスプレイ。
LEDバルブ本体だけではなく、ヘッドライトユニット全体を展示することで、実際に取り付けた際にどのような外観になるのかもわかりやすくアピールしていました。
③フロントフォーク用オイルシール&ダストシール
フロントフォークが正しく機能するためには必須となるのがオイルシールとダストシールです。ゴム部品ゆえ、経年劣化は避けられず、定期的な交換が必要になる部品ですが、車種によってはメーカー純正品が廃盤になるなど、旧車オーナーにとっては悩みの種のひとつです。
NTBでは近年旧車用の各種補修部品も数多く用意しており、今回の東京モーターサイクルショーではカワサキゼファー400用のフロントフォークASSYを持ち込んで、実際にNTB製のオイルシールやダストシールを組み込んだ状態でディスプレイしました。
商品①
スロットルからブレーキ、クラッチまであらゆるケーブルをラインナップ
商品名:NTBコントロールケーブル
バイクを正しく操作するために欠かせない部品がコントロールケーブルです。スロットルケーブルはもちろん、クラッチケーブル、前後ブレーキケーブルなど古いモデルほど数多くのケーブルが必要となります。これらのケーブル類は車種専用設計となっているため、取り回しや長さはもちろん、アジャスター金具の作りなども純正同等の仕様で再現しています。車種によってはメーカー純正品が絶版となっているものも近年では増えてきていますが、NTBでは実車ベースで寸法や仕様を確認してNTB製のケーブルを製作しているので、フィッティングに対する不安もありません。
商品②
エンジンの性能をしっかりと引き出すための必需品
商品名:成形エアフィルター
成形済みエアフィルターは、そうした車種も幅広くカバーしています。
ガソリンエンジンが正しい燃焼をおこなうためには、良い燃料・良い空気・良い火花の3要素が重要となりますが、そのうち良い空気を生み出すための必需品がエアフィルターです。キャブレターやインジェクターに綺麗な空気を送り込むためにはエアフィルターのコンディションがとても重要です。NTBでは、各車種向けに数多くのエアフィルターを用意しています。もちろん、車種によってエアクリーナーボックスの形状は大きくことなるため、NTBでは各車種のエアクリーナーボックスにフィットする成形済みエアフィルターを独自に製造しています。
商品③
快適な走行フィールを実現する駆動系の要
商品名:スプロケット
チェーンドライブの車両では、ドライブチェーンとともに定期交換部品となるのがドライブスプロケットとドリブンスプロケットです。NTBでは、消耗部品としての需要が高いスプロケットもラインナップしています。写真はCBR250R用のドリブンスプロケットです。純正品と同様に耐久性を重視したスチール製のスプロケットは、焼き入れ済みで強度的にも十分なスペックを誇っています。このほか、ドライブスプロケットも各車種用をラインナップしています。
【こちらも要チェックの商品!】
この他にもプロユース向けの補修&消耗部品を数多くリリースする丸中洋行。実際にどんな商品がプロたちに愛されているのか、代表的なアイテムを見ていきましょう。
商品④
しっかり止まる!そのために
商品名:ブレーキパッド&ブレーキシュー
バイクにまつわるあらゆる補修部品&消耗部品を用意するNTBでは、もちろんブレーキシューやブレーキパッドも用意しています。メーカー純正品同等の耐久性を持ちながら、リーズナブルな価格帯を実現したブレーキシュー&ブレーキパッドは、補修用部品としても需要が高い商品のひとつ。バイク整備を依頼する際に、リーズナブルに抑えたいときには「NTBのブレーキパッドで」とショップさんにお願いしてみましょう。
商品⑤
純正クオリティはミラーでも
商品名:バックミラー
後方確認を確実にこなすためにも、そして道路交通法的にも必須となる部品がバックミラーです。カスタム需要の多いバックミラーではありますが、純正同様のスタイルを好むライダーも多いはず。そんなときにはNTBのバックミラーがおすすめです。純正同様のデザインながらリーズナブルな価格帯を実現しており、補修用はもちろん、レストアの際にも重宝します。
商品⑥
スクーターの駆動系の要といえばこれ!
商品名:ウェイトローラー
スクーターで気持ち良い走りを実現するために必須の部品がウェイトローラーです。ウェイトローラーは、駆動系の要となるパーツですが、プーリー内部で常に動いているため、経年劣化によって摩耗が進む部品です。車種によってウェイトローラーの直径や重さなども細かく異なりますが、NTBでは純正品同等の仕様で幅広い車種をカバーしています。
商品⑦
スクーターの駆動系で最もトラブルが起きやすいのがベルト
商品名:ドライブベルト
スクーターの多くで採用する機構がベルトドライブです。そしてエンジンからの出力を後輪に伝える役目を持つのがドライブベルトです。特殊な材質を使用したドライブベルトですが、長年の使用によって劣化が進むと、ベルト本体に亀裂が入ったりすることもありますし、最悪の場合はドライブベルトが破断して走行不能になってしまうことも。
そうなる前に交換すべき部品がドライブベルトなのです。NTBでは、このドライブベルトについても幅広いラインナップを揃えており、一般的なスクーターはもちろん、酷使されがちなデリバリーバイク向けにも製品をラインナップ。もしかしたらあなたのスクーターのドライブベルトもNTB製かもしれませんよ。
商品⑧
じつはプーリー本体も消耗部品!
商品名:プーリー
スクーターの駆動系で重要な部品は色々とありますが、このプーリーもそのひとつです。ドライブベルトによる無段変速をスムースに行うために欠かせないプーリーは、長年使用すると本体自体が摩耗することもよくあります。そうした際にはもちろん交換が必要となりますが、古い車種によってはメーカー純正部品が廃盤になっていることも。NTBでは80年代の車両から現行モデルまで幅広いラインナップを取り揃えているので、古いスクーターのオーナーでも安心して乗り続けることができます。
商品⑨
気持ちの良い走りを司るクラッチ
商品名:クラッチウェイトASSY
クラッチウェイトもまた気持ちの良い走りを生み出すために欠かせないパーツのひとつです。NTBでは、メーカー純正品を丹念に解析した上で自社製品として再度設計をおこなっているため、精度はもちろん耐久性においてもプロショップから高い支持を得ています。
また、近年では純正部品が廃盤になったモデルでも、一部の車種についてはNTBブランドでラインナップしているので、部品に困っているオーナーはバイクショップ経由で問い合わせてみてはいかがでしょう。
商品⑩
エンジンのコンディションをキープするために
商品名:オイルフィルター
エンジン性能をしっかりと保つために欠かせないパーツがオイルフィルターです。エンジンオイル内の不純物を取り除くためにはオイルフィルターのコンディションがとても重要になります。NTBでは、規格品のオイルフィルターを多数用意しているので、あらゆる年式・形式のエンジンにフィットするオイルフィルターを探し出すことが可能です。消耗部品の代表格とも言える部品だけに、より多くの車種に対応したオイルフィルターを用意しています。