モトメガネの記事で「キースター燃調キット」を使わせてもらって約3年。
その間、実に10台ものキャブレターをオーバーホール、セッティングしてきました。




※キャブのみ93年式




※キャブレターはエイプ100に換装
車種と年式をあらためて見ると、新しくても20年前、古くは40年前のモデルもありますね。
そしてそのどれもが今も元気に道路を走りまわっています。
これって本当にスゴイことなんです。
あなたの身のまわりに30年前の製品で、いまも現役なモノってどれくらいありますか?
それらはきっと、頑丈で、構造がシンプルで、部品が手に入る製品だと思います。
キャブレターも同じ。頑丈&シンプルです。…が、部品が手に入るか? コレだけはメーカーからの供給が怪しくなっているんですよね。そんな不安を解消してくれるアイテムが「キースター燃調キット」です。
今回は、筆者であるボク(サブロー)が3年間でオーバーホールやセッティングをした10台のキャブレターを振り返りつつ、旧車ファンにぜひ使ってもらいたい「キースター燃調キット」の魅力をお伝えしていきます。
キースター燃調キット


カンタンに解説すると、キャブのリペア(修復)とセッティング(調整)が1箱で完結するオールインワンキットです。
通常、キャブレターをOHしようとすると、ガスケット、ニードルバルブ、各種ジェット類など、5~20個もの純正部品を注文する必要があります。それだけで手間もコストもかかりますし、古いバイクだと一部のパーツだけが欠品している…という絶望的な壁にぶつかることも。
ボクが、キースター燃調キットを「旧車ファンに使ってもらいたい」と思う一番の理由がコレ。メーカーでの生産が終了しているパーツが、キット内に当然のように含まれているからなんです。
旧車ファンにオススメする「5つの理由」
1番の理由は、もちろん絶版パーツが手に入ることです。キャブレターは構造がシンプルで、インナーパーツを新品にしてやればカンタンに性能を取り戻せます(著しく劣化したキャブは例外)。
理由① 絶版パーツが純正同等のクオリティで手に入る

キャブレターは非常に繊細で、1/100mm単位の寸法が狂うだけで性能が変化します。そのため、いい加減な精度で作られたパーツを組み付けてもパフォーマンスは取り戻せません。
キースター燃調キットの製造・販売元である岸田精密工業では、以下の手順を用いて純正パーツと遜色ない製品を作り上げているそうです。最重要視すべきは「精度」と「再現性」とのこと。


① 純正パーツを採寸
② 1/100mm単位で削り出せる自社の旋盤加工機に純正パーツと同じ寸法を入力
③ 数個~数千個規模で一度に大量生産
④ 製造したジェットの穴径などのサイズを、ピンゲージや治具を使って公差チェック
とくに重要な作業が①と④。まずは純正キャブレターを分解して採寸することで、サイズ・形状をデータ化し、それをもとに削り出します。最後に、削り出した部品の公差(許容範囲の誤差におさまっているかどうか)を確認します。ただ、公差から外れるパーツはほとんど出ないほど旋盤加工機の性能がすぐれているそうです。
理由② パーツが全部そろう&価格もリーズナブル
キャブレターのオーバーホールは新品パーツを何個も買いそろえる必要があります(多い車種だと約15個×気筒数+連結パーツ)。これが地味に大変で、品番や個数を間違えると作業が完成しません。

キースター燃調キットは品番や個数がキッチリとそろっていて、その手間が不要。
しかも純正部品をすべて買いそろえる費用の約1/3という点も見逃せません。お値段は、1キャブあたり税込み4,400円〜(一部車種を除く)となっています。
理由③ 対応車種が500以上
対応車種はメジャーから超マイナー車まで、なんと500車種以上! メイドインジャパンの精密技術で作られた、まさにキャブ車オーナーの救世主といえるアイテムなのです。「こんなマイナー車のパーツなんて作っているわけないよ」と思ったアナタも、ぜひ公式サイトを検索してみてください。そのラインナップに驚かされるハズです!
なお、対応する燃調キットが見つからない場合は、問い合わせフォームや電話で相談すると、可能な限り対応してくれるとのこと。
理由④ 純正以上の性能を誇るニードルバルブ(フロートバルブ)
ニードルバルブとは、キャブレター内に溜めておくガソリン量を調整する「弁」のこと。ガソリンが減ると開き、一定量になると閉じる役割を果たす超重要パーツです。

製造・販売元の岸田精密工業は、このニードルバルブを「純正以上の耐久性」と謳っています。ボクがOHしたキャブレターも、元はガソリン漏れがひどかったモノがいくつかありましたが、ニードルバルブ交換後はピタッと漏れが止まり、その後何年か経った今も調子を維持しています。

3年近くその状態を維持できています
理由⑤ 入手困難なニードルジェットを新品に交換可能
理由①と少し重複しますが、「ニードルジェットが新品で手に入ること」の恩恵はかなり大きいです。
ジェットやパッキンは他社製品もありますが、ニードルジェットまで作ってくれるメーカーは、岸田精密工業を除いてほとんどありません(一部の人気車種は例外)。


針の通路である「ニードルジェット」は、燃料の通路。針の上下や、ガソリンの流れによって摩耗して、見えないレベルで穴が広がります。
すると、燃料供給量が増えて濃い症状が出てしまいます。しかもニードルジェットはアクセルの中開度域を担当するパーツなので、街乗りやツーリングでもっとも多用する領域に影響を及ぼしてしまうんです。

気づかずにメインジェットなどでセッティングを出そうとして沼にハマってしまうライダーが非常に多いのだとか。岸田精密工業によると「弊社のニードルジェットに交換したことで、スムーズに吹け上るようになって感激されるお客さんが多いです」とのこと。
振り返れば10台。キースターと歩んだキャブ整備の思い出
ふと取材記事を振り返ってみると、この3年間でボクがキースター燃調キットを組み込んだキャブレターは、なんと通算10台にのぼっていました。
MT原付から250㏄4気筒、2ストローク車に、年式違いのキャブが組まれた「ニコイチ車両」まで、本当にさまざまなバイクに使ってきました。
ここで少し、とくに印象深かった3台の思い出を振り返ってみます。
3年放置の不動車「カワサキ・バリオス」の復活


長年放置されてガソリンが腐り、キャブ内がドロドロのガム状になっていたバリオス。4気筒分のキャブパーツを純正でそろえたら大変な金額(当時の価格で約5万円)になりますが、キースターのキット(4,400円×4気筒=1万7,600円)でインナーパーツを丸ごと新品へ刷新。1万9,000rpmまで吹け上がる超高回転サウンドが見事に蘇った瞬間は感動的でした。
40回のセッティング地獄から天国へ「ホンダ・モンキー+CB50Jキャブ」


腰上がカブ70、腰下がモンキー、キャブがCB50Jというキメラ的なマシンのため、セッティングのセオリーが通用せず大苦戦。ボクがセッティング初心者だったこともあって実に40回もセッティングをやり直しました。でも、キットに同梱されている豊富な番手のジェットとニードルを試し、ドンピシャのセッティングが出せた時の爽快感は格別。歴代キャブで最高の仕上がりになりました。
年式違いの謎を解き明かした「ヤマハ・セロー225W」

ジェットやニードルを純正の番手に合わせているのに、なぜかセッティングが出なかった中古のセロー225W。実はエンジンが95年式でキャブが93年式という、これまたキメラバイクでした。キースターの細やかな年式別ラインナップのおかげで、適合する番手を割り出すことができ、長年悩まされていたアフターファイアや回転落ちの悪さを解消できました。
まとめ:古いキャブ車を愛するすべてのライダーへ
10台のキャブ車にキースター燃調キットを使って実感したことは、「キャブの不調で悩む時間のほとんどは、この1箱で解決できる!」です。

「エンジンのかかりが悪い」「吹け上がりがイマイチ」「ガソリン漏れが止まらない」など、純正パーツが廃盤だからと諦めてしまう前に、ぜひご自身の愛車に適合する燃調キットを探してみてください。
しっかりとリペア&セッティングされたキャブレター車は、20~40年前のモノとは思えない、最高のレスポンスと走る喜びを教えてくれますよ!
(編集協力:岸田精密工業株式会社)








