バイクで走って楽しむだけでなく、ツーリングでの思い出や記録として動画に残したり、さらには仲間うちで共有したいライダーたちの頼もしい相棒として、360度ぐるりと撮影できて動画編集も驚くほど簡単にできてしまうのが、全天球VRカメラで世界シェア1位を誇るInsta360ブランドの360度カメラだ。
そんなInsta360から最新モデルとなるフラッグシップモデル「Insta 360 X5」が登場。X4からとんでもなく進化を遂げたというX5の実力を、実際にナイトツーリングでX4と比較してみた。
X5によるナイトツーリング動画に加え、同条件で撮ったX4とX5の比較動画もアップしているので、ぜひご堪能あれ! 詳細はじっくりとこの記事を読んでもらうとして、新型のX5は『夜景』の撮影が驚くほど得意で、昼間の映像も『臨場感と奥行き』が段違いに良くなっていたのだ。
夜景&絶景スポットを巡るナイトツーリングが面白い!
東京マラソンのコースは夜の散歩にうってつけ
各自治体が自信を持ってオススメしたい見応えたっぷりのスポットが散りばめられているのが「マラソン大会のコース」。実はこのマラソンコースがプチツーリングに最適なのだ!
各自治体の名所を巡ることが多く、お手軽にバイクで散歩がてら走るにちょうどよかったりする。いつも同じルートを走って最近飽きてきた……とか、遠くまで走りにいく時間がなかったり、ツーリングルートを考えるのが苦手だったりするひとにもオススメ。
そんなプチツーリングのお供にX5とX4を装着。都内を巡る「東京マラソン」のコースを参考に、夕方から夜にかけてナイツーを敢行した。

前作のX4からカメラのイメージセンサー面積が144%拡大した1/1.28インチの大型デュアルセンサーを搭載し、さらに夜景をキレイで簡単に撮影できるPureVideoモードも備えたのだ。X5の実力はいかに!? (結論、めっちゃスゴかった!)
X5とX4をナイツーで比較検証してみた!

マシンにデバイスを安心して装着できる強力なユニバーサルクランプ「ヘビーデューティークランプ(6700円)」を使用して、比較検証に同行してくれたモトメガネ編集部員・矢部氏のマシンのハンドルにX5とX4を装着した。
検証時の2台のデバイスの状態
- 正面が進行方向を向くように設置(自動風切音低減は有効に)
- 比較的低照度でも弱くない5.7K 30fpsで撮影(X5は暗所ではPureVideoに切り替え)
- X5はあえて耐久モード(連続撮影時間185分)を使わずに撮影した
今回は夜景に焦点を当て、X4でもギリギリ夜間に対応できそうな5.7K/30fpsにX5も合わせて撮影。大きな違いは出ない可能性も? と思ったが、明るい時間での撮影以外はX5の大きな進化を見せつけられる結果となった!
今回は使用しなかったが、センサーが従来より大きくなったX5の『8K/30fps』で撮影すれば、より広い明るさの幅をとらえ、シャープで色鮮やかな映像を記録できる。また、X5で新たに使えるようになった『5.7K/60fpsのアクティブHDR撮影』では、明るい部分と暗い部分が混ざった場面でも、細かい部分までくっきりと映し出すことができる。
そもそも8Kとか30fpsってなんなのさ?
動画の設定でよく見る「5.7K/30fps」や「5.7K/60fps」などの表記は、解像度(K)とフレームレート(fps)を意味している。
「K」は横の画素数を1,000単位で表したもので、画質のきめ細かさに関係する。
| 解像度 | 画素数(横×縦) | 特徴 |
|---|---|---|
| Full HD(1080p) | 1920 × 1080 | 標準画質。容量少なめ。 |
| 4K | 3840 × 2160 | 高精細。編集にも向く。 |
| 5.7K | 約5760 × 2880 | 4K以上。後からズームしても劣化しにくい。 |
| 8K | 7680 × 4320 | 超高精細。風景や記録映像に最適。編集耐性も抜群。 |
「fps」は1秒あたりのコマ数(frames per second)。
例えば60fpsで撮影した映像を30fpsで再生すると、1秒分の60コマを2秒に引き伸ばせる。高fpsになるほどになめらかな映像となる。
ただし高fpsになるほどシャッタースピードが速くなり光を取り込みにくくなる。結果として暗所撮影には高fpsは不向きなのだ。
| fps | 特徴 | 向いている撮影 |
|---|---|---|
| 24fps | 映画のような質感 | 映画風Vlog、旅動画 |
| 30fps | 自然な動き | 一般的なYouTube、トーク動画 |
| 60fps | なめらか | スポーツ、アクション、スローモーション対応 |
| 120fps以上 | 超なめらか・スロー用 | ダンス、ジャンプ、水しぶきなどの演出用 |
暗いのにキレイに写るX5!【比較動画あり】
これはもう完全にX5のスゴさを体感させられた! 百聞は一見にしかず、とはまさにこのこと並みにまったく映りが違っていた。


ただ露出を上げた感じで明るく映るのかな? と最初は思っていたのだが、X5は夜闇とのコントラストはしっかり残しつつ、X4では暗く沈んでしまっていた被写体や背景の陰影までもがしっかりくっきりと表現されていた。
ノイズ処理をしてくれる新しいAIチップ搭載で実現したPureVideoモードによる夜間動画の美しさは、これだけでも買う価値あり! と言えた。そんなわけでこの時点ですでにX5のオススメ度MAX。
夜景がキレイで見所盛りだくさんなナイツーにも最適なわけです。
細部までくっきり再現していて臨場感高し!【比較動画あり】


5.7K/30fpsによる明るい時間帯での撮影はパッと見では大きな違いは見つからなかったが、X5のほうがより輪郭などがビッとしまって色彩にも奥行きがあり、ツーリングで後方を走っている仲間の姿もバッチリ捉えられた。
X4使いの筆者としてもこれは嬉しい点。X5をゲットしても、これまで通りX4もサブとして活躍してくれることに期待できた。
8K撮影はバッテリー負担が大きいので使用しなかったが、X5の8K/60fpsでも少し撮っておけばよかったとちょっと後悔。度肝を抜かれるくらいX4とは別次元に美しく撮れることは、間違いない!
余計な騒音をカットしてくれて映像に集中できる【比較動画あり】
風切り音に関しては、結構な違いがあった。X5で設定できる「風切り音低減・強」では、X4ではしっかり拾ってしまっていたバババババビュルーといった風にありがちな不定期なぶつかり音がほぼなく、より精度の上がった音声で録音されていた。
走行中のシフトチェンジの音や2台のエンジン音、インカムで世間話をする声などもクリアでわかりやすい。また、エンジン音や周囲の音がよりソリッドに表現されており、信号で前に止まっていた他バイクのエキゾーストの聞こえのカッコよさもかなり違っていた。
もちろんX4でもオプションアクセサリーとしてX4専用の「風防マイクカバー(1700円)」が用意されており、装着することで風切り音を軽減させることができる。
だがX5は、内蔵されたウインドガードにより設定を変更するだけで本体のみで音声から風切りの膜を省き、さらに臨場感のある音声を録れるという点に驚いた。
ズームしても画像がくっきりなX5

どちらも狭角45°になるまでズームしたところ。元画像はX5。
歩きながら360度カメラを操作するなら気になるポイントなどを撮影時にしっかりと撮影できるだろうが、運転に集中すべきツーリング中は基本撮りっぱなし。後で走行中に見つけた気になるポイントやフォーカスしたい場面など、動画編集時にズームする機会が多い。
この時、気になるのがズーム時の画質のザラつきや輪郭の崩れ具合。X5はややザラつくものの、輪郭や色味が崩れることはなかった。
今回は敢えてどちらのデバイスも5.7K/30fpsにしているが、よりズームに強い5.7K+や8Kでの撮影ならよりクリアになるだろう。
ちなみに夜間撮影だとX4で撮ったものが暗すぎたり、すでにノーマル状態でガビていたりとズームうんぬん以前だった。
バッテリーの保ち具合はまさかの結果に!
バッテリーの保ち具合は、結果から言うと実はX4のほうが良かった。ちょうど1時間半ほど動画を回しっぱなしにしたところ、1時間半経った時点でのバッテリー残量はX5が37%、X4が50%だったのだ。
出発時にいろいろイジっていたのを考慮し誤差1〜2%アリということを踏まえても、X4のほうが10%以上多くバッテリーが残っていた。
もしかしたら、X5はより高機能になった分、機能によっては使われる量がかなり多いものも増えているのかも? と少し不安に思ってみたり。
持参したモバイルバッテリーは急速充電ができないものだったこともあり、30分ほどの充電で54%だった。休憩時に都度充電すれば問題なかったので一安心。
急速充電なら20分で80%まで充電できるので、よりバッテリー残量を気にせず撮影し続けられる。
なお、不要な機能を全てオフにして5.7K 24fps で撮影する「耐久モード」をオンにすれば185分もバッテリーが保つので、日中のツーリングなら撮りっぱなしでも心配無用!
大きく進化したInsta360 X5
注目の機能も紹介!
Insta360の新しいフラッグシップ8K 360度アクションカメラ「X5」は、昼夜を問わず卓越した画質で賑やかな市街地や穏やかな⾵景に激しいアクションまで、優れた堅牢性/防⽔性/防塵設計により、あらゆるシーンで活躍してくれるスグレモノ。
シリーズを通してAI搭載機能により360度コンテンツの撮影から編集、共有まで動画未経験者でも扱いやすく簡素化され、どのデバイスからでもアクセスできる抜群の利便性も備える。

すぐに動画を仲間に共有したい! そんな時に超便利
『インスタフレーム(InstaFrame)』

フレーミングは「決まった方向を追う固定ビュー(前⽅、後⽅、上、下、またはカスタム)」か、「動画全体を通してフレームに収まる⾃撮りビュー」かで選択可能で、撮影後の動画編集やリフレーミングの必要がない、すぐに共有できるフラット動画を撮影できる。
また、インスタフレームで設定したフレームだけでなくフルの360度動画も同時に録画されているので 、あとから思い通りのリフレーミングや編集をすることも可能と安心だ。
趣味の動画をとりつつ、もしもの時にも使える!
『ドライブレコーダー』としても心強い360度カメラ

ドライブレコーダーとしての機能も備えるのがX4、X5の360度カメラとして優れた点のひとつ。
ループ録画モードも備えているが、ロード・モードでは任意で設定した一定のストレージ容量内&時間内&適した解像度/フレームレートでループ録画を行なうことができるので、通常の動画撮影に使いたい容量残量を気にせずにドラレコとして使用することが可能だ。
万一の時に360度でその瞬間を押さえているので、周りの動きを含めた状況証拠としてもしっかり把握できるのが大きい。
動画を撮りたいのに容量いっぱい……を防いでくれる
『 Insta360+ クラウドサービス』
これまで動画編集をするにはデバイスをスマホと繋いでアプリで編集するか、もしくはスマホに一旦データをダウンロードしてからアプリで編集していた。
あまりにも360度動画データのサイズが膨大なので筆者の容量1TBのiPhoneでも作業時にみるみる容量が埋まっていくのが恐怖だったのだが、なんと救済となるサービスが降臨してくれた!


サービスはX4とX5に対応しており、契約はInsta360アプリアカウントごとなので、デバイスに縛られずX4もX5も共に撮影後はおうちのWi-Fiでしっかり同期し、クラウドにバックアップしてくれた。
さらに素晴らしいのが、クラウド上にデータを置いたまま編集ができる点。どんなにデータ容量が多くても安心して動画をイジれるのだ。
ちなみに矢部氏所有のX4とX5のデータも、MicroSD2枚を受け取って筆者のデバイスに入れて同期させ、クラウドに保存できた。計3台分の動画データでも、これまでのようにスマホの容量を気にせずに扱えるのが最高にありがたかった。
Insta360+ クラウドサービスのプラン一覧(2025年6月現在)

これから360度カメラを買う人は迷わずX5! X4使いもグレードアップすべし
今回X5とX4を比較してみて、筆者的に木や山の影などで陰影がでやすい林道ツーリング/ナイトツーリング/ナイトイベント/キャンプでの焚き火などなど、これまでX4で諦めていた画をX5ならクリアに情景的に撮れるに違いない! と打ち震えた。
「こうだったらより良いのにな」とX4を愛用しながら感じていた機能や性能や音が、驚きのレベルで進化していたのだ。
目に映った景色をよりダイナミックに色彩豊かに表現でき、走行中は見えていなかったシーンまで自在に切り取っても美しい映像。
風切り音でくぐもって聞こえていた愛車の奏でる音がクリアかつ臨場感たっぷりに聞こえる気持ちよさ。
思い出すのは日没間近の林道を走行中、かわいいウリ坊が山から転げ落ちてきてお互いビビって謎の併走をした時、X4を運良く回していたのだが黒いモヤしか映っていなかったあの悔しさ。
X5ならあの日のウリ坊のかわいさもしっかりと映っていたに違いない。
最大6ヵ月間クラウドストレージが無料になるキャンペーン実施中!
Insta360 X5を購入し2025年7月21日までにアクティベートすれば、200GBのInsta360+クラウドサービスを6ヵ月無料で利用できちゃうサービスなのだ。
サービスを使ってみると、その便利さと手軽さと安心感に既存ユーザーは歓喜に打ち震えること間違いなし!
これから360度動画デビューする人にももちろんオススメ。解約はいつでもできるので、キャンペーン期間が終わっても使いたい時だけ使うもよし。
また、すでにサービスに加入しているX4ユーザーでも、新たにX5を購入しアクティベートすることでキャンペーンの特典が反映される(現在の契約終了後に反映)のでキャンペーンの恩恵を受けられるのが嬉しい。
Insta360 X5 旧型との改善点とスペック詳細
X4からの主な改善点まとめ
(編集協力:Insta360Japan 株式会社)






