今春に日本市場に参入したフルヒトロス(FURCHTLOS:ドイツ語で恐れしらずの意)はヨーロッパ発のバイク用ボックス&バッグブランドだ。既にヨーロッパやアジア圏での人気は定着しており、何といってもその魅力はデザイン性の高さだ(ドイツの権威あるデザイン賞「レッドドット賞」2年連続受賞)。開発陣は生粋のバイク乗りという事もあり機能性や使い勝手などディテールにまで拘っている。
主な製品ラインナップシリーズとしては下記4シリーズとなっており、
RANGERシリーズ:アルミ製のトップケースとサイドケースが特徴で、耐久性と防水性に加え、堅牢性にも優れたモデルをラインナップ。
EVERESTシリーズ:大容量かつ防水性や耐久性にも優れているので、長距離ツーリングに適したモデルが多く、専用のマウントなどを必要としないので、RANGERシリーズよりも取り付けが手軽なシリーズ。
LEGACYシリーズ:クラシックなデザインと最新の機能性を融合したモデルで、最新のアドベンチャーモデルのバイクだけでなく、クルーザーモデルやトラディショナルなスタイルのバイクにも似合うデザインとなっている。
SHIELDシリーズ:防水性と耐久性に加えて、日常使いでの使い勝手の良さを重視したモデルで、過酷な環境下での常用にも対応できるモデルを展開。
今回はLEGACYシリーズからSADDLEBAG 12L/16Lを実際に筆者のヤマハ・SR400に取り付けて使用してみたインプレッションを紹介していこう。
SADDLEBAG 12L/16L : impression

今回紹介するのは、SADDLEBAG 12L(写真左)/ SADDLEBAG 16L(写真右) 。
いずれもフルヒトロスのLEGACYシリーズからのラインナップで、バッグの特徴としては高性能ながらもハイテクすぎないデザインとすることによって、クルーザーやオーセンティックなスタイルのバイクにも違和感なく馴染む、まさに羊の皮を被ったオオカミのようなバッグである。



こちらのバッグはIPX5防水となっており、走行中の少しの雨くらいなら荷物が濡れる心配は少なく、その表皮はレザー調のしっとりとしたツヤ感が美しい仕上がりだ。
バッグの両サイドについたモールシステムは米軍の装備システムMOLLE(モール)を構成する仕組みの一つ「PALS(パルス)ウェビング」と呼ばれる規格で、1インチのウェビング(帯)が決められた間隔で縫い付けらえれており、これを利用して対応する装備を拡張することが可能となっている。
SADDLEBAG 12L/16Lでは容量の他には大きな変更点はないのだが、下記が異なる。
・フロントの留め具(12L / フック、16L / マグネットロック)
・インナーパッドの有無(16Lのみ
パッド入りコンパートメントあり)


メインとなる荷室のファスナーにはロックを取り付けられるようになっており、止水ファスナーとなっているクイックアクセスポケットはキーフックも装備。
また、バッグ単体で自立するほど型がしっかりしているだけでなく、表皮とインナーの間にはパッドが入っている。
さらに、インナーはふわふわした起毛素材となっているため、これならPCやタブレットなどの大切な荷物も安心して収納することができそうだ。


16Lサイズのバッグにはインナーに脱着可能なアジャスターパッドも付属しており、目的や収納アイテムに合わせて調節できるのはありがたい。
さらに、筆者の15インチのMacBookAir(2024)もジャストサイズで収納可能だ。
これまでになかった、さすがのヨーロピアンデザインが秀逸…!

実際に筆者のヤマハ・SR400に装着してみると、シートのレザー感と合わせても全く違和感がないデザインで、まるで純正オプションのようではないか。
これまで数多くのサドルバッグを使用してきて、どれも良くも悪くも『バイクギアらしい』アイテムが多い中、ここまで違和感が少ないというのはお世辞抜きにさすがのヨーロピアンデザインだと頷ける。
今回は容量の大きな16Lを車体左側、ひと周り小さな12Lを車体左側マフラーがある車体右側に取り付けた。



取り付け方法もシンプルで、フックのついたベルトを反対側のグラブバーからシートを跨いで取り回し、サドルバッグサポートにバッグ背面のベルトを固定するだけだ。



付属品は車体に取り付けるベルト2本(16Lは4本)とバッグ背面のベルトに加えて、バッグを車体から取り外した際の持ち運びが便利なショルダーストラップや、雨でも安心のレインカバーまで付属している。
自分のバイクや使い方に合ったお気に入りのバッグに出会おう!

私にとって、お気に入りのアイテムがもたらすバイクライフの充実感というのはかなり大きく、お気に入りのバイクにお気に入りのウエア、お気に入りのバッグというのは非常に重要なファクター。
ただし、お気に入りのアイテムに出会うまでの道のりはそう簡単ではなく、デザインの仕事もする私は使う道具やアイテムへのこだわりが異常に強く、「これでいっか」と思える基準がどうやら他人よりも高いのである。
ギアとしての機能性ももちろん大切なのだが、自分の中ではデザイン性というのも絶対に譲れないポイントで、フルヒトロスのSADDLEBAG 12L/16Lはそのどちらも叶えてくれる、私にとってはまさに夢のようなアイテムだ。
しかし、その反面気に入ったものは徹底的に使い続け、その挙句壊れても修理したり、全く同じものを買ったりと、これこそが私が物持ちが良いと言われる所以で、実は普段からそんな感覚ってバイク乗りの皆さんにも通じるところが多いと思っている。好きで乗っている乗り物だからこそ、周辺アイテムについてもお気に入りのものを揃えたいと考える方も少なくないはずだ。
フルヒトロスのアイテムはどれも最新技術を駆使した機能性の高さや製品クオリティの高さを確保しつつ、バイクや使い方に合わせたデザイン性についても豊富に展開しているので、バイクシーズン真っ只中の今、ぜひ一度チェックしてみてはいかがだろうか。








