ジャケットやグローブ、プロテクター、そしてブーツなどあらゆるライディングギアを自社で開発するフラッグシップ。バイクを愛するスタッフたちが、ライダー目線で生み出す製品は多くのライダーに支持されています。今回はフラッグシップのアイテムの中では定番とも言えるライディングシューズをご紹介します。それがストラテージ・ショートブーツです。

デザインはもちろん、履くと分かる快適性

フラッグシップでは、以前からライディングに特化したオリジナルブーツをリリースしていました。このストラテージ・ショートブーツは、ミリタリーやタクティカルブーツなどをモチーフとしながら、ライディングに特化したつくりで人気を博してきたモデルです。新型のストラテージ・ショートブーツではアッパーのデザインをさらにシンプルにしながら、全体的なデザインは従来モデルからさらにモダンに進化しています。

これまでのモデルとは異なり、特につま先の周辺は構成パーツを減らしてシンプルかつシャープなデザインに生まれ変わっています。
人気の秘密、SPIN-ONシステムが生み出す極上のフィット感
ストラテージ・ショートブーツが高い人気を誇る理由のひとつ、それが「SPIN-ONシステム」と呼ばれる機構です。シューレースやベルトバックルではなく、高い強度を持つ細いワイヤーを丸いダイヤルを使って締め付けることで、素早く確実にフィッティングを調整できるのです。

使い方はとても簡単です。締め付けるときは、丸いダイヤルを時計方向に回すだけ。シューズを脱ぐ時や、締め付けをやわらげたいときは、ダイヤルを引っ張るとワイヤーのテンションが解放される仕組みです。


上の写真はダイヤルの状態を撮影したもの。右はノブを引っ張った状態で、この時ワイヤーのテンションは緩くなります。足を通して締めつけるときには、ダイヤルを戻して時計方向に回すだけでOKです。


このダイヤルは引っ張る際にも回す際にも適度なクリック感があるので、とても使いやすいつくり。

グローブをはめた状態でも操作しやすいのも大きなメリットです。
締めつけをどのくらい変化させられるのか?
ではこのSPIN-ONシステムでどのくらいシューズの締めつけを変えられるのでしょうか。下の写真をご覧ください。






きつめに締めこんだ状態が左端の写真で、右端はテンションがかかるぎりぎりまでゆるくしめつけた状態です。甲と足首の2か所にSPIN-ONシステムを搭載しているので、足の形や足首のフィット感の好みに合わせて調整できます。
筆者の足は幅広で甲高なので、既存のライディングブーツではサイズ選びに苦労するのですが、ストラテージ・ショートブーツはどんな足の形でも自在にフィットさせられるフレキシブルさを備えているのです。
たとえば、足首周辺はきつめに締めて、甲のほうにはゆとりを持たせる、そんなフィッティングも可能なのもこのシステムの良さ。通常のブーツではなかなかできない履き心地を自分で作り出せるのは大きなメリットです。今回テストではのべ2500km程度を走行しました。真夏から秋口まで、合わせるパンツやソックスが変化する状況でも、ワンサイズのブーツで履き心地を変化させられるつくりはとても便利だと感じます。
季節を問わず快適な内装


ストラテージ・ショートブーツの良さはまだまだあります。筆者が履くたびに感心したのは内装の快適さ。新型ストラテージ・ショートブーツは従来モデル以上に防水性が高くなっていますが、意外にも蒸れづらいのです。というのも内装にはナイロンメッシュを採用していて、つねにサラサラな履き心地なのです。
テストで使用した期間では、夏場の高速道路でそれなりの雨に打たれてしまったこともありましたが、1時間ほどの雨中走行でも浸水はなく、足元は常にさらっとしていました。またやや気温が下がった秋口でも足が冷えづらく、この性能であれば真冬でも足の底冷えをかなり防げると感じました。
もちろん、このストラテージ・ショートブーツの快適性を最大限にいかすには、最適なソックス選びが重要です。夏場は蒸れづらいソックスを使用し、冬場は保温性に優れるソックスを選ぶことで、ブーツが持つ本来の快適性を体感できるはずです。
スマートなトゥは操作性も抜群
従来モデルよりもつま先周辺のパーツ点数を減らして、よりシンプルかつシャープに進化したストラテージ・ショートブーツ。シフトチェンジはさらに操作感がアップしたと感じました。


筆者は従来モデルでも4000km近くを走行していましたが、新型のストラテージ・ショートブーツでは特にシフトチェンジの操作がやりやすくなったと感じます。左足に装着されたシフトパッドの位置も適切で、自然な変速操作が可能です。

上は2,500kmほど使用した筆者のブーツ。使用した距離に反して、シフトパッドの使用感はほとんどありません。パッドに使用される樹脂素材の耐久性はかなり高そうです。
ヒールやソールの作りも秀逸
ヒールに関しても構成パーツの配置はよく考えられています。


筆者はライディングの際にブーツの踵をステッププレートにピッタリとくっつけるタイプで、手持ちのスニーカーや他のブーツは踵の横側がかなり擦れてしまうのですが、このブーツでは適度に人工皮革の補強が入るほか、樹脂パーツもたくみに配置されています。


ソールのグリップは従来モデル同様にかなり信頼できます。ステップの上ではもちろん、街歩きでも一切違和感はありません。そもそもブーツ自体が軽い履き心地なので、ツーリング先で歩き回っても全く問題なし。これまでのモデルの長所もしっかり引き継いでいます。
この進化をお店で試してみよう

上の写真は筆者が使用したブーツ。約3000kmほど使用した状態です。意外にも新品のような状態をまだキープできています。何度か雨に打たれましたが、足元は常に快適でしたし、峠道や高速道路での操作性は従来モデル以上にやりやすくなったと実感しました。
季節や天候を問わず気軽に履けて、さらに履き心地と操作性が向上したストラテージ・ショートブーツ。これからブーツ新調を考えている方はぜひその履き心地をバイク用品店で試してみてはいかがでしょうか。








