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新品タイヤはすぐ全開NG?バイクの「皮むき」が必要な理由

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

春のツーリングシーズンを前に、新しいタイヤへ交換するライダーも多いのではないでしょうか。
その際によく耳にするのが「タイヤの皮むき」という作業です。
では、この皮むきは本当に必要なのでしょうか。

目次

皮むきはタイヤ本来のグリップ力を引き出すための作業

春の本格的なツーリングシーズンに向けて、新しいタイヤに交換して走り出そうと考えている人も少なくないかもしれません。

真新しいタイヤを装着した直後は、すぐにスピードを出して乗り心地や性能を試したくなる気持ちになりがちですが、新しいタイヤで安全に走るためにはとある工程が推奨されています。

そもそも、新品のタイヤの表面には工場で製造される際に金型から外しやすくするための離型剤という薬品が付着しています。

この離型剤はワックスのような油分を多く含んでおり、そのままの状態では道路の表面をしっかりとつかむことができません。

また、新品のタイヤはゴムの表面がなめらかに仕上がっているため、アスファルトの細かい凹凸に食い込みにくい状態であることが一般的です。

そこで、タイヤの表面を適度に削って荒らし、表面に付着している離型剤を少しずつ削り落とす「皮むき」と呼ばれる工程が重要になります。

同時に、ゴムの表面に適度なざらつきを持たせれば、道路との摩擦力が高まり、安定したグリップ力を発揮できるようになります。

なお、一般的に皮むきは、100km程度の距離を急発進や急ブレーキを避けて慎重に走行することで完了するといわれています。

この期間は、タイヤが本来の性能を発揮するための準備段階であり、バイクと運転者が新しいタイヤの感覚をつかむための過程ともいえるでしょう。

ただし、直線道路を走るだけではタイヤの中央部分しか皮むきができません。

そのため、徐々に車体を傾ける角度を深くしていくことで、タイヤの側面まで全体的に皮むきを安全に進めることが可能です。

さらに、走行を重ねてタイヤに熱を加えることで、ゴムの内部の成分が均一に混ざり合い、本来の柔軟性が引き出されます。

この工程を丁寧におこなうことで、ツーリング先での予期せぬスリップを防ぎ、安全な走行を保つことができます。

実際に新品タイヤで転倒事故が起きるケースの多くは、この皮むきが不十分な状態で強い加速やコーナリングをおこなったときだといわれています。

皮むきをせずに全開走行をおこなうとスリップするリスクも

では、もし皮むき作業を無視して新品のタイヤでいきなり全開走行をおこなったら、どのようなリスクが生じるのでしょうか。

まず、後輪が空転してスリップするおそれがあります。

特に、カーブを曲がるために車体を傾けたりコーナーの出口で急加速をおこなった際に、タイヤが道路の表面をつかみきれずに横滑りを起こしかねません。

バイクは2つの車輪でバランスを保って走るため、タイヤが一度大きく滑り始めると運転の技術だけで立て直すことは困難です。

結果として、転倒してバイクを破損させるだけでなく、ライダー自身も怪我を負うリスクが高くなります。

また、雨の日や気温が低い日は道路とタイヤの摩擦力がさらに低下するため、皮むきが終わっていないタイヤでの走行にはより慎重さが求められます。

前出のように、新品のタイヤはゴムがまだ道路の環境に馴染んでおらず、本来の柔軟性を発揮できていない状態でもあります。

そのため、そのような状態で負荷をかけるとタイヤに摩耗が発生したり、表面が部分的に剥がれたりして寿命を縮める原因にもなりかねません。

くわえて、とくにマンホールや白線といった滑りやすい所を皮むき前のタイヤで通過することは、スリップのリスクをさらに高める要因になりえます。

新しいタイヤの性能を過信せず、最初は滑るという前提で運転することが、転倒事故を防ぐための大切なポイントになるというわけです。

まとめ

新品タイヤを装着した直後は、早くその性能を試してみたくなるかもしれませんが、いきなり全開走行をして転倒してしまっては、せっかくのツーリングも台無しになってしまいます。

まずは控えめな運転で表面の離型剤を落とし、徐々にタイヤを道路に馴染ませる皮むきの工程が安全への近道となります。

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