ヤマハ発動機販売株式会社が、「MT-09 SP ABS」を7月28日(水)に、また「MT-09 ABS」を8月26日(木)に販売を開始する。
従来モデルからはエンジン、フレーム共に完全なる新設計となっており、新開発、新技術が多く取り入れられながらも、約4kgの軽量化を実現している。
価格は、MT-09 SP ABSが126万5,000円。MT-09 ABSは110万円が設定されている(価格は共に税込み)。
フルモデルチェンジしたロードスポーツ「MT-09 ABS」発売 ~エンジン、フレームを刷新、新技術を活用した軽量ホイール初採用などで大幅進化~
ヤマハ発動機株式会社は、ロードスポーツ「MT-09 ABS」をフルモデルチェンジし、8月26日に発売。また上級仕様の「MT-09 SP ABS」※を7月28日に発売する。
「MT-09 ABS」は、従来からの“Torque & Agile”のキャラクターを継承・進化させ、ライダーに“Feeling”をもたらす“The Rodeo Master”をコンセプトに開発された。
エンジン・車体ともに刷新することで大幅に進化させながら、随所に軽量化技術を織り込み、従来モデル比で約4kg軽量に仕上がっている。
新たな特徴は、
1)トルクフルな新888cm3CP3エンジン、
2)最低肉厚1.7mmの軽量CFアルミダイキャスト製新フレーム、
3)独自のSPINFORGED WHEEL(スピンフォージドホイール)技術による軽量アルミホイール、
4)トルク感と加速感を表現したサウンドデザイン、
5)新IMUを活用した運転操作を支援する各種制御、
6)感覚を刺激する新ボディデザインなどが挙げられる。
※「MT-09 SP ABS」は、「MT-09 ABS」をベースに、オーリンズ製リアサスペンションやダブルステッチ入りシート、塗り分け塗装のタンクなど、性能と品質感を向上させたモデル
【2021年モデルの新たな特徴】
1)トルクフルな新888 cm3 CP3エンジン
“クロスプレーン・コンセプト”※に基づき開発した排気量アップの888cm3 CP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンは、ボア・ストローク:78.0mm ×62.0mm、11.5:1の圧縮比から優れたトルク・出力特性を発揮する。
またピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフト、クランクケースなど主要パーツの多くを新設計し、軽量に仕上げられている。
燃料供給系も一新し、インジェクターは従来のシリンダーヘッド直付からスロットルバルブ側に取り付け位置を変更。
噴射はバルブ傘裏方向とし、優れた燃焼効率を引き出している。こうした燃焼改善と軽量化により、燃費の改善も実現している。
※クロスプレーン・コンセプトは、慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想
2)最低肉厚1.7mmの軽量CFアルミダイキャスト製新フレーム
最新のCFアルミダイキャスト技術により、最低肉厚1.7mmを実現した軽量アルミ製フレームを採用(従来は最低肉厚3.5mm)。
エンジン搭載角を47.5度から52.3度へと立て気味にしてコンパクト化し、ディメンションを最適化している。
また直進安定性と操縦性を両立させるために、縦・横・ねじり剛性のバランスを調整し、とくに横剛性は従来比で約50%アップ、直進安定性に貢献している。
さらにヘッドパイプの位置を従来比30mm下げることでフロント荷重をかけやすくし、旋回時の優れたフロント接地感に貢献している。
アルミパネルを溶接したボックス構造のリアアームは、高剛性と軽量化を両立。ピボット締結をリアアームの外側からフレームで支える構造に変更し、剛性チューニングやシート周辺形状の作り込みとの相乗効果で、スリム感を維持しながら優れた直進安定性、コーナリング安定性を実現する。
リアフレームもCFアルミダイキャスト製とし、フレーム、リアアームとの合算で従来比約2.3kg軽量化、アジャイルな走りの味を洗練させている。
3)独自のSPINFORGED WHEEL技術による軽量アルミホイール
ヤマハ独自のアルミ材の開発と工法の確立により“鋳造ホイールでありながら鍛造ホイールに匹敵する強度と靭性のバランス”を達成したヤマハ独自の“SPINFORGED WHEEL”技術による軽量ホイールを初めて採用。
従来モデルより前後で約700g軽くなり、さらにリアの慣性モーメントが11%低減、アジャイルな運動性能に貢献している。
4)トルク感と加速感を表現したサウンドデザイン
“排気音”“吸気音”の質が“乗り味”に寄与する重要な要素であることに着目し、排気・吸気を独自に設計・チューニングし、トルク感・加速感を演出する。
排気音は 1.5段膨張室サイレンサーと左右シンメトリーのテールパイプを採用することで、発進時はリアの駆動力と同期した排気音によってトルクを感じ、スロットルを開けた瞬間に音が増大して聴こえるような、スイッチ感のあるサウンドが響きわたらす。
そして回転上昇に従って、ライダーへの主音源が排気音から吸気音へ切り替わるように調整されている。
吸気音は、断面積と長さの異なる3つの吸気ダクトを採用し、各ダクトによる吸気音を各周波数帯で共鳴させ、かつ音圧をチューニングすることで中・高回転域でサウンドを強調し、気持ちの良い加速感を演出する。
5)新IMUを活用した運転操作を支援する各種制御
新開発の「IMU」(Inertial Measurement Unit)を搭載。
2015年モデル以降の「YZF-R1」で実績のある「IMU」の基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を実現している。
IMUの情報は、エンジン出力を制御する「ECU」(エンジンコントロールユニット)及び、ブレーキ油圧を制御する「HU」(ハイドローリックユニット)に展開される。
個々の制御は相互に連動して運転操作を支援、マシンのポテンシャルを効率良く引き出し、各システムとも、介入レベル調整、およびON・OFF設定が可能となっている。
“Torque & Agile”なモデル特性に合わせた自然な制御が特徴である。
6)感覚を刺激する新ボディデザイン
2014年の初代、2017年の2代目を受け継ぐ3代目として、大きく進化したそのポテンシャルを表現する新スタイリングを採用している。
エアインテークと、そこに風を導くフロントウィングのスタイリングに空気の“流れ”や音の“波”などサウンドを想起させるテーマを採用。
またヘッドランプやサイレンサーなど各パーツをエンジンを中心に凝縮させて力強いトルク感を表現している。
さらにスムーズなトップラインに、ショートオーバーハングのシルエットを組み合わせ、初代から引き継いできた“ライダーの意のままに操れるイメージ”に加え、カバー類を極力減らしたゼロカバー造形による構造体を魅せるスタイリングで、軽量化したボディによる軽快なハンドリングを表現している。
また、コンパクトさとデザイン性を両立し、優れた照射性をもつバイファンクションLEDヘッドランプ(Hi-Lo一体)を採用。
照射範囲と範囲外の境目のコントラストが穏やかで柔らかくムラのない配光となっている。
ポジションランプも導光体を備えたLEDタイプとし、新しいMTフェイスを印象づける意匠である。
※撮影用に点灯させたもので、実際の走行状態を示すものではありません。
「MT-09」主要仕様諸元(【 】はMT-09 SP)
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値となっている。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なる。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値となる。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類される。
「MT-09 ABS」フィーチャーマップ
「MT-09 SP ABS」専用フィーチャー
MT-09 公式ホームページ;https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/mt-09/
リリース提供元:ヤマハ発動機株式会社