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2ストエンジンの一生を描く バイクイベント“THE 2ST TAKE”に行ってみた

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

2025年4月26日(土)、千葉県東金市にある56design(フィフティシックスデザイン)本店にて、“THE 2ST TAKE(ザ・ツースト・テイク)”の作品完成を祝うレセプションが行われた。“THE 2ST TAKE”は、モーターサイクルアーティストのKIICHI(キイチ)氏が約2か月をかけて幅2.5m、高さ1.7mの大型キャンバスに、ペン1本で1枚の作品を描いていくライブドローイングイベントだ。

KIICHI氏が毎週末会場に通って皆さまお馴染みの「マッキー」1本を手に作品を書き上げていくというもので、来場者は毎週末ごとに徐々に作品が出来上がっていく様を目の前で見ることができたのだが、この度、とうとう作品が完成し、そのレセプションが行われた。

KIICHI氏がマッキー1本で書き上げた作品がこちら。ホントにマッキーで描いたのか目を疑うほどの作品だ。

筆者もそのレセプションに足を運んでみたのだが、これは日本のバイク界隈に新しい波が立ち始めているのでは!?と、そんな一つの勢いを感じさせるイベントだった。その様子をお届けする。

イベント情報詳細はコチラ

目次

作品完成のお祝いに中野真矢氏も駆け付ける!

レセプションは、56design本店2階ギャラリーにて、イベント主催のKIICHI氏と56design代表の中野真矢氏(以下、中野氏)のトークショーの形式で行われた。

左が中野氏、右がKIICHI氏。2人が手にしているのは今回のイベントのサイン入り限定ポスター。

MotoMegane読者には若いライダーも多いので簡単に説明しておくが、中野氏は世界最高峰のバイクレースMotoGPなどで日本人のトップライダーとして戦っていたスゴイ人!今も56designの展開の他に、若手ライダーの育成に大きく力を注いでおり、日本のバイク業界になくてはならない存在なのだ。その中野氏と目の前にある超大作を描き上げたKIICHI氏が、2人揃って目の前で並んで話しているのだから、ファンはもちろんたまたま居合わせた来場者にとっても、貴重で楽しい時間になったことは言うまでもない。

中野氏がトークショーの進行役。贅沢だ。

中野氏とKIICHI氏の出会いは、モータースタイル提案型のセレクトショップMotorrimoda(モトリモーダ)のイベントで偶然出会ったのがきっかけとのこと。中野氏が以前からKIICHI氏の作品を気に入っていたそうで、中野氏からKIICHI氏に声をかけたことで今回のイベントまで発展したそうだ。

こちらが今回の主役のKIICHI氏。

KIICHI氏からは今回のイベント並びに作品についてが語られた。“THE 2ST TAKE”の作品は3つで1つ。昔のバイクレースで使用されていた2ストエンジンは1レース使い捨てで、1レースのために生まれて死んでいくようなものだった。そんな2ストエンジンの一生を、今人気のYouTubeチャンネル“THE FAST TAKE”でマイク1本で1歌唱に全力をかける女性歌手の姿に重ねて表現をしたのがこの“THE 2ST TAKE”とのこと。更に向こうがマイク1本ならこちらはペン1本で勝負!となったそうだ。

ストーリー性が高く色々と考えさせられるのと同時に、エンジンと歌手、レースと曲、マイクとペンなど、それぞれの要素の掛け合わせのセンスが実に面白く、中野氏をはじめファンの方々はこういった感性にも惹かれているようだった。

真ん中の歌唱中の絵が期間中にペン1本で書き上げた作品。離れて見ているとマッキーで書いたとは思えない。
ちなみにエンジンはNSR500をベースにデザインされている。
レセプションでKIICHI氏によりサインが入れられて作品完成となった。
作品完成を記念してノンアルコールシャンパンで乾杯も行われた。

他にも、中野氏が2ストマシンでレースに参戦していた頃の話や、中野氏にとってバイクとはどのような存在なのかなども語られ、トークショー終了後の来場者は口々に「面白かったー」と、感想を漏らしていた。

実は世界に羽ばたく新進気鋭のアーティストだった
-Wheels and Waves(ホイールアンドウェーブス)-

ところで、Wheels and Waves(ホイールアンドウェーブス)というイベントについてご存じだろうか?バイクを中心としたヨーロッパで最大級のカルチャーイベントである。南フランスのビアリッツというリゾート地を中心に南北約60Kmにイベント会場が多数出現する世界的にも大きなイベントで、今年は6月11日~15日に開催される。日本でいうと、東京のお台場から三浦半島の横須賀あたりまでの範囲と聞けばその規模の大きさが分かるだろう。

そのWheels and Wavesのメインアーティストとして日本人のKIICHI氏が抜擢され、メインビジュアルやイベントポスターなどを手掛けたのだ!更にそのメインビジュアルがフランス最大手のモーターサイクル誌「MOTO HEROES」の表紙を飾ることにもなり、これらは相当な快挙である。

その特別展も、本国のイベント開催に先駆け、今回のレセプションに合わせて行われた。どのポスターも、昨年KIICHI氏が現地で感じたものを表現した作品となっており、解説を読むとより作品を魅力的に感じられる。

気になる方は会期中に実物を見に行こう!公式ホームページでネット販売もされている。
https://www.whitetee-blackbike.com/

SHOEI×HIGH JUMPER×KIICHIが作り出したヘルメット

更に目を惹いたのはポツンと一つ展示されたヘルメット。これは、本国のフランスでWheels and Waves開催時に展示するものだそうで、メインビジュアルのデザインをヘルメットに落とし込んだものだ。

なんとこのヘルメット、日本が世界に誇るヘルメットブランドのSHOEI(ショーエイ)の協力を得て、その道で有名なペインターのHIGH JUMPER(ハイジャンパー)による職人技をふんだんに活かしたペイントが施されたものだというから驚いた。日本の技術が結集したヘルメットと言っても過言ではない。

球体状のヘルメットにこの細い曲線を手書きでペイントするのは相当な技術を要する。金色のラインは金箔押しだ。

将来、このデザインのヘルメットが発売される日も来るのだろうか。

こだわりのTシャツブランド「白いTシャツと黒いバイク。」

レセプションの前後では、KIICHI氏が展開するTシャツブランド「白いTシャツと黒いバイク。」のライブプリントによるイベント限定Tシャツの販売も行われ、これを目当てに来場する人もいた。

今回の作品を漫画風にしたデザインをプリントした上にTHE 2ST TAKEの文字をプリントする。

無地の白いボディーに自分好みの位置でシルクスクリーンプリントを施してくれる。どの位置にプリントして貰うかが一つの楽しみなのだが、位置が決まれば目の前で自分仕様のTシャツが手際よく仕上げられていく。購入者はKIICHI氏との会話を楽しみながら、プリント作業の様子を興味津々で眺めつつ、写真を撮ったり動画を撮ったり、購入者同士での会話を楽しんだりと、様子を見ていてとても居心地の良さを感じた。コアなファンも多いそうで、それも理解できる心地良い空気が漂っていた。

今後何かが起きそうな予感がするイベントだった

今回このレセプションに参加して感じたのは、KIICHI氏が、その作品や考えや思いに共感した様々な人やブランドを巻き込みながら何やら新しい波を起こし始めていて、その波は今の日本のバイク業界においては珍しい形をした面白そうな波だということ。

アートの切り口で、ブランドや業種の垣根を越え、日本のモーターサイクル文化と海外のモーターサイクル文化の垣根を越え、更に面白いことをしてくれそうな気がするのだ。この新しい波が穏やかに続くのか、突如大荒れ!?になるのか、今後のKIICHI氏並びに「白いTシャツと黒いバイク。」の動きには注目しておくべきだろう。

トークショーやTシャツ販売はレセプション時のみの催しだったが、この“THE 2ST TAKE”は5月11日まで開催中だ(Wheels and Waves特別展は5月6日まで)。ゴールデンウィーク中のどこか1日で是非足を運んでみて欲しい。バイク乗りであれば色々と感じられるものがあるはずだ。

56design本店はツーリングの目的地や休憩地点として最高

千葉県東金市のときがね湖畔にあり、建物裏のテラス席からはときがね湖を望むことができる。1階は56designのアパレルやrizomaのパーツなどが並ぶショールーム、2階は中野真矢氏が選ぶ作品が展示されるギャラリースペースだ。テラスでは同じ敷地内にあるレストランからテイクアウトしたピザを食べることもでき、落ち着いたリラックスできる空間が広がっている。

56design本店
住所:千葉県東金市日吉台4-791-7
営業日:土/日/祝 10:00〜18:00
定休日:月〜金曜日 ※平日休みなのでご注意を!
TEL:043-445-8856 (月/水/木/金), 0475-55-0356 (土/日/祝)
E-mail:info@56-design.com
※4月12日に56design奈良店もオープンした!

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