56racinは、SDG Jr. 56RACINGの富樫虎太郎選手が、全日本ロードレース選手権第3戦筑波サーキットのJ-GP3クラス決勝レース2で総合11位、特別参戦枠1位を獲得したと発表した。
富樫選手は、レース1の転倒を乗り越え、レース2では冷静かつ安定した走りでポジションを大きく挽回。レース中にはレースウイークベストの1分01秒181を記録し、本来の実力を発揮した。中野監督も「本来の虎太郎の走りが戻ってきた」と評価し、今後の更なる飛躍に期待を寄せる結果となった。
全日本ロードレース選手権第3戦筑波サーキット J-GP3:予選・決勝レース1
2025年6月21日 天候:晴れ コースコンディション:ドライ
全日本ロードレース選手権第3戦筑波大会が、6月21日・22日に茨城県・筑波サーキットで開催。6月21日は、J-GP3クラスの予選、レース1が行われた。午前9時5分から20分間で行われた予選は曇り空の下、気温27度、路面温度39度というコンディションの中でスタートした。SDG Jr. 56RACINGの富樫虎太郎選手は2周目に早くも1分01秒900と1秒台へ入れ、7番手に。さらに3周目が1分01秒634、4周目1分01秒637とタイムを上げ、特別枠のトップに立ったが、その後にマシントラブルが発生してストップ。ピットに戻れず、4周目のタイムがレース1の、3周目のタイムがレース2の、スターティンググリッドに反映されることになった。この結果、レース1は20番手からのスタートとなった。
午後1時から20周でレース1がスタート。富樫選手はうまく飛び出したが、1コーナーでイン側に入られた1台が外側にはらんで来て接触。富樫選手は外側に押し出され、アウト側のライダーとぶつかって転倒。マシンを起こすのに手間取り、エンジン始動もオフィシャルにバイクを押してもらってやっとかかり、再スタート。右側のステップとハンドルが曲がってしまい、思うようなライディングができないながら、我慢の走行を続け、17位でフィニッシュ。特別参戦枠3位となった。明日は決勝レース2が開催される。

【コメント】
■J-GP3 #50 富樫虎太郎
予選途中で突然バイクが止まってしまい、予選はそこで終わってしまいました。でもチームのスタッフがバイクをチェックしてくれて、トラブルの原因も解決してくれたので、無事にレース1のグリッドに着くことができました。うまくスタートで飛び出すことができ、かなりの台数を抜いて1コーナーに入ったのですが、斜め後ろからイン側に飛び込んできたバイクが自分に接触してきて、アウト側の1台とさらにぶつかり、転倒してしまいました。オフィシャルから「スポンジバリアの後ろにバイクを移動させるように」と言われたのですが、ステップが曲がったくらいで走れそうだったので、お願いしてバイクを押してもらってエンジンをかけ、再スタートを切りました。ステップとハンドルが曲がっていて、コーナーの入口で踏ん張れないし、マシンもホールドできないので、1分2秒から3秒台と厳しかったですが、前回のレースを転倒で終えてしまっていたこともあり、とにかく今回はチェッカーを受けようと我慢して走り続けました。予選の位置が悪かったのと、このコースは幅が狭いし1コーナーは奥が入り込んでいてラインがより狭いので、厳しかったですね。明日は今日より少しグリッドが前で、3列目のイン側なので、1コーナーの位置取りに気を付けて、少しでも前に行けるよう頑張ります。
■SDG Jr. 56Racing 中野真矢監督
今日は7列目からの追い上げを期待していたので、とても悔しいですね。状況を聞いたら、スタートしてイン側のマシンに弾き出されたところを外側のライダーと接触してしまったようなので、ちょっと運もありませんでしたね。でも最後まで気持ちを切らさずに、ステップやハンドルが曲がっていながらなんとか走り切ってくれたので、そこは評価してあげたいと思います。これまでのレースでは、もっと前のグリッドからスタートするのが通常で、1台、2台と1コーナーの位置取りを争う、という展開をずっとしてきているので、かなりの台数で1コーナーの位置取りをするという経験は、初めてだったと思います。全日本では、これからはそうしたレース展開が一般的になるので、当たり負けしないようなところも含めて、今日は良い経験ができたと気持ちを切り替えてもらおうと思います。
全日本ロードレース選手権第3戦筑波サーキット J-GP3:決勝レース2
2025年6月22日 天候:晴れ コースコンディション:ドライ
全日本ロードレース選手権第3戦筑波大会が、6月21日・22日に茨城県・筑波サーキットで開催。6月22日は、J-GP3クラスのウォームアップ走行とレース2が行われた。9時5分から15分間行われたウォームアップ走行で富樫虎太郎選手は、2周目に1分1秒台へタイムを入れ、そこから徐々にタイムを詰めていく。走り出しからハイペースでラップできているため、3周目には6番手まで上がった。一度もピットインせずに15分間走り切り、12周目に出した1分01秒516がこのセッションでのベストタイムとなり、総合13番手でウォームアップ走行を終えた。朝は30度、路面温度44.7度というコンディションだったが、レース2が始まる前には気温35度、路面温度60度まで上がった。
レース2は午後1時50分から20周でスタート。富樫選手はうまくスタートで飛び出し、1周目は14位。目の前には、同じ特別枠で走り、先日の鈴鹿サンデーでも富樫選手に0.3秒差で2位になった知識隼人選手(MotoUPRacing)が。0.2秒から0.5秒という僅差で走る2人の間に、さらにThanachat PRATUMTONG(AstemoSIRacing with Thai Honda)選手が入り、3台でバトル。13周目の1コーナーでこのグループの前に出た富樫選手は1分1秒台中盤のペースを維持。1秒台後半から2秒台ペースで走る2台との差が広がり、このグループの先頭でフィニッシュ。総合11位、特別枠1位となった。

【コメント】
■J-GP3 #50 富樫虎太郎
昨日の夜、ここまでどうして思うようなレースができていないのか、考えました。『流れ』と言う人もいますが、結局は自分自身、やるべきことができていないのではないかという結論にたどり着きました。まだまだ、やりきっていない。だから回りの人にいろいろ言われたりしましたが、とにかく自分自身が全力でレースに挑むことだけに集中しました。朝のウォームアップ走行は、昨日転倒したマシンの確認を1周目に行い、まったく問題ないことが分かったので、そこから集中して走り続けました。ペース的にも1分1秒台中盤あたりでラップできていたので、良いフィーリングであのセッションを終えることができました。レース2は気温も上がり、タイムを上げにくいコンディションになりましたが、そこもとにかく集中して走ることだけ心がけました。昨日のことがあるのでスタート直後の1コーナーは真ん中あたりから周りの動きを見ながらクリアしたのですが、正直ホッとしましたね。そこから前に特別参加枠のライバルがいましたが、前に出るのは難しくなさそうなので、自分のリズムを維持しながら、出るチャンスが来たら抜こうと思い、その通りの展開となりました。途中、海外から来ているライダーが1コーナーの突っ込みで前に出てきたりしていましたが、その場面でもリズムを崩さないよう注意し、冷静に抜いてペースを維持しました。やっと全日本で自分のレースが出来たので、そこは良かったですが、前のグループに離されてしまいましたし、ライダー次第では十分、そのグループに加わっていくことはできると思うので、さらに練習を重ね、速さを磨いていきたいと思います。
■SDG Jr. 56Racing 中野真矢監督
昨日がマシントラブルと転倒という本当に厳しい一日になってしまったので、その確認も含めて朝のウォームアップ走行に臨みました。いつもはユーズドのタイヤであのセッションは走るのですが、流れも良くないですし、しっかりとした状態でライダーにはマシンチェックとレース2に向けた準備をしてほしかったので、今回は新品タイヤを履かせました。チーム側のそういう思いもライダーが感じてくれたようで、しっかりライディングで応えてくれたのは良かったと思います。それでやっと、今日のレースが戦えそうだという手応えを得ることができました。少しリアの動きが出ているのが気になるとライダーからコメントが出てきたので、タイヤの空気圧とリアサスペンションのセッティングを少し変更し、それと気温が昨日と同じくらい上がっていたのでその対応をし、レース2に臨みました。さすがに昨日の件があるので、スタート直後の1コーナーは見ていられませんでした。でも何事も起きずにクリアしてくれたので、そこでホッとしましたね。このレースウイークに入って、普段はミスの少ないライダーなのですが、細かいミスが出ていたので「らしくない走りだ」と思っていましたが、朝のウォームアップ走行からそれが消え、レースのペースも安定していましたし、やっと本来の虎太郎のライディングをしてくれるようになりました。そうなれば、本来は冷静なライダーなので、良いリズム、レース展開で走り切ってくれました。レース中に1分01秒181のレースウイークベストも出してくれましたし、中盤から終盤にかけてのタイムの落ちも少なかったので、大きな収穫のあるレースとなりました。チームも限られた時間の中、とても良い仕事をしてライダーの走りを支えてくれました。
【Photo Gallery 6月22日】

リリース提供元:56racing








