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浜松・オクハマを巡るバイク旅 青崩峠と2つの「月」を訪ねて

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

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オートバイ用品メーカーのデイトナさんが、自社の敷地を舞台に開催している秋の人気イベント「茶ミーティング」。様々な催し、ブースもたくさんありとっても大好きなイベントで、我々「ツーリングマップル」も毎年ブース出展させていただいています。イベント後には、マスキさん、カソリさんと「アフターデイトナ茶ミーティング ツーリング」が定番になっています。

2025年も「茶ミーティング」翌日に3人でツーリング、のつもりでしたが諸事情で急遽「前日」に日程変更。あたふたと、予定変更のルートを思案していたところ、賀曽利さんから「珍しく」場所の指定連絡があり…。今回は(も?)メジャー観光地無しの、「ツーリングマップル的」名所巡りの旅となりました。早速どうぞ!

著・中村聡一郎(フィネス)
Route!掲載日:2026年5月15日

目次

【今回のルート】

スタートは新東名高速の「掛川PA」。「森掛川IC」で高速を降りて、森町から浜松市天竜区、そして水窪(みさくぼ)へ。静岡・長野県境の「青崩峠(あおくずれとうげ)」でUターン。東栄町を経由して再び浜松市天竜区に戻る周遊ツーリングです。

なお、今回のルートで走った浜松市の中山間地域(天竜区と浜名区引佐町北部地域)には、2026年1月26日に「オクハマ」の愛称が付けられました。

➡リンク:浜松市の中山間地域「オクハマ」 (浜松市WEBサイト)

【森町でアフリカツーリングの安全祈願】

浜松市の山間部を巡るツーリング。カソリさん、マスキさんとは新東名高速の「掛川PA」で合流です。

「森掛川インター」で高速を降りて、最初の訪問場所は、森町の「天宮神社(あめのみやじんじゃ)」。ですが、その前に、「もりの木商店」で手作りサンドイッチの朝食タイム。それから「天宮神社」へ向かいます。

朝の光が差し込む「掛川PA」に集合

森町の手造りサンドイッチの店「もりの木商店」で朝食。デイトナ本社前を通る「中遠広域農道」入口近くにあって、ライダーの姿をよく見かける店です

メモを取り忘れたのですが、確かあんこだったかな?それとゆで卵も一緒に

森町の街並みを見下ろす、高台にある「天宮神社」の祭神は、宗像三女神(むなかたさんじょしん)の「田心姫神(たごりひめのかみ)「湍津姫神(たぎつひめのかみ)」「市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)」で、交通安全の御利益がある神社です。そうです、10月のカソリさんのアフリカツーリングの安全祈願のための訪問です。果たして、日本の神の力は、遠く離れたアフリカまで届くのでしょうか。

福岡の宗像大社(むなかたたいしゃ)と縁のある神社。宗像大社は実家で車を買ったらいつもお祓いに行っていたので、懐かしい気分に

境内からは森町の街並みが眼下に。すぐ下の道が、「秋葉神社」や南信へと続いていた、秋葉街道(あきはかいどう)かな?

【清流「阿多古川」を遡上して「クマ」に到着、峠を越えて佐久間へ】

当初の予定では森町から峠を越えて、春野へ向かう予定でした。しかしカソリさんから、

「天竜のほうを走るのなら、熊に行こう!」

「え、熊ですか!何故あそこへ?」

「熊での素敵なロマンスの話しを聞いたんですよ~、すごく、それに興味をひかれてしまいましてー」

と数日前に連絡があったので、ルートを変更して、森町から二俣へ。そして、阿多古川沿いに県道8号で「熊」を目指します。地元では「くんま」と呼ばれている地区で、三河から秋葉神社への「秋葉道」の宿場だった山村です。ですので、道沿いには歴史を感じる古い建物も残ります。

その中心にあるのが「道の駅 くんま水車の里」。「道の駅」というよりは、山村の直売所の雰囲気を感じるのは、幹線道路に面していないせいでしょうか。それでも、駅内には池や水車があり、清流「阿多古川」も流れる環境はじつにのんびりとしていて良い感じです。

駅内には名前にもある「水車」が。現役で使われているようです

清流「阿多古川」を見ながら過ごせるテラスで、「この饅頭、きっと熊の美しい女性が手造りでつくったものですよ、うまい!」とご満悦の賀曽利さん

➡リンク:「道の駅 くんま水車の里」

カソリさんの目的地に到達した後は、私とマスキさんの目的地、「青崩峠(あおくずれとうげ)」を目指します。熊から「大地野トンネル」を通り、東栄町へ。そこから「佐久間」を経由するので、せっかくなので「佐久間ダム」にも寄っていくことにしました。

熊からさらに道を登った先にある「大地野(おおちの)トンネル」。なんと、カソリさん、この峠は初走行とのこと、びっくりです

「大地野トンネル」から先に進んでいて目に飛び込んできた巨木「吉沢の田高杉」。「田高」とは土地の所有者の名前
佐久間町の浦川の伝統芸能が「浦川歌舞伎」。しかし、2025年3月の公演を最後に歴史の幕を閉じた

佐久間ダムは、戦後日本の電力不足を解消するために、天竜川に造られたダムです。アメリカから輸入した大型建設機械を使って建設された、大規模なダム建設の先がけとなった建築です。155.5mの堤高は、完成当時は日本一でした。

ダムの堤体の上には県道1号が通っています。ここから北へ天竜川沿いに、長野までつながっているのですが、訪問日は通行止。走る楽しみはまたの機会までお預けです。

堤体上の道が県道1号で静岡と愛知の県境を越える

深く切れ込んだ天竜川の渓谷に造られたダム湖の「佐久間湖」。JR飯田線はダム建設の予定を踏まえて建設していたが、当初の予定よりもダムの規模が大きくなり、現在の水窪経由のルートに付け替えられた

【「水窪」からさらに北へ、「青崩峠」へ】

国道152号で水窪川沿いの深い森を抜けると水窪(みさくぼ)町。2005年に浜松市に編入された町で、ここも「秋葉街道」が古くから通る、交通の要衝だった場所です。町の中心には南北に水窪川が流れていて、東西には急峻な山並みがあり、「水が集まる窪地」がイメージされます。

ちょうど昼の時間だったので、昼食ができる場所を探したのですが、見つからず…。国道沿いの「スーパーやまみち」で弁当を買って、店前のベンチを使わせていただいて、そこで昼食です。

昔、林道を走り繋いでいるときとか、こんな昼食のこともあったな。ちょっと懐かしい感じです

水窪の町から国道152号を北へ進んで、いよいよ青崩峠へ向かいます。青崩峠のトンネル工事の進行にあわせて、国道も各所で改良工事が行なわれていて、将来的には青崩峠から水窪の町までは、現在の国道を改良工事して、「三遠南信自動車道」の一部となります。

これから向かう「青崩峠」ですが、当初トンネルの建設は無理と判断されて、、「三遠南信自動車道」は東側の「兵越峠」を通るルートで計画が進められました。その際に、先行して造られたのが「草木トンネル」です。

水窪から狭い国道を走ってくると、忽然と高規格のトンネルが山中に現れて、それを抜けると国道は姿を消して、兵越峠越えの林道に繋がるという不思議な場所でした。

東三河(愛知県)、遠州(静岡県)、南信(長野県)を繋ぐ高規格道路「三遠南信自動車道」の状況
2023年5月、ついに貫通した「青崩峠トンネル(仮称)」。全長は約5km。右側奥に見えるのが草木トンネル
「青崩峠トンネル(仮称)」の位置図。「青崩峠」の西側を通る(画像引用:飯田国道事務所)

➡リンク:三遠南信自動車道(飯田国道事務所WEBサイト)

草木トンネルの手前で国道を離れて、急坂の林道へ入ります。事前情報では、途中で復旧工事のため林道は通行止とのことでしたが、ゲートなどはなく、林道終点の少し手前で道が大きく荒れてきたので、ここでバイクを降ります。

林道の途中に建つ標柱。青崩峠越えの道は、昔、太平洋の「塩」を内陸へ運んだ「塩の道」のひとつだった

林道終点の広場まで歩いて、そこから登山道に入り、青崩峠を目指します。約150mほど歩くと、谷の先端がぶつかる場所に、狭い切り通しのような平場が現れます。そう、ここが青崩峠です。さほど、険しい感じはしないのですが、静岡側も長野側もすーっと谷筋が足下から伸びています。

一説には、平安時代末期から人の往来があったとも伝わる古道でありながら、車道は造られなかった峠です。というのも、この峠には関東から九州まで延びる巨大断層「中央構造線」が南北に走っており、地質条件が厳しいためです。そうした背景を思えば、この地面の下に長大トンネルが完成予定と聞くと、じつに感慨深いものがあります。

登山道を歩いて峠へ。賀曽利さんが以前、峠を訪問した際は「塩の道」の標柱から歩いたそうです
そして峠に到着!峠を挟んで東西の地質の違いを色で表した峠名の標柱が建つ
木々で解りにくいが、峠から南側には切り立った谷

➡リンク:大鹿村中央構造線博物館による「中央構造線」の解説

【カソリ、月に立つ!?大満足のツーリング無事終了】

青崩峠まで到達できて、我々は大満足です。時間の都合で、兵越え峠を越えて、遠山郷へは行けなかったのが心残りですが、再び水窪へ戻って、帰路へつきます。

ここで、賀曽利さんから

「帰りで良いので、ぜひ、月に寄ってください、花祭の見学に足繁く通った、思い出の場所なんですよ」

と、佐久間ダムで、頼まれていたことを再確認です。

私「賀曽利さん、ご希望どおり、月に寄って帰りましょう。国道152号で戻るので、寄れますよ」

賀曽利さん「? 152号、愛知を通ってたっけ?」

私「愛知?天竜ですよね?」

賀曽利さん「天竜???」

何と、賀曽利さんの「月」は東栄町でした。てっきり、よく写真を見る「月まで3km」の標識だと思っていました。よくよく考えれば「花祭」は愛知県の郷土芸能でした。

といううわけで、慌てて方向変更、東栄町に向かいます。

この日は、宿泊地の掛川市に戻らないといけない時間が決まっていたので、どうなることかと思ったのですが、三遠南信自動車道のおかげで、何とか間に合いそうな時間に「月」に到達できました。

カソリさんの話しなどを聞く限りでは、この珍しい地名は、日本ではここと浜松市の2カ所しかないということです。名前の由来は調べたのですが、はっきりとした答えは見つかりませんでした。もし、ご存じの方がいたらご一報お願いいたします。

ココですよ、ココ。懐かしいですよー。夜、東京からバイクを走らせて「花祭」を見に来たのですよ
「月」には公民館も。ウサギはいませんでした
月地区での「花祭」の様子。東栄町の各地区で冬に行なわれる祭りで、夜を徹して舞を奉納します

➡リンク:花祭り公式サイト

さて、三遠南信自動車道から東名高速へのルートを使えば、掛川市にリミットの時間までには余裕を持って戻れそうです。

しかし、口には出さないけれども舛木さんから

「ここまで来たなら、静岡の月も行っておきたいよね、ね、ね、ね」

という圧をヒシヒシと感じたので、ツーリングマップルでルートを検討です。結果、間に合う、多分。ということで、中村ナビの検索モードを「高速利用」から「高速を使わないルート」へ変更して、浜松へ戻ります。

再度、「大地野トンネル」を通り、なんとか日没前に「例の標識」まで到達です。ここで、日も暮れて、今日のツーリングも無事終了となりました。

方面標識まではたどり着きましたが、残念ながら、「月」地区への訪問は時間切れ
この日のラストシーンは「船明ダム」の夕景

【後書き】

今回は行き当たりばったり、出たとこ勝負の旅にはしないで、きっちりとルートを決めて、と意気込んでいました。

しかし、急な予定変更に、カソリさんからの意外なリクエスト、そして最後の最後にとんでもない勘違いと、結局いつも通りの「ツーリングマップル的なツーリング」となってしまいました。

それでも、ここだけは外せないと考えていた「青崩峠」に行くことができたので、大成功の一日だったと思います。

最後に、カソリさんと「月」を結びつけた東栄町の「花祭」ですが、その名前から、きれいな花に関連した祭りをイメージしたのですが、実際は勇壮な踊りを見ることができる祭りでした。機会があれば、一度見に行きたいですね。

掛川市に予定通り到着できたので、翌日、茶ミーティングに無事ツーリングマップルのブースを出展。この時も多くの方にブースで足を止めて頂いてありがとうございました!

〜僕らは今、旅の途中〜 常に進化を遂げてきたライダーのバイブル

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この記事では「ツーリングマップル」協力のもと、モトメガネ編集部で記事を再編集。今後もさまざまなバイク情報を取り上げていきます。

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