バイクに興味を持ち始めたのは、中学生のころ、という少なくないと思います。あの頃は授業中にもかかわらず、バイク雑誌をコソコソ眺めていたこともあったような……。当時は「つまらない」「大人になって使うわけない」と思っていた授業の内容が、実はバイクのレストアに役立てることができる!という事をご存じでしょうか。
レストアに活用できそうな中学理科知識 3選
① サビ落としは「中和反応」
サビ落としはワイヤブラシでサビを削る方法が定番ですが、広範囲のサビを落とす場合、「酸性物質」によるサビ落としを試すのもありです(自己責任)。
アルカリ性のサビに対して、中和反応を起こしサビが落ちやすくなります。中学理科の「BTB溶液」「リトマス試験紙」を使用した実験は、「バイクのレストア」の為だったのかもしれません。
今回は弱酸性の「クエン酸」を使ってみました。クエン酸を溶かした水にサビたパーツを放り込むだけで、じっくりと中和反応が進みます。就寝中や仕事中も「ながら整備」ができるので比較的扱いやすいと考えたからです。ただし、メッキパーツに関しては、メッキ加工が剝がれてしまうので使用は厳禁。また反応後のパーツはすぐにサビるのですぐに錆止め処理をしておきましょう。
最終的にはワイヤブラシで整えていくため、レストアには必需品です。
② 「てこの原理」をコントロール
ボルト・ナットの締め過ぎによる「ねじ切り」という整備ミスを防ぐ方法です。初めてオイル交換したり慣れない整備をするときに心得ておくとよいでしょう。M8・M10といった比較的細めのボルトを締める場合は「力点」が「支点、作用点」に近くなるよう工具を短く構え、「ショート持ち」にすると良いでしょう。これは「てこの作用」が大きくなり過ぎて、ボルトがねじ切れてしまうことを防止する措置です。
レンチ等を長く持つ「ロング持ち」は少ない力で作業できますが、力加減がつかみにくく細いボルトなどはねじ切れてしまいます。逆に「確実に締めないと危険」なアクスルシャフトなどは「ロング持ち」を使う場合も出てくるでしょう。箇所に応じて使い分けすることをおススメします。
③「12色相環」はカラーリングの参考
メインカラーをどうするか?差し色はどれを選ぶ……というのは、それぞれのセンスですが、仕事が手につかない程迷うときは、この「12色相環」を眺めてみましょう。
基本三原色の「赤・青・黄」
例えば、メインカラーを「ブルー系」にする場合は反対側の「イエロー系」の補色をチョイスすると、メリハリある配色になるという「中学美術」の授業内容です。これをヒントにすると推しカラーを決めやすくなり、納得いくマシンに仕上げることができそうです。塗装は焦らず慌てず根気よく行うのがコツです。
「赤・白・緑」のカストロール、「赤・白・青」のトリコロールを見るとワクワクするのは私だけ?かっこよく見えるカラーリングは、配色バランスも重要ですね。
「乗り物」は安全第一
レストアは観測的希望だけでは不十分な仕上がりになると考えています。つまり「どうにかなる」「動けばよい」というスタンスでは危険な代物になってしまう可能性があるという事です。最終的には「誰かの命と」共に走る乗り物なので「形になれば良し」では済みません。
余談ですが、こんなパーツが再販されていました!
今回は2023年に「株式会社デイトナ」から数量限定で発売された「TZM/TZR/RZ用のボアアップキット」を奇跡的に購入することができたのでインストールすることにしました。サラリーマンとしては高額な商品ではあるものの、バイクマニアとしては「昭和後期~平成中期のようなカスタム」できるので恵まれていると感じています。
まとめ
「メンテナンスなんてムリ!」と思う方もいるかもしれませんが、普段の洗車もメンテナンスですし、定期的な空気圧チェックやタイヤ溝(スリップサイン等)の確認、可動部の注油作業も個人でできる範囲の作業です。安全な状態のマシンにまたがり、一層のバイクライフを楽しんでいきましょう。