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クルマの部品の中でも控えめな存在のブレーキ。
見えにくい部品であり、付いていて当たり前なので、ついつい忘れがちになっても仕方はない。従ってブレーキの役割、仕組みを詳しく知らない人も多いはず。そこで大事なブレーキを知ってもらうため、ブレーキ専門メーカーである”ディクセル”監修のもと、わかりやすく解説していこう。
第1章:ブレーキは最重要部品の一つ!構造や仕組みは知っておこう
クルマに限らず、オートバイ、自転車、そして電車など多くの乗り物に装着されている「ブレーキ」。動いているものを止めるには必要な装置だ。
その性能は年々進化しており、確実でなおかつ安全に止まれるブレーキが日々開発されている。ブレーキの進化が無ければ、今のクルマの進化は無かったと言っても過言ではないだろう。
そんな重要な存在のブレーキなのだが、付いていて当たり前の装置であり、またホイールに隠れて見えにくい場所に着いているだけに、ほとんどの人がその重要性を意識してないのではないだろうか。
どのような種類があり、どのような構造で、それがどう動くのか詳しく理解している人はよほどのクルマ好きに限られるのが現実だろう。
しかし実際はブレーキはタイヤと同じで走れば摩耗し、時間が経てば劣化する装置である。定期的な点検、部品の交換は必ず行わなければいけない「最重要な装置」の一つなのだ。
日本の自動車ディーラーや整備工場ではしっかりとチェックを行っているので、点検の際に摩耗や異常がある場合は必ず伝えてくれるはずだが、日頃から走行した距離や歳月をユーザー自身が把握しておいて、点検時以外でも気に掛けるようにしておきたい。タイヤと同じでブレーキの存在を疎かにすると命にも関わりかねないからだ。
円盤を挟み込んで止める今では主流の「ディスクブレーキ」
ブレーキのタイプは大きく分けて、「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」の2種類があるが、現在の主流はディスクブレーキだ。ディスクブレーキはその名の通りディスク(円盤)をブレーキパッドと呼ばれるものでで挟み込み、摩擦によって回転を止める仕組み。乗用車をはじめ、高速で走る新幹線などにも採用されている。
ディスクブレーキの構造はどうなってるのか?
一般的な乗用車に採用されているディスクブレーキは下のイラストのような構造となっている。様々な部品から構成されており、長年使用するとこれらが摩耗、または劣化し、効きが悪くなってくる。定期的な点検は必ず必要だ。
ブレーキはどのような原理でクルマを止めるのか?
クルマが止まる原理は以下の4つ
① ブレーキペダルを足で踏み込む
② 踏んだ力がブレーキ機構に伝達される
③ 伝達された力によって、ディスクブレーキはパッドがディスクを挟み込む
④ その摩擦力を熱に変えることで回転するものを止める
運動エネルギーを熱エネルギーに変換してブレーキは効く
ブレーキは摩擦を利用してクルマを止める仕組みだが、回転するもの、いわゆる運動エネルギーを熱エネルギーに変換することで減速し、止める。この熱エネルギーは、時速100㎞のクルマが急ブレーキを1回かけるだけで、0度の水が2ℓ沸騰するぐらいのエネルギー量が発生するのだ!
第2章:クルマは走れば走った分だけブレーキの重要部品は摩耗する!
乗員の命を守るブレーキは摩耗すれば効きが低下する
ブレーキが働くことで、回転している車輪を止め、クルマを停止させる。この車輪の回転を止める時に金属であるブレーキパッドとディスクローターの間に摩擦熱が生じる。つまり、回転する運動エネルギーを、摩擦の熱エネルギーに変換することで止まるというわけだ。
当然ながらブレーキパッド、ディスクローターともに摩擦によって摩耗する。その減り方は各車のブレーキ性能やドライバーの運転の仕方、走行距離によってマチマチではあるが、どんなクルマでも確実に摩耗する。つまり、必ず交換する時期が来るということだ。
ブレーキパッドは通常新品であれば10㎜〜15㎜は厚みがある。それが走行すれば摩耗するわけだが、厚みを計測して4㎜以下であれば、すぐに交換が必要だ。
今時のクルマはブレーキパッドが減ると、警告ランプが点灯したり、ブレーキキャリパーに取り付けられている金属製のセンサーが回転部分に接触して「キー」という音が発生する。ブレーキを踏んでいない状態でもこの音が発生するので運転していればすぐに気付くはずだ。
このブレーキパッドが減っているかどうかを目で確かめるには、タイヤを外さないと確認できない。夏タイヤからスタッドレスタイヤに交換するタイミングの時などに、チェックしておけば安心だ。
ブレーキパッド・ディスクローターが摩耗するとこうなる!
ブレーキパッドの磨耗
ブレーキパッドは新品と摩耗したものでは一目瞭然!厚みがまったく異なるのが分かる。このすり減っている部分が回転するブレーキローターに接触して回転を止めているのだ。
ディスクローターの磨耗
ディスクローターはバッドに挟まれるため、走った分だけ摩耗する。下の写真のように摩耗したものは厚みが減るため、制動力が低下したり時にはガタが出る場合もある。また、ディスクローターが摩耗すると、せっかくパッドを新品に交換してもその効果は半減してしまう。
愛車のディスクローターの磨耗が気になる場合は、ディーラーやプロショップにある専用の測定器で計測してもらうようにしよう。
ブレーキパッドのチェック方法
愛車のブレーキパッドの減り具合をチェックするのは以下の方法で行う。
① タイヤを外し、ブレーキキャリパーの窓を覗いて確認
② エンジンルーム内のブレーキフルード量を確認
③ 走行中にブレーキから音鳴きがしたらすぐチェック
日頃から定期的な点検をして安全・安心な運転を行おう
もしブレーキの効きが悪いと思ったら…
毎日のように愛車に乗っていると、ブレーキの効きの変化については気付きにくいもの。点検や車検の時に指摘されなければ気付かない人も多いだろう。今のクルマはブレーキパッドの使用限度が近づくとランプが点灯したり、音が鳴るような仕組みとなっている。それらを見逃さないことが大切だ。タイヤ交換などを行う場合はついでに見てもらえば安心。また、点検時に必ず整備記録簿にはチェックされているので、気になる場合は確認するようにしよう。
次回、Part.2では「正しいブレーキ部品の選び方」について解説!
今回のPart.1ではブレーキの基本的な仕組みや磨耗について解説してきたが、ブレーキパッドやローターが摩耗して交換が必要になった時、間違ったものを選ぶとブレーキ性能を低下させてしまう場合もあるので正しい選び方が重要となる。
そこで次回、Part.2では「正しいブレーキパーツの選び方」について解説。乞うご期待!
ブレーキ専門メーカー『ディクセル』とはこんな企業
2003年6月に一般車およびチューニングカー、レーシングカー用のブレーキパーツの製造/販売を目的として設立され、「優れた(Excellent)」と「減速力(Deceleration)」をモチーフに名づけられた “DIXCEL” ブランドで、企画/開発から製造/販売までを担っている。
商品ラインナップは現行車から旧車まで網羅しており、ブレーキパッド1400品目、ディスクローター2600品目を誇る。