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車の中は落雷から守ってくれる?感電リスクと意外な落とし穴

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

「車の中にいれば落雷しても安全」という、都市伝説のような話を耳にしたことがある人も少なくないかもしれません。

本当に、車に乗っている時に落雷があっても感電することはないのでしょうか。

目次

運転中の車に落雷があっても、人体への影響はない

一般的に、夏は一年の中でも大気の状態が不安定になりやすい季節といわれています。

そして、この不安定な大気の影響により、短時間で急激に積乱雲が発生することも少なくありません。

積乱雲は「入道雲」とも呼ばれる、大きくもこもことした形状が特徴の雲です。

しかし、そのかわいらしい見た目とは裏腹に、積乱雲は短時間の豪雨や雷、突風、さらには竜巻といった、激しい気象現象を引き起こすおそれがあるといいます。

そうした気象状況の中で、「車の中にいれば落雷しても安全」といった話を耳にしたことがある人も多いでしょう。

では、本当に落雷時に車内にいても無事なのでしょうか。

結論からいえば、車に落雷した場合でも、車内の人に影響が及ぶことはほとんどありません。

JAFが2023年におこなったユーザーテストでは、高さ2メートルの金属製の車両に落雷相当の電流を流し、車内に設置した人体モデルへ影響が及ぶかを検証しました。

その結果、車内の人体モデルには電流が流れず、影響がなかったという結果が確認されています。

ただし、これはあくまで「金属製ボディの車」の場合に限られます。

屋根のない車やバイク、自転車などは、この限りではないため、雷が近づいた場合は、ただちに建物や安全な場所に避難することが大切と言えるでしょう。

また、車内にいても、金属部分には触れないようにすることが望ましいとされています。

雷の際に車を避難先とするのは有効な手段の一つです。

しかし、車を過信しすぎず、慎重な行動を心がけることが重要といえます。

人体への影響はないが、車体に影響を及ぼすおそれも

一方で、実験ではエンジンが始動しなくなるなど、車自体に影響が出たケースも確認されました。

つまり、落雷によって車載の電子機器や電気系統が損傷を受けた場合、走行不能に陥る可能性があるということです。

とくに、最近の車は電子制御技術を多用しています。

落雷により、ECU(電子制御ユニット)やセンサー類などの電子制御技術が障害を起こし、走行機能全体に大きな影響を及ぼすおそれもゼロではありません。

そのため、走行中に雷雲が接近している、または落雷の音が聞こえるような状況になった場合には、無理な運転を続けるのではなく、安全な場所への避難が推奨されています。

さらに、車外に出る際は、電柱や樹木など落雷を受けやすい場所を避けるのも重要とされています。

このように、運転中の車に落雷した場合、車内にいる人への直接的な影響はないとされています。

しかし、落雷によって車の電気系統が損傷し、走行不能に陥るリスクも考えられるといいます。

そのため、外出前には天気予報や雷注意報などの気象情報を確認したり、大雨や雷雨の予報が出ている場合、不要不急の外出を控えたりすることが大切です。

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