東京・三鷹に位置するSTI(スバルテクニカインターナショナル)ギャラリーは、スバルファンにとってまさに“聖地”とも言える存在だ。
ここでは、WRCやニュルブルクリンク24時間レースなど、世界の舞台で培われたスバルのモータースポーツ活動が、実車展示や体験型コンテンツを通して間近に感じられる場所。
2009年のオープン以来、ファンとの距離を大切にし続けてきたこの施設の魅力を紹介しよう。
中島飛行機⇒富士重工⇒SUBARU
STIが三鷹市にある理由

STIが東京都三鷹市にある理由。その背景には、スバルのルーツとも言える中島飛行機の時代から続く“ものづくりの拠点”としての歴史がある。戦前から航空機の開発・製造を行っていた中島飛行機の流れを汲み、戦後に誕生したのが富士重工業(現・SUBARU)。その技術開発の中心が、まさに三鷹市にあったのだ。
そして1988年、スバルのモータースポーツ専門会社として設立されたSTIもまた、この地に拠点を構えた。つまりこのギャラリーは、スバルの“技術の原点”と“走りの最前線”が交差する場所でもある。

乗って感じる、スバルモータースポーツの鼓動



館内に足を踏み入れるとまず目を引くのが、WRCやGTマシンをはじめとする歴代のレース車両たちだ。
WRC(世界ラリー選手権)は、F1と並ぶ世界最高峰の自動車レースのひとつ。
舗装された道路だけでなく、砂利道、雪道、山道など、さまざまな自然の道を使ってタイムを競うのが特徴。スバルは1990年代にこのWRCで大活躍し、青いボディに金のホイールで知られる「インプレッサWRC」は今なお伝説のラリーマシンとして語り継がれている。




驚きなのが、これらマシンが柵で囲われているわけではなく、超至近距離で見ることができるということ。さらには実際にコクピットへ乗り込めるのだ。ドライバー視点で“戦うマシン”の内装や空気感を味わうことができ、写真撮影も自由。リアルな体験が訪問者を魅了する。しかも定期的に展示されるマシンが変わるので、何度訪れても楽しめるのだ!




ミニカー年表や体験マシンなど、楽しめる工夫が満載



STIギャラリーは2019年にリニューアルされ、ミニカーによる車両年表や、ハンドルとアクセルでボールを動かしSTIモデルのハンドリングを疑似体験できる遊具など、遊びながら学べる展示も充実している。
単なる「静的な展示」にとどまらず、来場者が参加・体験することを前提に作られている点も、他の自動車関連施設にはないユニークな特徴である。





海外ファンも歓迎!毎月変わる限定ステッカーがうれしい

世界ラリー選手権で3回マニュファクチャラー部門で優勝しているスバル。その熱い走りから世界中にファンがいるのもスバルならでは。STIの聖地とあって海外から訪れるファンも多く、英語表記の案内資料も充実している。

また、謎解きイベントや、毎月デザインが変わる来場記念のステッカープレゼントといったリピーターを意識した企画も盛んに行われており、国内外問わず多くのファンが何度も足を運ぶ理由にもなっている。

ファン心をくすぐるギャラリー限定の記念品と“絆”を深める特別展示

展示スペースには、STIオリジナルグッズが販売されているが、それらすべてがSTIギャラリーでしか手に入らないアイテムなのだ。
さらに、来場者がメッセージを書き残せる「絆の柱」は、年に1回白く塗り直され、新たな“絆”が刻まれていく。こうした来館者との一体感を生み出す演出も、STIギャラリーならではの魅力である。

走る歓びを共有する、スバルファンの交差点


STIギャラリーは、ただの展示スペースではない。
スバルの情熱と技術、そしてファンとの“つながり”を感じることができる場所だ。スバルがレースで獲得したトロフィーも、ただ飾ってあるだけでなく、実際に手に取って写真に収めることもできてしまう。スバルの勝利はファンがあってのもの、という姿勢がこんなところにも現れている。
傘立てがサスペンションのパーツを使って作ったものだったり、何気なく展示されている絵が、イギリス人の現代アーティスト、イアン・クック氏によるもので、キャンバスにペンキを置きRCカーを走らせることで描いたものだったりと、展示されている車両以外にも見所にあふれている。
モータースポーツの熱量を体感し、記憶に残るひとときを過ごしたいなら、ぜひ一度訪れてみてほしい。

SUBARU STI GALLERY MITAKA 詳細



【入場料】 無料
【開館時間】10:00~17:00
【休館日】 月曜日~金曜日
ゴールデンウィーク(2025年4月26日~5月4日)
夏季(2025年8月9日~8月17日)
年末年始(2025年12月27日~2026年1月4日)
※日程詳細につきましては確定し次第、HPにて紹介。
【所在地】 東京都三鷹市大沢三丁目9番6号
【駐車場】 なし。※公共の交通機関で来場ください。
https://www.sti.jp/gallery/







